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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1897年、グルジア
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戸惑い

「神ならぬ身、お役に立てぬこともあります。ですが、“誓い”を守ることはできましょう」


 秘密は守る、と言うことだ。


 僕らはこれまで、かたくなに秘密を守り通してきた。

 もっともそれは、僕らが律儀だというだけではない。

 危険な秘密を、無理に聞かなかったからでもある。

 果たして今回はどうだろう。


「なれば、お話したく思います。よろしくお願いいたします」

「ええ」


 促され、エフゲニー氏は後を続ける。


「身の上からお話します。ある家で、私は医師をしております」

「その家のお子さまのこと、でしょうか?」

「――左様です。ですが……」


 当てずっぽうだ。でもさすがにここは、ほとんどの人は言いよどむだろう。

 当人でない段階で、その問題は限定される。

「ある家で」となるとせいぜい三択、当たると印象が強いのはほぼ一択だ。

 ここまで考え通せば、一応僕でも出来なくもない。


「魔術、では駄目ですか?」


 時間の使い方もうまい。つくづく、僕は思う。

 エフゲニー氏にも、答える気のなさは察せたようだった。


「いえ、構いません。力をお借りできるのでしたら、どなたでもいいのです」

「――たとえそれが魔女でも、ですか?」


 わずかな逡巡の後、氏は答える。


「ええ」

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