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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ2  作者: トール
第1章

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34/101

34.イナバウアーは自滅の刃


ヒッキーの棒:

攻撃力∞

防御力∞


神王の亜空間へ保管されていた為

ただの棒から神器へと変化した





「みーちゃんっ ヒッキーの棒が最強の武器に変化してるよ!? しかもコピーしちゃってるし、何でそんな危険なもの増やしてるの!!」


トモコの絶叫にヒッキーの棒を鑑定すると、目を疑うような内容が飛び込んできた。


「!!!? ただの棒が何でこんな事に!?」

「みーちゃん自分が何者か忘れてるよね!!」


ドカンッ ドカンッ と、ここは採石場かといわんばかりの爆発音の中、棒の進化に恐れおののいていればいつの間にか巨体に間をつめられているではないか。


ヒッキーの棒が頭上へと振り下ろされる。


刹那。自分にかけていた力が発揮され、攻撃してきたビッグフットがスローモーションになり、何とか身体をひねってイナバウアーの要領で避ける。が、背中がつって激痛が走った。


「う゛ッ」


おかしい。外からの攻撃で怪我はしないよう結界を張っているのに、背中に尋常ではないダメージを負ってしまった。


しかしイナバウアーで避けた為にバランスを崩し、そのまま頭を地面にぶつけそうになったので、ギリギリの所を手で支えて立ちブリッジでしのぐ。

小学生の頃に立ちブリッジの練習をしていて良かった。


「おおっ みーちゃんが立ちブリッジを決めた!!」


からのバク転だ!!


「凄い!! ちゃんと試合してる感が出てるよ!!」


ビキビキ痛みが走る背中に悲鳴が上がりそうになるが、ここで倒れたら格好悪すぎるだろうと何とか立ち上がる。


バク転で少し距離を取れたので背中を治癒しようとした刹那、ゴウッという音と強風に目を細めると目の前をハラハラと髪の毛が落ちていくのが見えた。


「みーちゃんの前髪がぱっつんになったァァァ!!!!」


トモコがうるさいが、攻撃をギリギリで避けられた事にほっとすると同時に冷や汗がどっと噴き出す。

後ちょっと相手の踏み込みが深ければ額を斬られ流血していた。


「結界張ってるのに何で髪の毛が切れるの!?」


それは、髪の毛だけは切れるようにしていないと散髪する時面倒な事になるからだ。実際前髪を切ろうとして切れないという事件があったのだ。


「みーちゃんの髪の毛一本でも傷付けたら、神族全員が怒り心頭でやって来るんだよ!?」



証拠隠滅!!!!



トモコの言葉に直ぐ様髪を元通りにする。神々がやって来ていないか周りを確認してその気配がない事に安堵すると、修復したはずの舞台が修復する前よりも酷い有り様になっている事にぎょっとした。しかも舞台だけでなく、観客席と舞台との境の壁もボロボロだ。

補修箇所のひっかかりがないかの確認のはずが、補修箇所を増やしている事実に愕然とし、双子のドワーフの顔色に目が泳ぐ。

そろそろ反撃に移って決着をつけないとますますボロボロになっていくだろう。


「そろそろ終わらせないとね」


ヒッキーの棒を握り直し、片足に体重をかけて思いっきり地面を蹴る。思ったよりも勢いよく前に飛び出し自分自身が驚いたが、止めるわけにもいかず慌ててヒッキーの棒で横一文字に斬り込んだ。


しかし、スピードが出すぎてヒッキーの棒を横に引いた時点でビッグフットを追い越していた為、無意味な動作に終わってしまった。かなり恥ずかしかったが何もしないよりは格好もつくだろうと無理矢理納得していると、ビュッと風を切るような音がして、舞台と観客席の境の壁と観客席が横一文字にパックリ斬れていたのだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




親方(ビッグフット)視点




斬った。


髪の毛だけではあったが、確かに斬った感覚はあったのだ。

しかし、それは幻だった。

目の前の御方の髪は一本も斬れておらず、それどころか髪型すら乱れてはいなかった。


そして━━━……



「そろそろ終わらせないとね」



その呟きに緊張が走り身体が強張る。汗が額から頬を通り地面に落ちてシミを作ると、かの御方は俺の目の前から忽然と姿を消し一拍後、観客席と舞台の境の壁、そして観客席がパックリと割れたのである。


さっきまで目の前に居た御方は俺のすぐ後ろでヒッキーの棒を腰に仕舞うと振り返る。


情けないかな、足から力が抜け尻を地面につけた俺は「参りました」と完全に腰が抜けたまま頭を下げたのだ。



俺ぁこのヒッキーの棒であっても、あそこまで見事に壁や物を斬る事はできねぇ。

爆発したように瓦礫が散らばる自分の攻撃と、欠片すら落ちていない切り口を見比べ笑いが漏れる。


同じ武器でここまで差を見せつけられれば笑うしかないだろうよ。



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