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異世界で神様になってたらしい私のズボラライフ2  作者: トール
第1章

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30/101

30.四天王の扱い


一般の部の最後、優勝者が四天王の一人を指名してエキシビションを行うのだが、舞台が破壊された事でやむなく中止となってしまった。

ロードはかなり不満気だったが、さすがに私に舞台を直せとは言わなかったので誉めてあげたい。


私が何故舞台を率先して直さなかったのかというと、ロードとバードさんが戦えばどうせまた舞台を修理する羽目になる。それが面倒だったからに他ならない。


そして舞台が破壊されたのに何故優勝者がバードさんに決まったのか。不思議に思ったかもしれないがこれには理由がある。

バードさんとガットの試合を目の当たりにした出場者が、こぞって棄権したのだ。

あの人間離れした強さに恐れをなしたらしい。それはそうだろう。戦っても瞬殺される未来しか見えないのに、好んで挑む者はいない。

もし居たとしたら、そいつはどうしようもないマゾである。





「バード!! 格好良かったよ!!」


と観客席に居るトリミーさんに声をかけられていたバードさんは、見ているこっちが恥ずかしくなる程のデレデレ具合でイチャイチャと抱き合っていた。

それを見ていた周りのカップルにもイチャイチャが伝染し、ロードがチラリとこちらを見たので(自宅の)トイレへと逃げ込んだのだが、人族が住む国は公共の場ではイチャつかないようにする法律を作るべきだと思う。




「みーちゃん長いトイレだったね~」


落ち着いたと思われる頃合いを見計らい、家から戻ってきた私にこの一言。

トモコはデリカシーというものを学んだ方が良いと思う。


「あれ? ロード達は??」


さっきまで壁になっていたロード達が居ない事に気付き首を傾げていると、トモコが穴の空いた舞台を指差し答えた。


「ロードさん達ならあそこで一般の部の終わりの挨拶してるよ~」

「え!? 1日目が終わるごとに四天王が挨拶するの!?」

「何かエキシビションが中止になったからって、観客の為に王様が特別にって」


四天王が某ランドのミッ○ー的扱い。


有名人の登場に、たった二回戦で終わってしまった試合に拍子抜けしていた観客達も満足したようだ。



四天王の挨拶も終わり観客が席を立ってから暫く後、舞台の工事の為にドワーフをメインとした団体がぞろぞろと入って来た。

明日の試合に間に合わせる為に早速修理に入るようだ。


「みーちゃん、外の屋台で長蛇の列が出来てる所があるみたい! 行ってみよーよ!!」


手際良く準備を始めたドワーフ達を眺めていると、どこから仕入れてきたのかトモコが興味深い情報を教えてくれたので、ちょうど鳴ったお腹に手をあてながら頷いた。


ロードはこれから明日の試合の打ち合わせらしい。


という事で子供達を抱き上げ、私達はこれから屋台巡りに向かおうと思う。


「しゅっぱーつ!!」


トモコの号令とキャッキャとはしゃぐ子供達の声をBGMに、屋台巡りへと繰り出したのだ。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




ロード視点



「予想外に早く決着のついた一般の部でしたが、陛下の機転と神々のサプライズのお陰で不満の声を上げる者もおらず滞りなく終える事ができました」

「神々のサプライズである、あの“巨大もにたー”と解説によってより白熱した事は確かです。明日も同様にご協力いただきたく━━……」


御前試合企画担当のメンバーが、陛下と俺ら師団長の前で意見を述べていく。

神々の手助けを念頭に置いている発言にイラつかされるが、あれはミヤビの責任でもあるので後で説教が必要だろう。


「あ、明日からも神々が引き続き“もにたー”や解説を提供してくれるかはわからないけど、初日は概ね成功と言っても良いだろうね」


陛下がこちらをうかがいなからビクビクと話すのでつい舌打ちが出た。数名から「ひっ」と声が上がったが、気のせいだろう。


「━━……明日は予定通り始める事が可能だと報告が入りましたので、各師団長様にも打ち合わせ通りの行動をしていただけますよう宜しくお願い致します」


明日からはいよいよ騎士団の試合が始まる。

さて、今回は骨のある奴がいるかねぇ……楽しみだ。


「フフ……今日はバード選手との試合が出来なかったからね。明日の試合は腕がなるよ」


隣のカルロが普段の穏やかさとはかけ離れた顔で口の端を上げる。


「あ゛? テメェが指名されるとは限らねぇだろうがよ」

「そうかい? ロードよりは指名される確率は高いと思うよ」

「んだとぉ」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




雅視点



「あらら。すごい行列だねぇ~」


トモコのいう人気の屋台は50m以上の行列ができていた。これは期待ができるというものだ。

さっそく行列の最後尾に並ぶと、前に並んでいるお客さんが明日の御前試合の話をしているのが聞こえた。


「明日は騎士様の試合だったよな!」

「おう! 今日は舞台が壊れちまったから四天王の闘いが観れなかったが、明日こそは今試合最強の騎士VS四天王の試合が観れるだろうよ!!」

「俺はバード選手と四天王のロード様の試合が見たかったぜ!!」

「馬っ鹿。オメェ、ロード様は3日目の大トリだろうがよ! ここはレンメイ様くれぇでいいのよ」


レンメイさんの扱い!!


「3日目は誰の試合が観てぇか観客の投票で決まるらしいからな。楽しみだよなぁ」


何だって!?


それはつまり人気投票? ウチの旦那は果たして投票してもらえるのだろうか……。


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