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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
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111P

その日、とても野乃野足軽達のクラスは空気が悪かった。なぜか? それは単純な話で、いつも華を放ってる平賀式部が明らかに不機嫌だからだ。別に平賀式部はいつもニコニコしてる……なんてことはない。そんな事はまったくない。


 けど平賀式部程の顔面偏差値なら、ただそこにいるだけで華になるのだ。ただ本に落とす視線一つでも色っぽいとか、男は勝手に思ってるし、窓を外をみて息をついたり、窓を開けて靡く髪とかを勝手に有難がってる。


 でもそんな平賀式部だからこそ、不機嫌なのはすぐに分かる。そういうのも別に隠そうとするやつじゃないし。それにクラス中の誰もが今朝の出来事は知ってる。いや、クラス中というか、学校中が知ってる出来事になってる。


 だからだろう……実際機嫌が悪いのは平賀式部だけではない。このクラスでのカーストが高いギャルたちが休み時間の度に平賀式部に嫌味みたいなことを言ってる。直接ではない。けど明らかになんか「はぁー誰かさんのせいで空気悪ー」とか言ってるし、今朝の事を何度も話題に出してはケラケラ笑ってる。


 それに対して平賀式部は全く反応をしてない。教室の中では。


「なんなのアイツラ!」


 ダン!! と彼女にしてはマナーがなってない事をいつもの準備室で野乃野足軽と二人っきりということで平賀式部はコップをテーブルに叩きつけた。中身は飲み干してるから、中身が溢れる……なんてことはなかった。でも今日の平賀式部はあれてる。でもそれも仕方ないよな……と野乃野足軽は思ってるから別になにも言わない。


 きっといままで我慢してたんだろうし、ここには野乃野足軽しかいない。だから吐き出させてもいいだろうって思ってた。


「自分が相手にされないからって他人を下げて……それでアンタたちが私より可愛くなれるわけじゃないのよ。そもそもがああいう行動が周囲にどう見られてるかってわかってるの? 全員アンタ達の事、心がブサイクだって思ってるわよ!! っね!!」


 そう言って野乃野足軽を強い視線で見てくる平賀式部。その視線はよしんば、あんな奴らよりも私のほうが可愛いよね? って言ってるようだ。それか、あんな悪口しか言わないような頭悪いギャルに共感なんてしないよねっていう脅迫か……でも野乃野足軽も別にあれであのギャルたちをかわいいとは思わない。


 確かに彼女たちはただ派手だからクラスのカースト上位に立ってるわけじゃない。派手でノリもうるさくて、そしてバリバリメイクを決めて自分を着飾ってるからだ。それに野乃野足軽にはどこまでがメイクの力なのかは分からないが、ちゃんとかわいい顔はしてる。


 平均よりは皆上の顔面をしてるだろう。だからこそ自信もある。でもそれで他人を見下して良いことにはならない。普段なら彼女たちも別にそこまで悪口を言ってるわけじゃない。


 いつもなら平賀式部の事は見ないことにしてる。でも今日は言いたい事があるんだろう。きっと彼女たちには山田奏を打った……ということが許せないのかもしれない。


「そうだね。俺もあれはちょっとって思う」


「うんうん」


「ところでなんで山田先輩のこと打ったの?」


 野乃野足軽は朝からずっと聞こうと思ってたことを聞いた。

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