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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ2  作者: トール
第1章

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84/101

84.神王様、決意する3


ランタン視点



『ふむ……』


漆黒に艶めく尻尾をパタンと振り下ろしたっきり、小さく唸る友の姿に首を傾げる。


「ヴェリウス、貴女さっきから何を心配しているの?」

『ランタンか。いや……神王様の招待客の事で少し、な』

「御子様方のパーティーの件ね。招待客というと、人間達の事かしら」

『ああ』

「まぁわからなくもないわ。だってアタクシ達の主様の大切なパーティーですもの。人間ごときが神王様直々に招待されるだなんて、少し嫉妬しちゃうわ」

『創世の第1神であるおぬしでさえそうなのだ。他の神々の嫉妬をかわねば良いと思ってな』

「大丈夫でしょう。音楽祭の時も何事もなく済んだのだし、今回も皆神王様のご尊顔を拝見出来れば、嫉妬心なんて綺麗さっぱり無くなるわよ」

『それならば良いがな━━……』




“神王”とは世界の創造主なのよ。

人間は愚かにも神王様と神族を同一視しているけれど、神族とは一線を画す比類なき存在なの。人間と神族のような……いえ、それ以上の差があるもの。

唯一無二の尊き御方である神王様。そんな御方が主催するパーティーに招待された神族はさぞ浮き足立ち、御前に傅き、神王様の為に用意した貴重な献上品を喜んで差し出すに違いないでしょう。


しかも今回のパーティーは神王様の“御子様の御披露目”。長く生きてきた神々でも類をみない最重要の催し。前に一度、御披露目(一瞬)があったとはいえ正式ではなかったわけだし、今回の神族の本気度は前回と比べ物にならないはずよ。


何しろ神王様の尊い血が、“鬼神”という一族に継がれたんだもの。“御子様と縁が結べれば“どんな存在であれ神王様の家族になる事が出来るわけなのよね。


変な事を考える神族が出て来なければいいけれど……。あら、これじゃあヴェリちゃんと同じね。


アタクシはアタクシのやれる事をしましょう。

創世の第1神としてね。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




リン視点



「リン! お前その格好何だよ!?」

「え? 騎士団の正装だけど……」


招待状をもらったとはいえ、さすがに神々のパーティーとやらに1人で行く勇気を持ち合わせていないオレは、浮島でアルフォンスと待ち合わせて一緒に行く事にしたわけだが……


「バッカ!! お前今日は御子様の御披露目パーティーだぜっ んな格好さすがにねぇよ!!」


一応神族の一員である友に服装をダメ出しされてしまった。


「上等な服なんてこれしか持ってない……」


少し出世したとはいえ、しがない平民騎士であるオレがパーティーに行けるような服を持っているわけがないだろう。

国から支給された騎士団の正装が一番上等なんだよ!


「やべぇな……ちょっと待ってろ。今トモコに相談してみっから」


時間が差し迫り焦っている友の服装は確かに、貴族や王族がパーティーで着るようなきらびやかで高そうな服だった。

エルフ(神)だけあって整った顔をしているアルによく似合っている。


お前いつの間にそんな服用意したんだよ。


「リン。トモコから、“神王様が今からお前の服装を変えるから驚かないように”ってよ」

「はぁ!?」


言葉の意味を飲み込めない間に変化していたオレの服。前着てた服がどうなったのか非常に気なるんだが!?


「さすが神王様だぜ!!」

「非常識すぎるだろうが! 驚くなって言われても驚くわ!!」


まったく。ありがたいが突然こういう事をするのは止めてほしい。


「ま、良いじゃねぇか。中々似合ってんぜ。その格好」

「ニヤニヤしながら言うなよ」

「ハハッ それより行こうぜ。もうすぐ電車が出る時間だぜ」


出だしからもう不安しかないが、バシバシ肩を叩いてくるアルをひと睨みし、オレ達は駅へと向かった。



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