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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
164/871

163P

桶狭間忠国は行動に移してた。野乃野足軽と平賀式部が付き合うようになってたから、あの二人には接触せずに一定の距離から眺めてた桶狭間忠国だが、色々と調べ上げ、準備はできたと思ったんだろう。


 その日、桶狭間忠国は覚悟を決めてこの学校で遠巻きにされてしまってる二人の世界に押し入ろうとする。


「おはよう」


 そんな事をいって校門で声をかける。それにビクッとする野乃野足軽。それは友達としてのリアクションではないんでは? って感じだ。それに桶狭間忠国は慎重が180を超える巨体である。もうすぐで190行こうかという程でもある。それに桶狭間忠国は縦にデカいだけではない。横にもデカい。デブではない。


 ガタイがごついのだ。その筋肉によって、横にもでかくなってる。そんな桶狭間忠国が初々しいカップルに迫る……それはまるで嫉妬で脅しをかけてる男……のように周囲に見えててもおかしくない。


 でもあくまでも桶狭間忠国的には友達として……声をかけただけのスタンスを崩さない。


「なんだよそのリアクション。僕たち、友達だろ?」


 そう言ってズイッと迫る桶狭間忠国。その動作に野乃野足軽は平賀式部を背後に回して、一歩下がった。その様子に誰にも気づかれずに腹筋に力を込める。体全体に力を込めると、一気にこのピチピチの制服が弾けて飛んでしまそうな気がするから、流石に桶狭間忠国は自重してる。なんとか我慢して、笑顔であろうとしてる。


「君達付き合ってるんだよね? 一番の友だちの僕にも紹介してくれたってよくないか?」


 体の中の筋肉の至る所がピクピクと自己主張をしてる筋肉たちを桶狭間忠国は感じてた。まるで『俺たちを使え!』とか『このための俺たちだ!!』と筋肉達が言ってるようだ……と桶狭間忠国は感じてた。


 でもそんな筋肉達の訴えを抑え込んで、笑顔を崩すことはない。なにせここで一方的に野乃野足軽を叩き潰したとしても、それで平賀式部が桶狭間忠国に目を向けるかというと、そうじゃない。


 それがわかってる。もしも平賀式部が桶狭間忠国をそれでみたとしても、それはきっと好意ではないだろう。それじゃあ、意味なんてないと桶狭間忠国は思ってる。だからこそ桶狭間忠国はこれまで野乃野足軽と付き合ってきたその関係性……それを使うことにしたようだ。


「あ……ああ、そうだな。えっとこちら、知ってると思うけど……か、かか彼女の平賀式部さん」


 野乃野足軽がそう言って紹介した瞬間に、上半身の制服が弾け飛んだ桶狭間忠国である。

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