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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
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仙界大戦勃発!


妲己と紂王。


その出会いは世界を巻き込む戦乱の世へと変えるのか?


我は妲己じゃ。


あの後、我は長く意識を失っておった。

肉体的なダメージは一切受けてはおらんし、外傷もない。


直接、我の脳に何かをしたのか?

洗脳?暗示?


しかし我も数万の術を心得ておるが、今の我には、それらしき術は何も見えない。

奴の魔眼の能力?

しかし魔眼の能力は持ち主が消えれば、その能力は失われると聞く。

そうなると呪術に近い何か?

それならば死んでから発動する事もある。

それでも我の呪術の知識を持ってしても、我にかけられたかもしれぬ呪術は無いと思われる。


(我は何をされたのだ?)


しかし我は身体が動くようになると、再び天界の道具として殺戮の人形として働いた。




そんなある日、我は呼ばれた。

あの歴史に関わる計画を与えられるべく。

そこには倶利伽羅の真王から忌眼を奪取するのに手を貸した太公望なる男もいた。


「なにようじゃ?次は何者を始末する?」


我の問いに天界の者は見下ろしたまま。

奴らは我に姿を見せぬように、特別な宮殿の特別な結界が施された場所で、水晶から写し出す影で指示を与えるのじゃ。

何処までも警戒心の強い奴らじゃ。


「しかもそこの太公望まで呼び出したのであれば、また倶利伽羅の真王を起こすのか?あれは命が幾つあっても足りんぞ」


すると神々はある計画を告げた。


「!!」


それは我と太公望が地上界に降りて、その地に存在する別国の王を誑かして意のままにし、そして地上界全土を巻き込んだ大戦を起こせと言うのじゃ。



「そ、それは正直驚いた。今まで影に潜み、その存在を感づかせないように働いていたと思えば、今度は表舞台に出よと?」


「見るのだ。この封神台を」


「封神台?何やら結滞なデカブツじゃが、何なのじゃ?」



天界の者は我と太公望に地上界に蔓延る仙の術を持つ、人の身で大それた力を持つ者達の魂を集め、目の前に浮かぶ巨大な封神台なる封印石に封じるように命じた。

太公望もこの命令には多少なりとも眉をひそめておった。



(魂を集めよとは。また禁忌に触れる事を平気で命じるものだ。しかし手を汚すのは我々なのだから、罪の重みがないとでも?それでも潔癖でありたいと思っておるのか?天界神)



じゃが、我と太公望に逆らう事は叶わぬ。

先程、我にかけられた呪術は無いと言ったが、それは誤りじゃ。

我と太公望の魂にはいつかけられたか知らぬ呪詛が刻まれておった。

この呪詛は下手に何かすれば、その意識と連動して発動する厄介な品物。

万が一逆らえば、我々の魂に直接かけられた呪詛が働き、我々の魂はそれこそあの封神台に封じられてしまうのかもしれん。

すると神は我と太公望に告げた。



「封神の執行者よ!神以外の全ての仙道者を集め、狩り尽くすのだ!」



そして我と太公望は地上界へと降り、解き放たれたのじゃ。


(しかし何から手をつければ良い?)


我は途方にくれる。

恐らく策士な太公望は既に何かしら動いておるのであろう。

世界を揺るがす大戦を起こすか。

先ずは権力を持つ有力者を駒にするか。

我が目を付けたのは人間の大国。



「殷国」



その国の君子は若くして傍若無人。

自らを天使、いや?

神をも越える者として君臨していた。



「人間風情が甚だしい。しかしそう言った戯けなら、我の駒に丁度良いと言うもの」



そして我は近付いた。

この君子は美女を侍らせ、酒池肉林と言った生活を飽きる事なく続けているとか。

国外問わず美しい女を集める家来達が我の美貌を見逃す事はなかった。

我は家来達に連れられ、君子に肖ろうと女を献上する◎の前に来させられると、他の娘達を払いのけて君子の側室になるように命じられた。


「良しなに」


我は忠実な娘を装い、君子の前に現れた。

大浴槽で肌を清める我の前に、目を見開き立っている若者。

その者こそ、この国の王となる紂王であった。


その時、我は胸が締め付けられた。


「!!」


本能的に感じたのじゃ。

目の前に立つ人間は、王の資質があると。

いや?それは人間の国など狭い。

世界に君臨する器だと直感した。



「まさか、この我が認めてしまうとは。この我が主として欲するとは」



よく運命の相手に巡りあった時に、身体が雷を打たれた感覚になると聞いた事がある。


ビビビとな。


ソレがコレだと直ぐに分かった。

そして同時に目の前の男を世界を統べる真の王にさせたい欲求にかられた。


(しかし我は今、天界に行動の全てを管理され、自由などどこにもない)







我は紂王との邂逅より、その運命の歯車が変わり始めた。

紂王は我に一目惚れをし、金銀財宝を惜しみ無く与えてくれた。


紂王は人間の国の王。


この男を使い、地上界に大きな戦争を起こす。

そうすれば力ある仙の力を持つ者達は引き寄せられるように戦場にと現れるはず。

そこを根刮ぎ刈る!

