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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編~始祖転生戦争~
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藍 采和の足踏み!?

東華帝君の命令で動いていた藍 采和は、


沙悟浄と姜子牙を丸太に縛り付けて現れた。


僕は唯一生き残った八仙のらん 采和さいか

先に向かった何仙姑かせんこの消息も途絶え、本当にもう僕しかいないのか。


今の主は元八仙の呂洞賓さんらしい。

後から知らされたのだけど、始祖神の転生者で、この世界を手中に収めようと考えてる。

それも全ては、この世界のため。

未来に訪れる世界の滅亡を防ぐため。

僕は東華帝君様を信じて役目を果たす。


僕に任された任務は、仙女院国にある鍵とは別に存在するもう一つの鍵の奪還。



「えっと、確かこの羅針盤が指し示す方角に・・・あ、アイツか」


そこは仙女院国から多少離れた山頂にある小屋だった。

その中に寝たきりの若者と、その者を看病する妖怪(沙悟浄)がいた。

僕の標的はどっちだったかな〜?

そう言えば、東華帝君さん。僕にこの案内羅針盤を渡して詳しい説明ないのだもん。

しかも生かして連れて来いとか面倒だよ。




「仕方ない。二人とも動けなくなる程度痛めつけて連れて行くか」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




私は沙悟浄です。


私は心を病んだ姜子牙君を看病しながら、法子さん達の帰りを待っていました。


それにしても・・・


姜子牙君は紂王との戦いで親友を失い、精神崩壊を起こしてしまっている。

その気持ちを汲むと、痛いほど分かります。

私も大切な人を失ったから。

今の私に出来る事は、皆の帰りを待ちながら姜子牙君を守り抜く。


この小屋を中心に10キロ範囲まで強力な結界が張られています。

いくら結界が効かないカミシニだとしても、私の結界が消えれば接近には気付けます。


「とりあえず安心・・・」


その時、気配は全くありませんでした。

けど、私の危険感知が働いたのです。


「!!」


慌てて振り向き、背後を見た。

だ、誰もいない?気のせい?

するとまた嫌な予感がして部屋中を見回す。

本当に気のせい?


「そんなはずないです!」


私は降妖杖を手にして警戒しながら姜子牙君を庇うように部屋中を見回しながら、何者かの攻撃に備える。すると、


「僕の接近に気付けるなんて驚きだなぁ〜」


やはり誰かいるのですね。


「何者ですか!」


すると目の前に少年が立っていたのです。


「僕の名は藍 采和。君達を浚いに来たよ」


確か八仙に藍 采和って少年の仙人がいました。

八仙は全員カミシニ化して、敵になっているはずだから、やっぱり刺客ですね。



「浚いに?何のためにですか?」


「ほら?君達のどちらかが例の鍵なのでしょ?それで東華帝君さんが欲しがっているの。だから抵抗しないで拐われてよ」


鍵?西王母が鍵を仙女院国に隠していると聞いていましたが、此処に鍵が?

カミシニが欲しがる鍵なんて、ここには。

そもそも鍵が二つあるなんて初耳ですよ〜

えっ?二つ?

その時、私は姜子牙君を見て気づいてしまったのです。


二つの鍵とは、まさか?

確か仙女院国の中には玉面乙女さんがいた。

そして、此処には姜子牙君。

その接点は一つしか考えられません。


(鍵とは、二人の忌眼の事では?)


そう考えれば合点がいく。

カミシニが欲しがると考えれば、有り得ない話ではないです。

どうして今まで気付けなかったのでしょうか。

鍵と言うから、何か道具とかモノを連想していた思い込みのせいです。

そうなれば、私は絶対に守りきらないといけません。

私が死守しないと!



「僕に逆らうの?だったら痛い目に合うよ?それでも良ければ、手足の数本おしゃかにしても恨まないでね」


すると藍 采和は足踏みしたかと思うと、私の視界から薄れるように消えてしまったのです。

(何処に!?)

その時、僕の首に刃が当てられていた。

(いつの間に?)

そして刃を引かれる前に私は動きに合わせて身を捻って刃から逃れたのです。



「あれ?よく躱したね?」


私は息を鎮めて呼吸を整える。

そして思考を廻らせた。

目に見えなかった。

高スピード?それとも瞬間移動の類い?

