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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1902年、シベリア、イルクーツク
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食卓

 食卓に並ぶメニューは、ほとんどいつも通りだった。

 外側を香ばしく焼いた、重く少し酸味の効いた黒パン。

 軽い塩味で仕上げた、肉野菜煮込み(ポトフ)

 淹れたての紅茶とコーヒー。

 そしてパンに良し紅茶とあわせるもよし、イチゴの姿を残した浅煮ジャム(ヴァレーニエ)だ。


 違う点があるとすれば、今日の朝食は、静かさや落ち着きからほど遠かったことだ。

 いや、決して気に食わない訳じゃない。

 そう思う程度には、気に入ってはいる。

 ――苦手や敬意の有無こそあれど、二人とも。

 たまには、こんな食事も悪くはない。


 そう思い、不意に思い至る。

 僕にとって賑やかな食事は、既にたまには(・・・・)の出来事になっていたのだと。

 しばしばは時折に代わり、今ではたまには(・・・・)だ。

 彼女(ジョゼファ)は、今どうしているのだろう。


 月に一度の手紙こそ交わしてはいる。

 それでも、こうして面と向かって食事がとれないのは、いかにもさびしい。

 この食卓にいたら彼女は、どんな話をしてみせるのだろう?

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