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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
125/871

124P

「先輩の私が用があるっていってんの」


「それってパワハラですよ」


 平賀式部は朝倉静香に対してそう指摘した。ギャルのような見た目の朝倉静香に対して全く物怖じしてない平賀式部。更に続けてこう言うよ。


「私はこの子達の世話してるんです。これは日課です。もしもようがあるのなら、待ってもらえませんか? それかすこしでも早く話がしたいというのなら、手伝ってください。


 貴方の為に私の用を中断する理由はありません」


「……わかったわ」


「なら大人しくしててくだ――」


「ほら、何やればいいのよ」


「――え?」


 平賀式部が止まった。それを見て「ちょっと何止まってるのよ」とか朝倉静香は言ってくる。


「いえ、まさか本当にやるなんて思ってなくて……手とか汚れますよ?」


「そのくらいなんなのよ。私を何だと思ってるのよ?」


「高飛車なギャル?」


「アンタね……本当に殴るわよ」


「その時は訴えますからどうぞ」


 この二人、驚くくらいに相性が悪い。口を開けば喧嘩が始まる。けど平賀式部が言ってることもわかる。こういうギャルは学校で毎日やる掃除や、時々行ってる地域清掃なんて率先してサボりそう……というのは誰しもの共通認識ではないだろうか? それに……だ。


 ちらっと平賀式部は朝倉静香の手を見る。というか、爪だ。ギャルである朝倉静香の爪は長い。実用的ではない長さである。そしてなんか爪がカラフルで色々とついてる。


 ああいうのをやってるからギャルは手が汚れる様なことをしたくない……と平賀式部は思ってた。


「良いんですかそれ?」


「ああ、わたし上手いから」


 一瞬「何が?」と平賀式部はおもった。けどそれを聞くのを億劫だし、本人が求めてるのだ。なら外野が何かを言っても仕方ない。それに……平賀式部はその長い爪が取れて慌てふためいても別にいいか……と思ってる。なのでそのまま手伝ってもらうことにした。


「何やればいい?」


 なんか袖まくりをしてやる気満々な朝倉静香。とりあえずこんなギャルなんてすぐに文句を言うだろうと思って、その時が来るまではちゃんと手伝ってもらうことにした平賀式部である。

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