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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1905年、上海
286/350

試合1

「――意味がないなら、選んでみたら?」


 明確に、これは挑発だった。


今ここで(・・・・)、どちらかを」


 どう流したものだろう。

 そう誤魔化しそうになるのを、僕は思いとどめる。

 いや、率直に言い直そう。

 どうすれば、一番面白い(・・・・・)


「いや、意味はあるね」


 まずは一拍。

 これは単に、手癖のような言い回しだ。

 問題は、その後の話。


「意味はある――君にとってはね。意味がないのはだから、僕にとっての方」


「具体的に聞いてみても?」


 さて、どうしたものだろう。

 直球を投げてもいいものかどうか。


「……君が正解する方を選べば、君の判断力を僕が認めることになる」


 構うまい、そう僕は判断した。


「この状況でそれを再認識させるのは、ほとんど威圧に等しい。一方で僕が正解する方を選べば、間違えた判断を下すことになる。どちらにしても、あまり嬉しいことじゃない……僕にとってはね」


「――合格」


 裏返したままに2枚のカードを手に取り、そのまま彼女はシャッフルしてみせる。

 早い。

 目に見えないほどではないが、何かしらの確認となると難しい。

 そうして1枚のカードが置かれ、表返される。

 カードは――2。


「ギリギリだけど。それに免じて、先攻は譲ってあげる」


 この言い回しでは、真偽は分からない。

 端的に、しっぽを掴ませない言い回しとも見える。

 それを百も承知の上で、僕もまた応える。


「ありがとう。うれしいよ」


 前哨戦が終わり。

 ようやく、ゲームが始まるのだ。

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