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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1904年、北海、ドッガーバンク
270/350

予想

「これは予言者などでなく、あくまで友人として(・・・・・)聞きたいのだが――この艦隊は、どうかね」


 友人として。

 短くも、今の僕にはひどくむずかしい言い回しに思えた。


「……艦隊の状態のこと、ですか?」


「ああ」


「それを友人として見て、ですか」


 静かな頷きに、僕は数瞬だけ考え込む。

 果たして、どう言ったものだろう。


「――よくやっているとは思います」


 絞り出せたのはどうにも、心苦しい答えだった。


「と言うと?」


「バルチック艦――いや、この艦隊の状態は酷いものです……艦船の型も揃わず燃料の補給もあやうい、船員の練度も微妙と来る。正直な所、帝国のものとは思えません。世界屈指の国力を誇る帝国とは」


「ふむ」


 相応の思案顔。

 と言うことは、そのまま続けていいと言うことだ。


「スエズ運河を通ればまた違ったのでしょうが、英国の支配下を通るのは同盟上無理。となると、このまま南アフリカ沖(喜望峰)経由で全3万3000キロの道のり、馬鹿正直に行くしかない」


 3万3000キロ。

 口に出してみて、改めて気が遠くなる。

 それはほとんど、地球を8割ほど一周する距離だ。

 飛行機は飛び始めたばかり、石炭が主な燃料である、この地球を。

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