ダンジョン整備
ガゴガゴと大きな音がする。
「もう少し道は広い方がいいだろう。剣を振り回すのに壁に当たるからな。あと光る石は等間隔に設置。冒険者同士の打ち合いなんて見たくないからな」
最深部にある小部屋を居住区にして、ある程度整備できた。
硬い岩のベッドの上に寝袋を敷くしかなかったのはちょっと残念だが、いずれ金が入ったら改善していこう。
そう、金の確保のためには魔物を作らなければならない。
しかし、俺たちには戦闘スキルがない。
下手をすれば魔物を作り、このままダンジョンを乗っ取られるかもしれない。
それは困る、ここは俺たちの城だ!
地下水を引き、水は確保できた。
この数日は携帯食料を食べるとして、いずれは町から食料を調達する手はずをつけないとな。
「――――できたー!」
5時間ほどガゴガゴと音を立てて4層のダンジョンをリフォームし、見違えるような地下城と化した。
「すごいな、地下帝国みたいだ」
吹き抜けになった3層から4層。下にに行くにつれ光る石の凝った装飾。
ここが初級ダンジョンなんて、贅沢過ぎるだろ。
外の様子はわからないが、疲れたので食事にしよう。
・・・働いたのほとんどテオドールだけど・・・いや、指示出しはしたし、俺も働いた。うん。
肉屋のおばちゃんからもらった携帯食料はミンチ肉のいっぱい詰まったパイだった。
すでに1日以上経過しているが外はパリパリ、中は温かい肉汁が出てきた。
【停止付与】された箱のおかげだ。この付与は使い捨てになるけど、商業ギルドがスキル持ちをたくさん確保して量産されているからどこででも手に入る。
とはいえ、スキルを持つ人間がいなくなった途端にロストアイテム扱いだ。
でも今のところそんな心配はない。むしろ職にありつけない同じスキル持ちが多いくらいだ。
(奴隷商にも何人か付与持ちいたな・・・魔力量を測定して低すぎたから捨てられたとか言ってたっけ・・・)
パイを食べながら箱の中をよく見るとお湯を注いで作るタイプの粉末状になったコンソメスープの元が包んで入れてあった。
数口食べたパイを箱に戻し、鞄から鍋を取り出してハッとする。
「あ・・・、そうだ火属性使えるやついないんだった・・・」
奴隷商ならゴミスキルとはいえちょっとしたお役立ちスキル持ちがたくさんいた。
不便を感じて、改めて恵まれた環境だったと実感する。
「ここでも火を起こせるようにしよっか」
「そうだな、土埃が入るからとりあえず食べちまうか」
コンソメスープの元を箱に戻し、俺はパイを味わって食べた。
簡単な暖炉を作り、煙突をダンジョン2層へ伸ばした。
隙間から煙の出る不思議な岩の壁。
きっと肉の焼ける匂いなんかも2層まで届くのだろうな・・・。
俺たちは暖炉で湯を沸かすと、それぞれ湯あみして寝ることにした。
石で作ったベッドはやっぱり固く、俺は早く金持ちになってベッドを買おうと思った。




