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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ2  作者: トール
第1章

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71.勝手に復帰パーティー


「おいッ 聞いたか!? 副師団長がやっと復帰するってよ!!」

「やっとかよ!! 前から思ってたけど、今回の罰かなり重かったよな」

「つがいと師団長、さらに陛下まで人質に取られてたんだぜ。協力する他なかっただろうに、なんで罰を受けてんだかなぁ」

「全くだぜ。あんな出来た人はいねぇってのに!」


おおっ アナスタシアさんはかなり騎士団の皆から慕われてたみたいだね。

多少記憶を改竄したとはいえ、悪く言ってる人が全く居ないよ。それどころか、罰を与えた事に批判的だし。


ルーベンスさんは「予想通りの反応だ」って無表情に言い切ってたけど、これならアナスタシアさんが帰還しても大丈夫そうだね。


念の為、記憶の改竄後の人々への影響が心配になって王宮に来てみたけど、問題なさそうでひと安心だ。


というか、ルーベンスさんが記憶の改ざんは大した事ない的な事言ってたけど、大した事あったから。

アナスタシアさんが管理してた領地とか貴族位とか色々元に戻さないといけなかったんだよ。細々した部分が沢山あって、何回も願うはめになったからね。

そりゃあルーベンスさんからメモはもらったけど、そこに書いてあった言い回しが難しくてさ、何っっ回も確認して、何回溜め息吐かれたことか。このポンコツ神王が! っていうルーベンスさんの心の声が聞こえた気がしたよ。


ロードも最近アナスタシアさんがいる町によく通ってるみたいで、出迎える準備は着々と進んでいるみたい。


まぁそんな努力の甲斐あって、無事アナスタシアさんが王都に帰ってくる事になったし、皆喜んでるみたいだから良いんだけどさ。

私も復帰パーティーに何か差し入れしようかと準備を進めている最中なのだよ。


「みーちゃん、復帰パーティーって本当にあるの?」


あるに決まってるだろう。何しろここまで皆に慕われている人が帰ってくるのだから。


「そっか~。ならやっぱり差し入れは肉オンリーじゃないかなぁ。なんたって騎士団だもん!」


成る程。トモコの言うとおり…………


「って、何でトモコがここにいるの!?」

「え~? みーちゃんが転移扉潜ってったから着いてきたんだよ~」

「いやいや、最近忙しそうにしてたよね? 魔石研究がどうとか、上下水道の設計図かどうとか、新神研修が地獄だとか!」

「そうそう!! ヴェリーさんの新神研修がもう涙なしじゃ語れないんだよ~。それに鬼精霊のせいでもう身も心もボロボロよ~!」


ああ。コイツ逃げてきたんだな。


「てわけで~誰の帰還かは知らないけど、私もそのパーティーに参加しま~す!!」

「もぉ、仕方ないなぁ。鬼精霊オリバーさんが迎えにくるまでは楽しむ事を許可しよう」

「ははーーーッ ありがたき幸せ!! って、オリバーから守ってくれないのーーー!!?」


だって最近トモコを庇うと、オリバーさんがこっちにまで懇切丁寧に説教してくるようになったんだもん。

あれは絶対ヴェリウスとロードが遠慮するなって諭したに違いない。トモコの巻き添えで説教されるなんてごめんだ。


「みーちゃん!? 心友を売り渡すなんてあんた鬼や!!」

「これが上手い世渡りってもんデスヨ」


「……お前ら、騎士団の訓練場で何大声出してんだよ」


久々にトモコと戯れていれば、呆れた声で呼び掛けられた。


「リン!」

「あ、リン君だ~」


何故か遠巻きにこちらを見ているリンへと近付き、「お疲れ~」と声をかけたら、「お前らの姿を見たら一気に疲れた」と失礼な事を言われる。


「リン君聞いたよ~。次期副師団長候補に挙がってたのに残念だったね~」


トモコ!! そんなはっきり言ったらリンが傷付いちゃうでしょ!? 恐ろしい子!!!


「候補って、一部が勝手に噂してただけで、下っ端のオレが副師団長になれるわけないだろ? 逆にミヤビが記憶の改竄してくれたおかげで変な噂も消えて助かったよ」


きょとんとトモコを見て首を傾げ、その後ホッとしたような顔をして笑ったリンは、純粋にそう思っているのだろう。

その姿にトモコもヘラリと笑っている。


「それより、レブーク副師団長はミヤビの正体も知ってんだろ?」

「ん~? どうだろう?? 最初は精霊だと思われてて、その後違う事が発覚して……う~ん、ロードが教えてたら知ってるかも??」

「何だよそれ。せっかく仲間が出来たと思ったのに……」


尻尾を垂れさせ、酷く落ち込んでしまったリンに首を傾げていると、トモコが「ねぇねぇ、レブーク副師団長って誰~?」と空気の読めない発言をした。


「そういえばトモコは知らなかったっけ? アナスタシア・何とか・レブークさん」

「実はお前が一番知らないだろ!?」


リンのツッコミは相変わらずキレッキレである。




◇◇◇




「━━━……てなわけで、この世界で2番目に出会った異世界人がアナスタシアさんなのです」

「アナスタシアじゃなくてアナシスタだからな」

「へ~。ならアナシスタシアさんはみーちゃんの家の場所を知ってる人間なんだね~」

「どうやったらそんな名前になるんだよ!!」


そうアナシ…アナス……アナスシ……?? もうアナでいっか!! そのアナさんは私の家の場所を知っている。

かといって何があるかと言われれば特に何もないのだが。


「リン君は仲間が欲しいって言ってたよね~」

「ああ。お前らの面倒はオレ一人じゃ無理だしな」


リンよ。最近容赦ないな。


「確かに私も、みーちゃんの単独行動ってどうなんだろ~って思ってたんだよね~」


いや、トモコの単独行動もどうだろうね。


「今更だな!? 確かに神獣様の眷属が付いてるらしいし、あのショコラってドラゴンもいるけど、人間だと王族はそれ相応の人数の護衛がいるだろ。ましてミヤビもトモコも雲の上の存在なわけだし、その辺り神族はどうなってんだよ」


そんな事言われてもね……そもそも護衛って必要なの? トモコには護衛っていうかストッパーが必要だとは思うけど。


「神族はほら、誰かを神王様の護衛につけちゃうと、我も我もって数百単位の護衛集団が出来上がっちゃうから~。10神の中でも2神の地位にいるヴェリーさんですら公にはつけられないくらいなんだよ~」

「数百の護衛って……」


トモコの話に引いてるリンから視線を外し、ふと思う。




復帰パーティーっていつやるんだっけ?


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