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高嶺の花と無自覚なライバル  作者: はるさんた


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22/23

番外編② 「新婚です!甘いです!」


 朝日がカーテン越しに差し込み、柔らかな光が二人の寝顔を包んでいた。

 レイナはそっと目を開ける。隣には、まだ眠るエリオット様の穏やかな寝息が聞こえる。


「……おはようございます、エリオット様」

 小さな声で呟くレイナに、彼の指先がそっと自分の手を包んでいた。


「君は本当に可愛いね。朝の顔も、寝起きの顔も、全部僕のものだ」

 照れたように頬を染めるレイナを見て、エリオット様はくすりと笑う。

 レイナも小さく笑い返す。

「……甘すぎますわ、エリオット様」

「甘いのは、君が隣にいるからだよ」

 その言葉に、レイナの胸がじんわり温かくなる。


 朝食の席では、二人で並んで庭を眺めながらゆったりとした時間を過ごす。

「今日も良い天気ですわね、エリオット様」

「そうだね、レイナ。君と過ごす日々は、天気まで味方してくれる気がする」

 レイナは微笑み、スプーンをゆっくり運ぶ。

 エリオット様も彼女の横顔を見つめ、そっと手を重ねた。


 昼下がり、書斎で書類に目を通すエリオット様のもとに、レイナが訪れる。

「エリオット様、少しお手伝いしてもよろしいですか」

「もちろんだ、レイナ。君と一緒なら、何をしても楽しい」

 笑いながら書類を渡すレイナに、エリオット様は優しく声をかける。

「君の手、温かいね。こうして一緒にいるだけで、心が落ち着く」

 言葉のひとつひとつが、レイナの胸に染み込む。


 午後には、庭で紅茶を楽しむ。

「今日は、ミラ嬢とアーロン様がいらっしゃるそうですわね」

「そうだ。二人の様子も見られるし、僕たちも甘々な時間を楽しもう」

 レイナは微笑み、そっとエリオット様の腕に手を絡める。

 彼の温もりを感じながら、心の中で小さく誓った――この幸せをずっと守ろう、と。


 夕暮れ、窓の外に落ちる橙色の光が二人を柔らかく包む。

「エリオット様……わたくし、このまま一日中、ずっとそばにいてもよろしいですか」

「もちろんだよ、レイナ。昼も夜も、ずっと一緒だ」

 その言葉に、レイナの胸は高鳴った。

 互いに見つめ合い、穏やかな時間が流れる。


 夜、寝室の灯りが柔らかく灯る。

 ベッドに腰かけた二人は、手を取り合いながら静かに話す。

「今日も一日、幸せでしたわ……」

「僕もだ、レイナ。君と一緒なら、毎日がこんなに甘くなるなんて思わなかった」

 レイナはそっと顔を伏せ、耳元で囁く。

「……エリオット様、わたくし、幸せです」

「僕もだ、レイナ」


 そのまま手を握りしめ、夜空を眺める二人。

 窓の外には月明かりが優しく降り注ぎ、庭の花々が静かに揺れていた。


 ――新婚の二人。

 未来はまだ長いけれど、この甘くて幸せな日々は、ずっと続く。


 愛する人と共に過ごす時間は、すべてが甘く、すべてが特別。

 レイナとエリオット様の微笑みは、朝から夜まで絶え間なく輝き続けていた。


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