戦闘のお話その2
シリアスです
少々血なまぐさい展開があるのでご理解の上、お進み下さい
ガンガンガンガン!!
直撃!
そう思って、痛みに耐えるべく(死ぬとか考えない)でいた俺の目の前で棍棒が木っ端微塵に砕け散った。
ぐあ?
「え?」
なんで?そんな風にバーサークコング共々変な声が出たが、立ち直るのは俺が早かった。
理由は単純、今の音と結果に心当たりがあったかなかったか、その差だ。
一瞬、空中で足場を形成し、態勢を立て直しながらチラッと視線を向ければ、視線の先には両腕を砲門に変え、こっちに向けているツァルトの姿……。やっぱり、そうか、さっきの音はツァルトの魔導砲弾の着弾音だったんだな。
けど今は。
(考えろ考えろ考えろっ!!)
俺の【首狩り】は首を狩る。
けど、その本質は生命の流れを断ち切るスキル。
なら、全部まとめて断ち切るしかないと誰が決めた?そう考えた瞬間。
ポーン……
そんな音と共に頭の中に何かの声が響いた。
思わず苦笑が浮かぶ。
ああ、あの神を名乗るヤロウの仕込みか?
……やりそうだな、面白そうって事で。
……この際、あいつの『力を奪う事はないと神の名に誓ってあげるよ。どうせ僕にとっては力の欠片にすらならないからね』って言葉を信じて、使わせてもらうしかないな。
「まったく……!」
改めて、生命の流れを見る。
狙うは首ではなく――。
「あんの性格悪がっ!」
斬!と。
音がすると共に、ボトッと音がした。
が……?
バーサークコングの動きが止まった。
……そうだろうな、いきなり腕が落ちりゃ、そうなるだろうよ。
【腕堕とし】
【脚断ち】
意識した途端にこんなもんよこすなんて、本当に性格わりい。気づかなけりゃ、死ぬまで首を狩るだけだっただろうな!
これで終わらんぞ!
もう片腕を!足を!更に反対の足を!
ああ、ダルマっていうんだっけ?今のこれ。
さっきまでの威勢はどうした?恐怖に。
『やめなさい』
あ?誰だよ。
『今のあなたは正常ではない』
正常?
敵を倒すってのに何か問題でもあるのか?
いや、正常ってなんだ?
ふと気づけば、バーサークコングは大量の血を流して息絶え、取り巻きのエイプ達は逃走してた。
それに気づくと同時に、すっと冷静になる。いや、分かる。
これはあいつの仕込みじゃない。いや、仕込みって言えば仕込みなのか?この種族選んだのはあいつだよな。
「ああ、そっか」
同じ魔物にも怖れられる訳だよな、首狩りのウサギが。
ラティスとビット
双方に発覚した事とは