ならば、試してみます。


私は掌を床に付けると術を張ったのです。

この部屋全体に空間移動術の類いが発動出来ないように、同じく空間移動出来ないように接点を弄ったのです。つまりこの中で空間移動術を行えば、目的の場所とは異なる場所へと飛ばされる罠を張ったのです。



「来れるものなら、来なさい」


「ふふふっ。そうするよ」


「えっ?」



藍 采和は私の足下から突き上げるように拳を打ち込み、私の顎を打撃して飛ばしたのです。


「ぐはぁ!」



そして胸ぐらを掴み、拳をふるう。

殴られながら、私は戸惑っていた。

空間移動系の術ではない?

なら、私の目に負えないスピードの接近?

それも有り得ない。

なら、まさか時を止めたとか?


ナタクさんから、人間界で戦った聞仲ってカミシニは時を止める能力を持っていたとか。

それと同じ?

いえ、それも有り得ないはずです。

それは倶利伽羅の王が使う歪ませる能力があって出来る出鱈目な力。

この八仙の藍 采和は倶利伽羅王ではないと思う。

何か別の何かがある。

そう判断すると同時に私は手から糸を伸ばして落とした降妖杖を絡めて引き寄せたのです。


「うおっと!」


藍 采和は背後から飛んで来た降妖杖に驚き、寸前で躱すと、胸をなでおろす。


「危ないなぁ〜!もう!」


その時、違和感に気付いた。

降妖杖の不可思議な能力があれば容易く躱す事が出来たのではないでしょうか?

時を止めるにしても、瞬間移動にしても、増してや超スピードなら尚更。

つまり何かしらの下準備が必要なのですね。


でも分かった事もあります。

時を止めるなら、私を殺すなり、完全に再起不能にしてから時を戻せば良いはず。

そう考えると、この可能性は消えました。

空間移動も私の術で封じたはず。

なら、他に何かからくりが?



「悪いけど、東華帝君さんが待っているから、あんまり時間をかけられないんだ」



すると再び藍 采和は足踏みを始める。

そう言えば、先にも足踏みをしていた。

私は咄嗟に指から数珠玉を飛ばして攻撃をきたのです。


「数珠魔弾」


弾かれた数珠を藍 采和は難なく躱すと、その数珠は壁に小さな穴を開けた。


「危ないなぁ。飛び道具なんて卑怯だよ」


そして再び足踏みを始める。

その瞬間、私は強い衝撃を受けて壁に吹き飛ばされてしまったのです。


「あっ、あぁ」


そのまま倒れる私を無視し、藍 采和は眠っている姜子牙君に近づく。



「う〜ん。この彼は痛めつけなくても平気そうだね。まるで魂の抜け殻のようだ。けど、拘束だけはさせて貰うね」


と、掌に傷を付けて流れた血が伸びて、姜子牙君の口と両手両足を縛りあげたのです。



「ま、待ちなさい!」


「あれ?まだ動けるの?手足の骨を砕いたつもりだったんだけどなぁ」


「ハァハァ」



私は治癒術で身体の痛みを止めて、立っているだけでも辛い状態でした。

それでも指から伸ばした糸を折れた骨を繋ぎ合わせて縫合したのです。

そして私は仮説を導き出していたのです。

それは、彼の足踏み。



「満身創痍だね。次は二度と動けないように手加減しないよ。殺さなければ問題ないみたいだしね」



そして、足踏みを始めたのです。

その瞬間、また藍 采和の姿が消えた。

同時に私に接近して、再び打撃を繰り出す。


「終わりだよ」


が、突き出した打撃は空を切っていた。


「えっ?」


すると背後から気配を感じて飛び退く。


「クッ、何が?ま、まさか?」


そこにはフラフラの状態で私が立っていました。

そして、足踏みを始めたのです。


「まさか!?僕の」


私の姿が消えていく。

同時に背中から突き出された掌打の直撃を受けて、今度は藍 采和が吹き飛んでいた。


「がはぁ!」


そして再び足踏みする私を見て、



「お前、真似たな!僕の技を!」


「はい」



私は答えたのです。



「君の能力は時を止める事でも瞬間移動でも、空間移動でもなかった。君は特殊な足踏みのリズムで、私に錯覚を起こしていたのですね。それは催眠術に近い。足踏みで起こす音が私の聴覚に届き、更に足踏みで揺れ動く事で視覚から、単純な音や振動、行動で意識を低下させていたのです。そこに殺意を持つ脅迫概念を持ち込む事で、あたかも瞬間移動して接近して攻撃されたと思わせるのです」


