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142話 爪痕に残る者と物

名持(ネームド)モンスター:『アトラゥス』の討伐を確認》

《特定討伐ボーナス スキル熟練度・取得経験値2.5倍》

《経験値を取得しました》

《ワルイガ=ナナシのレベルが89⇒101に上昇しました》


《熟練度が一定に達しました》


《走破製図LV.10⇒LV.10(MAX)》

《洞観視LV.5⇒LV.6》

《精神耐性・大LV.5⇒LV.7》

《心慮演算LV.4⇒LV.6》

《目利きLV.9⇒LV.10》

《武具投擲LV.10⇒LV.10(MAX)》

《隠密LV.8⇒LV.9》


《【逃亡者(とうぼうしゃ)】すべてのスキルが最大値に達しました、クラスアップが可能です》

《【剣闘士(グラディアトル)】すべてのスキルが最大値に達しました、クラスアップが可能です。クラスアップ先を選択しますか?》


《・・・選択を保留にします》


《特定討伐ボーナス 『アトラゥス』にとどめを刺した者に、称号『竜王殺し』が与えられます》


《該当モンスターの討伐を確認。『ショートソードC+(無名)』の武器熟練度は既に上限に達しています》

《『ショートソードC+(無名)』の新たな強化が可能です》


《ワルイガ=ナナシを『超越者(ちょうえつしゃ)』として認定》

《『超越者』の称号が与えられます》


《『超越者』検閲によりステータス表記バグ認知・・・・所有者の現能力値から乱数干渉・・・・》





《・・・・バグの修正に成功しました》






:::::::::






「・・・・・ちっ」



何もない。都市部においてそこだけ何もない。

開拓前の更地、それより遡ったようなむき出しの土壌。

人口の建物が密する中でそこだけがそのような情景を作り出す。明らかに超常的に何かで抉られた痕跡。


かつてそこにあった建物の基礎すらも一切残さず無に帰したその場に、



「あの野郎、マジでやりやがった」



男が一人。

まだ数分前の激闘の熱気揺蕩うその場に足を踏み入れる。



「・・・・漁夫の利を狙う隙も無かった」



一人こぼす。

純然たる事実。



「近づくことすら、機を窺うことすらにも、死のリスクが付きまとうさっきの戦い」



目の当たりにした自身の力量を超越した次元の戦闘、己の無力さ、現実。

それらすべてをひそかに組み立ててきた企みの瓦解により、より鮮明に突きつけられる。



「博打、運・・・・いや、これが限界か。胸糞わりぃ」



むき出しの乾いた土をつま先で抉る。

まるでいじけた子供のように。


すると、その仕草に反応する様にクレーターの淵から一体の竜種が覗き込む。



「・・・・なんだ、どうかしたか?」



先の、この大地の傷跡を残した名持の竜とは体躯も存在感も圧倒的な差異がある使役されし竜。

主人である男の声にこたえるように一鳴きすると、土埃を上げながらクレーターの曲面を下る。



「? どこにいこうってんだ」



鋭い牙を主人の肉に突き立てないよう器用に服の袖を甘噛みしながら、誘導する様に引っ張る。



「わかった、引っ張るな。そっちに行きゃいいんだろ?」


「ルルゥ」



粗暴な口調とは裏腹にその言葉には怒気などは含まれていない。

使役する異形の者と対等な関係を築いているようだった。



「探したって食い物なんかありゃしねぇぞ」



袖から口を離し先導して主人をいざなう。

ほどなく歩くと、ある場所でその動きを止めた。




「そこか?そこに何かあるのか?」



竜は鼻先を寄せるとそこに蓄積した砂埃を鼻息で払う。

粒子の細かい砂なようで巻き上げられたそれは竜とその主人を包み込むほど周囲に舞った。



「げほッ!げほッ!おい!何してんだ!」


「ルルル・・・ブァフッ!」



巻き上げた砂が鼻先や鼻腔を撫でたのだろう。

今度は特大のくしゃみを放つと結果としてその勢いにより視界は晴れた。




「ちっ・・・なんなんだって——————」



度重なる竜の奇行に、さすがに毒づく男。

だが口から漏れ出たそれは、



「なにか、埋もれてる?のか?」



砂を盛り上げる何かを目にし、次ぐ句を引っ込める。

導かれるように男は跪き慎重にその砂の膨らみを手で払っていく。


すると——————



「こいつは・・・」



姿を現したのは玉。凹凸がなく見るからにその手触りは滑らかなことがわかる光沢。

反面、深い深海のような漆黒の色。

この存在感、物体にしてこの雰囲気、



「魔石、ってやつか・・・・」



遠目に見ることはあっても実際に手に触れるほどの距離あるのは初めての経験。

だがそれでも、眼前にあるそれが常と異なるということは、



「馬鹿でけぇ・・・!」



その異様な大きさで分かった。

男のひざ下にまで来る全長、まるで卵のような形状。

これは疑うべくも無く、



「あの黒い竜の魔石、か」



その真たる名称は魔石とは異なるのだが男はそれを知らない。

知らぬまま、思案する。



「これだけのもん、とてつもない価値を秘めてるにちがいねぇ・・・・だが正直おっかなくてもってらんねぇな」



先程自身に感じた無力感から、余計なリスクを負うことに尻込みする。



「どうしたもんかな・・・・」



何気なく触れて無用と伸ばされる手。




《警告。()()()()()()()【■■■■】の発動条件を満たしています》



「——————あ?」



頭に飛び込む音声、だがすでに動作は、



《終生使用限界回数は5回です。使用しま——————》



完結し、黒鉄の竜の魔石へと触れていた。





《承認。ユニークスキル【■■■■】を発動します》



「!? なんだ!?魔石が——————」




《再構築を開始します》



頭に響く声を聴きながら、


黒の宝玉が放つ光に、使役する竜ともども男の体は呑まれていった。


やっと4章終了かと・・・・

だらだらと長引きました。


誰も気にしていないというか、内容薄いけど

次章でちょいちょい伏線とお話を回収していけたらと思います。


でも長い章一区切りついたから間を空けるかも・・・

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まさかフュージョン…字数が違うか
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