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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
142/871

141P

「山田先輩はその……平賀さんの事……どうするんですか?」


 喧騒の中、前にいる山田奏に向かってそんな風に呟く野乃野足軽。こんな人ばかりのところでこんな話をどうなのか? とか思わなくもない野乃野足軽だが、実際歩いてると大声で喋ったりするでも無い限り、別に他人の話に聞き耳を立ててる人なんていないだろう。


 他人なんてのは本人が思ってるほどに無関心なものだ。だから本当に他人は問題ない。問題はなのは、こっちに関心がある他人だろう。つまりは尾行してる女生徒達。けど彼らも野乃野足軽にはバレたが、やっぱり山田奏にはバレたくないのか、そこそこ離れた距離にいる。だからきっとこの二人の会話は聞こえないだろう。


「どうとは?」


「いえ、その……山田先輩が見せた指輪……あれって……」


 アレのせいで山田奏は平賀式部に一発もらってる。そしてその怒りを向けられた。ハッキリ言って、普通なら好きな人? に叩かれて怒られたら普通は落ち込むものだ。しかも「最低」とか言われた。


 野乃野足軽は思う……


(自分なら一週間は引きずるけど。山田先輩は応えてないんだよな)


 山田奏はあれからも普通に一日を過ごしてる。それは野乃野足軽は近くにいかなくても、その力で確認してる。叩かれたから、周囲の(主に女子)が心配してたり、平賀式部に対して怒りをあらわにしてたけど、それに対してもやんわりと「彼女のせいじゃない」とか仲裁を測ってた。


「良い反応だった。あの時の彼女の瞳は俺しか映してなかった……そうだろ?」


「え? そうです……ね」


 なんか山田奏はさっき変えたばかりのスマホの画面を見てる。覗き込んでみると、なんか平賀式部の写真を表示してた。


(まさかもう、壁紙として設定を?)


 恐ろしい速さである。でも流石にスマホの壁紙を付き合っても居ない女子にする……というのは自分がその子の事を好きです……とか気になってるアピールにほかならない。


 普通はそういうのは恥ずかしがってやらないだろう。それこそ本当に付き合いたてのカップルがやるようなことだ。確認しておくが、山田奏と平賀式部は付き合ってなんかない。


(気が早いというか……でもこの人、流石にあんまり匂わすようなことは今までしてなかったはずだけど……)


「先輩、その写真……」


 盗撮ですか? とは流石に先輩だから野乃野足軽は聞くことは出来なかった。でもどう観ても盗撮っぽい写真だ。図書室だろうか? その窓辺で本に目を向けてる平賀式部のなんてことはない姿だ。けど……それはとても写真として魅力的に映ってた。


「ああ、良く撮れてるだろう?」


(そういうことじゃないけど……)


 嬉しそうに画像を見せてくる山田奏にそんな事を思いつつも、犯罪の証拠として、この画像をどうやってもらおうか? とか考える野乃野足軽だ。

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