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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク 【その2】
199/350

心弱り

 革命家としての失格。

 勧誘を途絶したことだろうか。

 それとも、祈りを捧げたことだろうか。


 元・ロシア正教徒であったはずの、老人の吐露。

 これで肯かないなら。

 客観的に見て、僕は血も涙もないと言うことになるのか。


「……ご意見は、承りました」


 それでも。

 それでも僕は、もはや素直に聞くことが出来ない。

 これが巧妙な説得術でないとの保証など、どこにもないからだ。

 己の判断を、決して信じ切ることが出来ないがゆえの弱さ。

 老人の言葉に心が揺れてしまったこと。

 それはたぶん、弱さでしかないのだから。


 ――彼女(ジョゼファ)なら、こういう時どうするのだろう。

 あるいは、話に乗る素振りでも見せるのだろうか。

 どうしようもない仮定を振り払い、僕は続ける。


「悪いようには動かない、と思います――もっとも、そう確信して動く人間は、世の中では圧倒的に少数でしょうけど」


「お気持ち恐れ入りますな。いや、老い先短い老人の、心弱りとでもお思い下されば幸いです」

 

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