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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
152/871

151P

ざわざわ……ざわざわ


 昼休み、それは起こった。今一番学校で注目されてる人物である平賀式部。美しい容姿はそれはそれは他者からの視線を奪ってしまう少女だ。そんな少女だから、もちろん内心で好いてる輩は多いだろう。


 そんなに学校で話すなんてこともやってない平賀式部だが、それで自分は無愛想だから……とか思って興味持たれないようにしてるみたいだが、全くもってそんなのは見当違いでしか無い。


 平賀式部はただその場にいるだけでいい……そう思ってる男子がいっぱいいるのだ。もしかしたら今、初めて平賀式部の声を聞いた……という人もいるかもしれない。それだけ平賀式部が今まで出したことのある声ではなかった。


「えっと……その……」


 野乃野足軽は困ってた。いやそれ以上に、この現実って奴を受け入れられてない。


(今、好きって言ったか? 俺の事を?)


 にわかには信じられないことだ。だって野乃野足軽の前にいるのは学年一、いや、下手すると学校一と言っても良い美女の平賀式部である。それにそれだけにとどまらずに、雑誌を飾ってるモデル、動画投稿サイトで可愛いとか言われてる投稿者とか、それこそ映画に出てる人よりも……は言いすぎかもしれないが、対等くらいには可愛い平賀式部がなぜか野乃野足軽に告白……をしてきた。


 そう野乃野足軽の聞き間違いではなかったら……


(告白が愛を伝えるということなら、たしかに彼女はそれを行いましたよ)


 冷静沈着に野乃野足軽の中のアースがそんな事を言ってきてた。アースは告白がどれだけ重要……というか、心に与える動揺ってやつがわかってない。けどアースはこの星そのものと言える存在だ。それは仕方ないだろう。


 でもアレだけハッキリ言ったのに、実際、野乃野足軽だけでなく周囲だって、ざわざわとしてるが、「まさか」とか思ってたりする。なにせ平賀式部に今、もうアプローチを仕掛けてるのは誰か? それはこの学校の誰もがしってる。


 


 それは三年の山田奏だ。イケメンでサッカー部のキャプテンで成績だってトップの方にいるという、天から三物でも与えられたのか? と言わんばかりのスペックをした女子が夢中になる要素しか無いようなマンガから出てきたような……そんな男子生徒。


 その山田奏が毎日毎日、平賀式部へとアプローチしてたのは誰もが知ってる。


(それなのに……)


 だ。誰もが「それなのに」と思うだろう。なにせ野乃野足軽はお世辞にも格好いいとは言えない。そこまでブサイクでもないが、どっちかというと、ぼうってしてる顔をしてる。


「真面目に聞いてるのか?」


 とか理不尽に教師に言われてしまう顔だ。まあつまりはぱっとしない顔をしてる。山田奏と比べるとそれこそ、存在感が消されそうな……そんな顔なのだ。周囲はきっと誰だっておもってるだろう。


「「「なんでこんな奴に?」」」


 ――と。

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