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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1898年、サンクト・ペテルブルク
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言い逃れ

 つかの間、男の目に獰猛さが戻る。


「――そうさ。お前、それで呼ばれてるんだろう。え、ユーリ君?」


 あの宮殿にも既に、男の手下か上司がいるのだろう。

 現時点でもかなりの確信がある。

 でもそれを問い質すことは、おそらくは最後の一歩を踏み出すに等しい。


「呼ばれたのは確かですね。何が“それで”なのかは分かりませんが」


 男の子のみに表面化する、王家の呪い。

 裏を返せば、女の子は保因者どまり、つまり無症状でしかない。

 そしてアレクサンドラ皇后の子供は、二人とも女の子。

 諸々が、まだハッタリの可能性も捨てきれない。


「皇后の娘さん二人はご存じでしょう。あの子たちを見てみても、“血の呪い”が迷信にしか思えませんが」


 中途半端な知識であれば、これで弾くことができるはずだ。


「へ、へ! 舐められたもんだ。ヴィクトリアの血統を調べてりゃ、それが何を意味するか一発だろうが。娘がどれだけ頑丈だろうが、血の呪いが無い証明にはならねえ」


 どうやら、呪いそのものへの言い逃れは利かないらしかった。

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