表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/101

旅立ちに向けて

「バスタオルよし、着替えよし、石鹸よし・・・」

俺は鞄の中に入浴セットを入れていく。


ヨルヨンと湯浴みをしようと言ったら、「大浴場に行こう!」とテオドールが提案したのだ。

そんな物まであるとか、もうさすがとしか言えない。


星あかりの廊下を渡り、木の扉を開ける。


「おお!ひっろ!」


ドーム状の高い天井からは明るい光が照りつけている。

真っ白でツヤツヤした石に覆われ、中央には水瓶を持った美女の石像がお湯を注いでいた。


「よし、脱ぐか」

まずは俺たちが裸になり、タオルを腰に巻く。

「パパさま、ヨルも」

「待ってね。・・・よし、これで落ちないな。はい、バンザーイ」

バンザイするヨルヨンからワンピースをスポンと抜く。

下にはキャミソールとかぼちゃパンツを装着しているので、寒くはないだろう。


「ほら、前隠しておくから上から脱いで」

「・・・ん?・・・んー」

上手く脱げないようだ。

肘に肩紐がかかってスポーンといかない。


「しょうがない。テオ、手伝って」

「はーい、ヨルヨンバンザーイ」

「ばんざーい!」

キャミソールが上から脱げる。


「よし、ヨルヨン、バスタオル巻くよ」

バンザイしたままのヨルヨンにバスタオルを巻き、その中に両手を突っ込んでパンツを一気に下げる。

「ヨルヨン、肩掴まってて。はい、片足づつ上げてー」

よいしょっと。


「さぁ!装備品がタオルだけになったぞー!」

「なりましたー!」

わーい!とバンザイをする。

「脱がすの慣れてるねー」

「3年も奴隷商にいたら嫌でも慣れる」

ヨルヨンが転ばないよう手を繋ぎ、ぺたぺたと中央に歩く。



「先にヨルヨン洗っちゃお・・・って桶でか!重っ!」

奴隷商で使っていたのは片手でぶっかけられるよう小さいサイズの桶だ。

ここにあるのは両手で持つタイプの大きなものしかない。

「僕やるよ!」

「頼んだ!はい、ヨルヨン、耳を塞いでー」

俺は耳を塞いだヨルヨンを支える。

急にお湯をかけると、びっくりして転ぶことがあるからだ。

本当なら座らせた方がいいが、座らせるとさらに小さくなるから腰にくるんだよ。


「かけるよー」

バシャーと上からお湯をかける。

俺は銀色の髪にたっぷりとお湯を馴染ませる。


「ヨルヨン、俺の必殺技を見せてやろう!」

俺は桶にお湯と石鹸を入れる。


バシャバシャバシャバシャ!


両手で水面を波打つと、細かな泡がモコモコとできていく。

「おー!ディーの必殺技初めて見た!」

「パパさま泡がいっぱい!」

「これで髪と体を洗うんだ。目に入らないようにやってごらん」


バスタオルを取ってヨルヨンを全身泡まみれにする。

「ぶはっ、ヨルヨンがウールンみたいになった」

「モコモコする!」

「ほーら、はしゃぐと転ぶぞー」

2人がかりでヨルヨンの髪や体を洗い流した。

やっぱり広い場所だと小さい子洗うの楽だな。




「ジャンケンポン!っしゃ!」

「負けたー!」

「それじゃ、俺は自分洗ってくるから、その間ヨルヨン見ててくれ」

1人で水の張った場所で遊ばせる訳には行かない。

「ヨルもパパさま洗うー!」

「えーしょうがないな。じゃあ背中をウールンにしちゃってくれ」

「はーい!」

俺たちは交代で洗いっこした。

たまにはこうやって遊ぶのもいいな。


大浴場が裸でいても寒くないのは温度が一定ですきま風がないからだろうな。

俺ははしゃぐヨルヨンを見ながら、浴槽の縁に座った。

「上級ダンジョンに帰ったら大浴場作らないとな」

「あ、そうだね。ここのお湯ってどうやって温めてるんだろ?」

テオドールが美女の石像が持つ水瓶を覗き込む。

「・・・あーこれ、水と火の・・・えー・・・」

「どうした?」

「うーん、今の僕じゃ作れない」

「そっか。まぁお湯くらい火を起こして地下水温めればいいから気にするな」

「パパさま、もう出たい」

「よし、出よっか」

来た時と同じようにヨルヨンと手を繋いだ。



「パパさま、新しいお洋服?」

「これはパジャマだよ」

とっておきの綿100%の下着にも使ったあの布を使ったものだ。

今回は上下セットで作った。

ネグリジェタイプでもいいが、朝起きた時に捲れてお尻が見えていることがあるから却下だ。


「ヨルヨン、パンツを履いてからズボンを履くんだよ」

そう言いながら手伝うけどね。

今度はチェック柄のパジャマを作ろうかな。

うん、7分袖のパジャマとか可愛いじゃないか。



ホカホカと湯気を上げながら着替え終わる。

「あ、グラ姉様のドライヤー発見!ヨルヨンくらえー!」

「キャーッ!風すごーい!」

ぶわわ!とヨルヨンの銀髪が揺れる。

あっという間に元のウェーブヘアに戻った。


「ヨルも、おとうさまにするー!」

「よし、テオ、もっと屈め」

「おー風がくるー」

これ便利だな。

町に行ったらドライヤーも買おう。




「いくぞ・・・そりゃ!」

「えー、そっち全然動いてないよー」

普段は2つ並べたベッドを両側から押して隙間を無くそうと考えたんだ。

・・・重くて俺の方は動かなかったけどな。



俺たちはヨルヨンを真ん中にして寝ることにした。

端にすると寝返りで落ちるかもしれないからだ。

「ヨルヨン、明日は早いからもう寝よー」

「はい!おとうさま」


・・・あ!

「「歯磨きさせなきゃ!」」


俺は予備の歯ブラシを取り出すが、ヘッドがヨルヨンにはでかい。


「明日買わなきゃいけないものが沢山あるな」

「靴に、姿見鏡と・・・日用品全部。沢山買うから収納付与の鞄もだね」

「俺たちのお下がりってわけにはいかないからな、ヨルヨン、明日はいっぱい買い物しよう」

「買い物?」

「気に入ったものをお金を出して買うんだ。うんと可愛くしてもらおう」



「ヨル楽しみ!」


俺もヨルヨンの笑顔が見れるから楽しみだよ!

俺たちは明日に向けて早めに就寝した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