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魔王少女スターリナ  作者: 祭谷一斗
1899年、グルジア
100/350

備え事

「……ひとまず、悪い想像は保留したいね」


「やっぱり、甘い(・・)んじゃない」


「……そう、なのかな」


「もう一度言うわ。ユーリが本当はどう思ってるかは、この際関係ない。ただ、いざというときの――いえ、万事うまく進んだときのために、備えはしておくべきよ」


 備え(・・)

 ジョゼファの言う通りだ。

 仮に皇后を取り込めたなら。

 仮に僕が治める側になったなら。

 そんなときのための備えは、やはり必要だろう。


 けれども、どうしたものだろう。

 その備え(・・)が、僕には不吉なものに思えてならない。


 赤い魔女――ロシアの血塗られた統治者――の出現は、既に食い止めた。

 必然、それにまつわる諸々も、止むに至ったはずだ。

 でも果たして、この道行きはどうなのだろう。

 ――僕は、どこで間違った?

 思いがけない自問自答に、僕は動揺する。

 いや、そんなことはない……はずだ。

 少なくとも、今はまだ。


 戸惑いつつも、僕はうなずく。


「そう……だね。いや、その通りだ」


 おそらくは、きっと。

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