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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
143/871

142P

山田奏が見せてくる盗撮写真。けどそれは一枚ではないらしい。よく見たら……いや、野乃野足軽がよく見る必要なんてなかった。なぜなら向こうから見せてきたからだ。


 山田奏のスマホの機種はそれこそ日本人なら誰もが使ってる……半数以上はそうだろうリンゴマークのそれである。その写真フォルダの中は、八割は平賀式部のそれだった。


(うわぁ……)


 と思わず野乃野足軽も思ってしまう。野乃野足軽だって平賀式部の事を好きだと……思ってる。そう最近自覚したところである。けどそれはもしかしたらただ女性の友達がいないからそう思ってるだけ……の可能性だって否定できない。


(この人……これを見られたら直ぐにそうだって気づかれるよな? ちゃんとした友達っているのか?)


 なんか余計な心配をしてしまう野乃野足軽である。それとも山田奏の友達はそこらへんスルーしてくれる優しいやつばかりなのだろうか? 高校生なんて集まればバカをしそうな……そんな自制が効かないギリギリの年齢だったりするだろう。


 こんなのを見られたら冷やかされたり、それこそ煽ってくる……奴がいたっておかしくない……と野乃野足軽は思う。


「早いですね……」


「クラウドにあるからね」


「えっとどうやってこれって……」


 野乃野足軽は確信を得るためにも、一歩を切り込む。これで認めるのなら簡単……とかいう思いがある。


「ああ、よくスレに上がってるよ。それを集めてるんだ」


「なるほど……」


 野乃野足軽は納得した。どうやら山田奏の盗撮ではなかったらしい。今や国民の9割くらいはスマホを持ってる時代である。高校生にもなると、だいたい誰もがスマホをもってる。


 今や野乃野足軽達の世代はネットに生まれた時から染まってる世代だといっていい。だから誰もがそれを当たり前のように使いこなしてる。


 それこそいい意味でも……悪い意味でも……だ。目立つ人……山田奏のようなイケメンや、平賀式部のような美少女はやっぱり狙われる対称になりやすい。野乃野足軽もしらないだけで、きっと山田奏だってネットにはいっぱい写真が上がってるんじゃないんだろうか? 


「先輩は……平賀さんの事まだ……えっと言ってはなんですが、振られてましたよね?」


 プライドを傷つけることになるかも……とか思った野乃野足軽だが、意を決して聞いてみた。すると山田奏は笑った。その反応は予想外だ。


「拒絶されたかもしれないね」


「えっと……」


 まさか認めるとは思ってなかった野乃野足軽。だって朝倉静香とも話してるときも、認識してない、認めてない……って感じだった筈だ。なのに目の前の山田奏はそれを認めた……それに野乃野足軽は驚いた。


「でもあの時、すごく見てくれたと思わないかい?」


「え?」


「彼女の目には、あの時……自分しか写ってなかったんだ」


(…………こわっ)


 そう言って口元を手で覆い隠した山田奏。けど野乃野足軽にはみえてる。その口元が笑ってることを。

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