「よく気付いたね。でも確信は?」


「それは」


私は指差すと、先程穴を開けた壁から照らされた陽の光があった。

 


「さっき弾いた数珠は君への攻撃ではなく壁に穴を開ける事です。私の狙いは日時計でした。日時計の微かな動きで、私は確信したのです。超スピードも時を止める事も有り得ないと。そして君の足踏みを見ていると、私の思考が鈍ってしまっていることに」


「日時計だって?有り得ないだろ!ほんの数分しか経っていないのに、そんな誤差ないようなもんだろ」


「少なくとも私は料理をする時に日時計使って数分単位でお湯加減や煮込み時間を調節してましたよ」


「特技か!!」



とにかくネタは解きました。

すると藍 采和は気付いたのです。



「そうか、それだけじゃないな。お前のその目か!その魔眼が僕の技を見抜き、一度見ただけで使いこなしているのだな!」



その時の私の瞳は金色に光り輝き、魔眼が発動していたのです。

そう言えば、私や孫悟空兄貴は他人の術を魔眼発動時に真似る事が出来るみたいなんです。孫悟空は猿真似の魔眼って言ってましたけど、私も似たような能力なのですかね。

そして私と藍 采和は同時に足踏みを始める。



「本家を見せてあげるよ」


「負けませんよ〜」



そして同時に動いていました。

互いのリズムが狂い、お互い攻撃が鈍る。



「お前はまだ知らない。僕の奥義の真の恐ろしさを。これだけは使いたくなかったよ。君は本当に嫌な奴だ」


「えっ?」



その時、藍 采和のリズムが変わったのです。

先程よりも強く激しく。

その直後、藍 采和の足下から強烈な音波が鳴る。



「キィイイイイイイイイイイ!」


「えっ!!」



それは鏡を引っ掻くような嫌な音。

それが超音波となって、私の聴覚を破壊したのです。

私は目や耳、鼻から口と血を流してその場に倒れてしまいました。

そして藍 采和もまた同じく全身から血を流していたが、カミシニの再生力で元に戻る。



「ハァハァ、カミシニでなければ僕まで危険だったよ。本当に危なかった」



そして藍 采和は私と姜子牙君を拘束して連れて行ったのでした。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




再び僕は藍 采和。

僕は東華帝君さんに呼ばれて飛び出すと、捉えて丸太に縛り付けた沙悟浄と姜子牙を表に出す。

これで任務は完了。


玉面乙女の忌眼を手にし、更に姜子牙の右目を掴み引き抜き取る東華帝君さん。

右目の忌眼を抜き取られ、「ウッ」とだけ声を漏らしただけで、血を流しながら項垂れる姜子牙は無抵抗に完全に生きる屍だった。

これで二つの鍵、両目の忌眼を手にした東華帝君さんはもう完全に目的を果たしたと言える。


「後は、僕の最後の役目を果たすまで」


僕は東華帝君さんの邪魔をする阿修羅に飛びつくと、その身を自爆させようと試みた。




ふふふっ。僕は八仙の仲間がいない世界で一人寂しく生きるのはつまらない。

もし僕が死んだら、あの世で八仙の皆に会えるかな?

いや、あの世なんてないかもしれない。

けど、一人は寂しい。

この世で寂しく生きる事の方が生き地獄だ。


東華帝君さん、僕は先に逝くよ。

皆のもとに。

東華帝君さんは、世界を救って。

そのために僕はこの命を使うから。

与えられた任務はもう一つ。


僕はしがみついた阿修羅と共に自爆しようとした。

が、僕は躊躇した。



「何が起きたの?」


二つの忌眼を自分の眼に移植しようと押し込める東華帝君さん。

カミシニの王である倶利伽羅、更に始祖神の転生者。

これで世界は東華帝君さんの思うがまま。

そう思った。


「なぁ、何?」


東華帝君さんは驚愕した。

忌眼を自らの眼球に押し込む寸前、自分の手首が忌眼を掴んだまま斬り落とされたから。

しかもその斬り落とした者は、あの西王母だったから。


次回予告


全てが思い通りに手に入れた東華帝君だったはずが・・・

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