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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ2  作者: トール
第1章

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79/101

79.ロードの神殿1


中立派: 雅、トモコ、ショコラ


ヴェリウス派: ヴェリウス、ランタン、オリバー、ルーベンス


ロード派: ロード、ジュリアス、アルフォンス、アナシスタ、リン


ロード派が一人多いが、ヴェリウス派は完全に頭脳派なのでロード派に勝ち目はないように思う。唯一期待出来るのはアナさんだけだろう。


「はい。今回はアナさんの顔合わせも兼ねていますので、皆さん宜しくお願いします」

「え、あの、これはどういう集まりなのでしょうか??」


完全に戸惑っているアナさんは、何の説明も無しにロードに連れて来られた様子。

私もリンとルーベンスさんをほぼ説明なく連れて来ちゃったし、さっき自己紹介時にサラッと説明しただけでは足らなかったか。


「ヴェリウス。皆に詳しく説明してくれないかな」


説明下手な私は、ヴェリウスにお願いして机の上にあったお茶をすすった。完全に人……獣任せだが、向き不向きというものがあるので目をつむってもらいたい。


ヴェリウスはやや不遜な態度ながらも、完璧な説明でアナさん達を納得させていた。


「そういう事であれば、やはり私は神獣様を支持しよう。天空神殿は神々の至宝。このように素晴らしい芸術品に異物を混ぜるなど愚の骨頂なのでな。貴殿の神殿はどこか違う場所に建てる事をおすすめする」


ルーベンスさんはそう言ってヴェリウスを喜ばせ、ヴェリウス派とロード派は火花を散らす事となる。


「あれ~? この会議って、皆で協力してめっちゃオシャレな神殿を建ちゃおう!! っていうものじゃなかったっけ~?」

「なんだかほんのり違う気もするけど、大体そんな感じ」


と、トモコと話しつつ資料を机の上に並べていく。もちろん天空神殿のホログラムも机の真ん中に創り出しておくのを忘れない。


ホログラムがくるくる回っていてイイ感じだ。


「はいはーい。皆さん、とりあえず資料を各グループに配ったので手にとって見てくださーい」


資料というのは、この世界と地球の建築物の写真集である。

有名なものから私の個人的に好きなものまでを写真に収めて、神王特製写真集を創ったのだ。


「こ、これは……っ」


さっきまでバチバチしていた皆が、その資料を食い入るように見ている。


『ミヤビ様、天空神殿を創った際に使用した資料よりもさらにグレードアップされていますね!』

「素敵~!! アタクシの神殿もこんな風にリフォームしようかしらぁ」

「ふむ。見たこともない建築物のようだが、どれも芸術性が高い。特にこの余計なものをそぎおとし、洗練された━━……」


ヴェリウス派は芸術品を愛する目の肥えたひと達だから盛り上がっているようだ。


一方ロード派は……


「どれも素晴らしいですね。これはどちらの国の王宮でしょうか? 敵に攻められた際の対処方法がよく考えられている造りだ。……師団長見てください。この死角となった部分に穴が開けられています。きっとこれはこの部分に誘きだした敵を弓や槍などで攻撃し、一網打尽にする為に作られたもの。計算され尽くされた設計ですね」

「ああ。こっから攻めるにしてもここに人員を配置した場合挟み撃ちにされるしな……。まてよ、こっちに━━……」


君ら一体なんの話してるの!? 日本の城の攻略法考えてる!?


「リン!! 見てみろっ この塔斜めになってるぜ!!」

「何で壊れかけの塔が資料に入ってるんだ??」


リン、アルフォンス君、それ地球じゃかなり有名な塔……。


駄目だ。話が進まない。皆視点がバラバラ過ぎて纏まりが無さすぎる。


「ミヤビ様~。外観のデザインはヴェリウス様達にお任せして~防衛面をロード様達にお任せし、内部をトモコ様とジュリアス様にお任せするのはどうでしょうか~」


ショコたん!!!!


癒し担当なのになんという鮮やかな解決策を提案してくれるのか!!


「その提案採用!!」



こうして、天空神殿が増築されることとなった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ふぇ~~~!! 素敵だね~!!」

『うむ。我ながら素晴らしいセンスだ』

「主様~。ショコラはお役に立てましたか~?」


完成した天空神殿ロード御殿を見上げ、奇声を上げるトモコ。その横で自画自賛するドヤ顔のヴェリウスは大変可愛らしい。

ショコたんはお手柄だったよ。と頭を撫でれば嬉しそうにエンジェルスマイルを向けてくれた。破壊力抜群だ。



円卓会議の後それほど待たずして外観のデザイン案がヴェリウス側から提出され(さすが優秀者の集まりだけある)、それをロードが形にし、たった数日で神殿が完成した。

人間なら何年もかかるだろうに、さすが神。何でもありだ。



天空神殿の隣に立つその神殿は、流石ヴェリウス派が考えただけあり洗練された美しさでもって、最初からありましたよというように自然にそこに存在し、違和感など感じさせない完璧さであった。むしろ天空神殿の神々しさが増したような気すらする。


『外観は完璧だ。外観はな』

「問題は内装か~。完成した所は私も見れてないから楽しみ~!」


ん? トモコは内部担当じゃなかったっけ?? 何で知らないの?


「私は魔石を使用する最先端技術の開発や設置はしたけど、内装は担当してないから知らないんだ~」


あ、そうだったんだ。てっきり内装も担当したものと思い込んでたよ。


「お菓子のたくさんなる木がお庭にあるといいですね~」

『私も内部に潜入するのは初めてです』


ヴェリウス、潜入って……。


ショコたん、お菓子は木の実じゃないからね。調味料の木とか見せたから勘違いしてるのかな?


しかし、ロード派は男のロマンがどうとか言っていたからな……どうも不安だ。



『まぁこちらの神殿は他神も入っては来ぬ場所。外観さえまともであるならば、どのような内装だとて構いはしません』


本音ぶっちゃけすぎデスヨ。


「ねぇねぇみーちゃん。地球の“男のロマン”って言えば趣味部屋があったり自分の書斎があったり、そういう感じだよね? こっちの人の“男のロマン”ってどんなだろうね~」

「ロードの趣味部屋……? 料理とかトレーニングルーム??」

「王道はみーちゃんのストーカー部屋じゃないかな~」

『否定できませんね』


それ王道!? 否定して!!


『ミヤビ様、とりあえず入りましょう。おかしな部屋があれば壊してしまえば良いのです』


二度と創りたくなくなるほど粉々に。とヴェリウスが不敵に笑うので、どうか穏便に! と神に祈りたくなった。


そうそう、ルーベンスさんは上下水道事業でスケジュールNGの為、後日見学に来るらしい。アナさんとリンも騎士の仕事で手が離せないのだとか。


皆忙しい中、ロードの神殿建造などというどうでも良い事に巻き込んでしまい申し訳ないと反省している。今度お礼に美味しいものでも持って行ってあげよう。

オリバーさんはロードに呼ばれて内装も手伝っていたから、今頃中でお茶でも用意して待ってくれているはずだ。

ジュリアス君とアル君はロードにこき使われている事だろう。

ランタンさんは「見学パーティーですのでお洒落して行きますわ!!」と支度に時間がかかっているようだ。後から来るだろうし、置いていって構わないだろう。


そして我々は、ロードの神殿へ足を踏み入れたのである。


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