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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
157/871

156P

「どうして……やっぱり、なんか変だったよな?」


 野乃野足軽はひとまず授業はサボることにして、平賀式部に付き添うことにした。なにせ心配だったし、実際もう教室に行くのは……と思ってる。なにせ目の前でスヤスヤと寝てる平賀式部が告白したのだ。そしてそれに返事をして、二人は今や恋人同士。


 その注目はもはや学校一だろう。教室に行くと、一体どうなるのか……と野乃野足軽は想像したくもなかった。なにせ穏やかな日常はもうない……と思えるからだ。昼下がりの日差しが差し込んで、平賀式部を照らしてる。


 開いた窓から吹き込む風が穏やかで、この睡魔を誘ってくるのも納得だ。それに普通なら今はお腹も満たされる。抗うことの出来ない眠気に襲われるのは仕方ない。


 とりあえず野乃野足軽はここで食べれなかった弁当を食べてた。そして独り言の様に呟いた言葉は明確にその対象がいる。それはもちろんアースだ。


(そうですか? 人間なんてあんなものでは?)


(あんなものって……やっぱり平賀さんがあんな大胆な事をするって……)


 あの瞬間の事を思い起こすと今でも顔が熱くなる野乃野足軽だ。別に嫌なわけじゃなかったし、なんなら野乃野足軽にとっては人生最高の瞬間――といえる出来事だった。


 でもこうやって一人になって、落ち着いてくるとどこか「やっぱりおかしい」と思えてくる。


「もしかして……誰かに操られてた?」


(貴方のような力に目覚めた者がいるということですか?)


 野乃野足軽は頷いた。なにせずっと考えてた可能性だ。世界にこんな力をもったのが野乃野足軽だけ……なんてのは考えられないと。


(けど、彼女を操って告白させますか?)


 そんなアースの言葉になにか返す事ができない。それは野乃野足軽だってよくわからないからだ。そんな事するメリットが……あるだろうか? 


(よしんば、向こうは俺の力に気づいてて、好印象にして接触したいと思ってる……としたら?)


(彼女の意思を捻じ曲げての告白がうれしいのですか? ある意味、嫌がらせでは?)


(それは……)


(それよりもこの奇行はどちらかというと、貴方のせい……かもしれません)


(は?)


 なにやらとんでもない事をアースが口走った。

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