ちょっとしたお話
昨日頭痛でワールドの方は更新中断したけど風邪かもしんない……
咳がなかなか収まりません……
最近急に寒くなったので皆さんもお気を付けください
さて、国で活躍していた人物が何等かの事情で冒険者になったとする。
この場合、幾つかのケースが考えられるが、実際はその活躍のままに冒険者になってトップランカーに、というのは案外ないらしい。
「まず、大きな理由として国から放逐されるような人物なんて大概何かしらの問題を抱えた結果だ」
「そりゃそうだな」
上手くやってりゃ、そのまま国で活躍してるはずだしな。
国だってそれなりに有能な奴を手放すとこは早々ない。
「まあ、反乱なんて起こした奴はさすがに冒険者ギルドも引き受けられないから、処刑な訳だが」
「デスヨネー」
連座して、というのも有能な奴なら家の取り潰し、とまではいかない事がほとんどだ。そりゃそうだよな、騎士とか魔法の使い手なら普通は降格程度に留めるだろう。大臣とかそういう文官関係はそもそも幾ら落ちぶれても冒険者になっても活躍出来ないから除く。
となると冒険者になるのは……。
「活躍って言っても下っ端か、家の権力頼り、或いは何かしら大きな問題抱えてるかのどちらかって事かあ」
「正解だ」
なるほど。
まだまだ一介の騎士程度ならそこまでダントツの腕なのはそうそういない。
家の権力をバックにしてるような奴だと、そもそも実際は腕そのものがない。
実力はあっても家を取り潰されるようなのは人格面に問題があるようなのが多い。
そして、本当に実力あるような奴は国だって何かしら理由をつけて、確保しようとする。結局の所、何事もそう上手くはいかない、って事だな。
「さて、そろそろ試験の話をしたい。まず一番重要な確認するが、受けるか?」
「受ける」
「受けます!」
『私はラティスに従う』
うむ、とギルドマスターは頷いた。
「試験に関しては別々に受けてもらう形になる。そちらのゴーレム君はラティス嬢のサポートという形で登録されているので、当然共に行動を共にしてもらう事になる」
ツァルトの扱いは要は武器や道具扱いって事だな。
当人ならぬ当ゴーレムも認めてるからいいんだけどさ。
「けど、こういう話になったって事は相当あのバーサークコングって強かったのか?」
「まあな。通常サイズなら昇級って話にはならんかったんだが」
ああ、やっぱりあれ、通常より年経た強力な個体だったのね。
「つうか、あんなもんが何で奥地から出てきたんだ?」
「知らん。というか、俺が知りたい」
怖いねえ。
当り前だけど強力な個体はそれに見合う縄張りを持ってる。
あれだけの古強者となれば、長く支配してきた広大な縄張りがあるだろう。
……それがあんな浅い所にいた。理由はと考えるなら、縄張りを捨てないといけない何かがあったって事。……自然災害とかならまだいい。どんな個体でもさすがに自然災害はどうにもならんから、火山の爆発や大規模な洪水、極度の干ばつが原因で縄張りを捨てる奴はどうしても出てくる。
問題はもう一つの可能性。
すなわち、縄張りを捨てざるをえないような強力な個体に追われた、って可能性がある。
「っていうか、大丈夫なんだろうな?あいつが最後の一体とはかぎんねーぞ」
「……さすがにすぐはない、と思いたい。だから君と試験官にAランクを同行させるというのもある」
は?
「っておい、俺の試験官Aランカーなのか?」
「でなけりゃ、試験場所の危険地域に入り込めん」
そりゃそうだろうが……。
俺、ここのAランカーなんて知らんぞ?
一体どんな奴なのか不安になってきた。
次回はAランカー登場!……ではなく!
幕間として、前に出てきた黒幕っぽい奴らのお話予定です




