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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
147/871

146P

(無理矢理にでも力を使って……いや、無理だな)


 野乃野足軽はそんな事を考える。だって別に平賀式部と過ごしたいと思ってるのは野乃野足軽だって同じだ。彼女だけの一方的な思いではなくて、野乃野足軽だって出来ることなら、美少女と二人っきりで弁当を食べるってシチュエーションは大切にして行きたい……と思ってる。


 と言うか、すべての男子がそんな風に思うだろう。それだけの価値がある――と。だからこそ、平賀式部が爆発する、しない以前の問題として、野乃野足軽だってとらえてる。出来うることなら……とね。でもいくら考えても、うまくいくビジョンがみえないでいた。


(学校は人が詰め込まれすぎてるんだよ……)


 教室の傍は沢山の人がいる。それを全て把握して、その行動を……そして思考を操る……は流石に無理がある。前はそれこそ平賀式部の行動を逐一報告する……なんてのはいなかっただろう。


 平賀式部の事を気にしてたとしても、それを自分の中でとどめておく……って人が多かった筈だ。それならなんとかなった。でも今はそうじゃない。今の学校の状況は沢山の人が平賀式部の行動を報告しあって、なんか彼女に対してだけの監視社会……いや監視学校みたいな感じになってる。


 野乃野足軽の力を使ってすこしの人の視界や記憶を操作する……そんな程度では間に合わないのだ。


(学校では諦めたほうがいいのかも……それなら……学校の外……でも、何もないのに家にいくとか……そんなの無理だし……)


 そう考えつつ、ちらっと平賀式部を見る。彼女は一見静かに座ってる様にみえる。けど今は授業中だ。なのに机には何もない。今の時代、支給されてるタブレットだけあればいいが、それさえない。ただ彼女は机の一点を見つめてる。


(やばいよな……)


 実際それで眼福ではなくなるのか……と言われればそうじゃない。平賀式部はいつものように美しい。けど、彼女の精神がすり減ってるのはわかる。


(どうにかしないと……)


 もちろん平賀式部だって、きつい言葉を言ったりして、山田奏を拒絶してる。けど山田奏にはそんな言葉どうやら意味がない。更に山田奏が構うから、女子たちが平賀式部に嫌がらせとかしてる。嫌がらせ事態は小さな事だ。けど、そういう小さな事がストレスになっていったりするものだろう。


(ストレスを緩和したりとかできないかな?)


 不特定多数を相手に力を使うのはとても疲れることだ。けど一人ならまだ……と野乃野足軽は思う。このままでは平賀式部が可哀想と思っても、なかなか表立ってなにかする……なんて事が野乃野足軽にはできない。ならこの力をもっとべつの方向でアプローチ出来ないか? と考えたわけだ。


 ストレスを緩和するなんて普通ならそれこそ楽しいことをやったり、ストレスがない状況を生み出すしか無いわけで……ストレスの原因から離れるとかだ。でも学校がストレスである以上、学生であるうちは難しい。保健室登校とかにするとか……でもそれは野乃野足軽から切り出せるようなものではない。


(せめていい気分になりますように……)


 そう思って野乃野足軽は力で平賀式部を包み込んだ。

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