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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1895年、グルジア
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審問

「あなたは“象には気付かなかった”」


 また何かの暗号なのだろうか。問いかけて、僕は気付く。

 ……いや、そうじゃない。

 外国語の鉄則だ。すなわち。


 ――平易な言い回しなのに意味がとれないときは、(ことわざ)を疑え。


 こんなところで語学をおさらいさせられるとは思わなかった。

 それも、カマをかけられるようなときに。

 とんだ復習もあったものだ。


「もう気付いた?」

「……少しはね。知識の具合が、どうにもちぐはぐだ、と?」

「ええ」


 たぶん、諺だけではなかったのだろう。

 日常に積み重なる、少しずつの違和感。

 そのことを――少なくとも1年以上――敢えて、尋ねずにいた彼女。

 思うところはいろいろあれど、それはやはり、気遣いだったように思う。

 少なくともこのときの僕は、そう信じたい気持ちにさせられた。


「なるほど、上手くいかないね。いや、僕の目が節穴だっただけか。意味、教えてくれるかな?」

「全体には目がいかない――象には気付かなかった(木を見て森を見ず)、よ」

「……なるほど、ね」

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