これが我に与えられた任務。


紂王は我にぞっこんで、マヌケにも見えるが頭が切れる。

下手な誘惑で重い通りにはならない。


そう思った理由があったのじゃ。

紂王は特に仙道を学んだ事がないと言うのに、その才に恵まれた天賦の持ち主じゃった。

この我が一度向けた術を、虫を払うように打ち消しおった。

それは無意識に。

己に害する厄災を消し去る力を持ち、危険回避能力に長けておった。

王が持つ極上の才能。



思案する我に、夜分遅く紂王は現れ、言った。


「何を悩んでおる?この余に出来ぬことは何もあらん。なんでも話すが良い」


「・・・」



話せるはずがない。

そう思った時、紂王は我の目を見て信じられぬ事を言った。


「余にはお前の求めるモノが分からぬ。お前は何を望んでおる?この地上界に戦争をもたらす事か?それとも天に背き復讐する事か?」


「なっ!?」


紂王の瞳は輝いていた。

それは魔眼?

しかもその魔眼は極上の魔眼。


「天賦の魔眼」


天賦の魔眼とは複数の能力を持つと言われている。

その魔眼の力で我の記憶を?

心を読み取ったと言うのか?



「お主を前に隠し事は出来ぬようだな」


「あはは!この余にお前の全てをさらけ出して欲しい。余はお前の味方なのだ」


「!!」


「余がお前を守ってやるぞ」



そう言って我を抱き締めた。


「あっ」


すると紂王は我の目を覗き見て、


「お主を縛り付けておるのはコレか?」

「えっ!?」


紂王が突き出した腕は我の胸を貫く。

しかし痛みはなかった。


これは「魂手」か?

魂手とは、相手の魂を直接攻撃する最上位の仙術であり、それをいとも簡単に使うなんて信じられない。


「ふん!」


紂王は我の中から何かを抜き取ると、その手には輝く虫らしきものが摘ままれていた。


「それはまさか魂爆虫か?」


魂爆虫は、天界の者共が我の魂に仕掛けた術。

仕掛けられた者の魂をエネルギーとして、万が一裏切るような事があれば容赦なく爆破し、我の魂を消し去るのじゃ。

魂魂虫が抜き取られた事で我の呪縛は失われたと同時に、もう一つの呪縛が解き放たれた。

それは百眼仙魔の魔眼により、失われていた我の感情じゃった。

噴き出す感情の波が押し寄せるように我の中を廻り、我は発狂した。


「ギャアアアア!」


それは天界から脱走を試みた後、百眼仙魔によって記憶を操作され、天界に忠実に、不信を抱かずに動く人形として数えきれぬほどの大量虐殺を繰り返した記憶。

その中には同族も含まれ、父や母も。


「ゆ、許せ、ぬ」


我は血の涙を流しながら、


「我は、我の人生を狂わせた、天界に、復讐してやる!」


怒りに満ちた我の手が握られる。



「良いぞ。その願い。この余が力を貸してやろう。妲己よ!」


「お前、何故?」


「ふふふ。権力も地位も全てが虚しい。余はお前を一目見て、感じた!この先、お前の心を余に向けるには、お前と同じ道を歩むことが必要不可欠。お前が復讐を果たした後、全てを終えた後、お前は余を愛するだろう」


「何じゃその理屈は?」


「見返りを求めるには十分だと思うぞ?何せ神を相手に、今より世界を巻き込み謀るのだからな」


「後戻りは出来ぬぞ?」


「言ったろ?余はお前を求める」



紂王は我の腕を引っ張ると、その華奢な胸に我を強く抱き締めた。


「仙界大戦の賽は投げられた」



天界は我と太公望に地上界を二分させ、戦争を起こし、そこに現れる仙力を持つ力強き猛者の魂を集めるように命じた。

我が紂王に近づき、その権力を意のままにし始めたと同時に、太公望の奴も反勢力である周の文王の子である武王の諸国連合に近づき、軍を起こしたらしい。

このまま互いに消耗戦を繰り広げれば全てが天界の目論見通りになる。


「そうはいかぬよ」


我と紂王、そして話を聞いて天界への不信を抱いていた聞仲を同志として、仙力を持つ最強の国家を造り上げた。

その目的は地上界での同士討ちではなく、この軍を天界に対する抑止力にし、いずれ天界を討ち落とすためであった。


この計画は天界には悟られてはならぬ。


そう、あやつにもな。



あやつとは太公望。

奴の真意は我には分からない。

太公望は我らを裏切った。

あの脱走の日、奴が我らを天界の連中に売ったのじゃからな。


奴は天界のスパイなのか?

しかし死の危険をおかしてまで、我らと同じ拷問を耐えていたと?

しかし全てが演技だったとも思えない。


我の計画は必ず成功させる。

その為に奴の力も必要。

神殺しの忌眼を所有する我と太公望が手を組めば、天界の全ての神々が平伏すはず。


もし奴が我の言葉を聞き届けるのなら、我は過去の怨みは水に流そう。


その為には話さねばならぬ。



既に我が紂王の大国と、太公望が手を組んだ 連合軍との大戦は始まった。

仙道の力を持つ人間達同士の戦いはヒートアップし、やがて天界からも軍神達が地上へと降りて来ては参戦し始めた。


「何故、天界側が降りて来たのじゃ?高みの見物?」


「天界も一枚岩ではないと言う事なのだろう。邪魔な派閥から戦場へと放り込んでおるのかもな。妲己」


「紂王!」



振り返ると、紂王は我を見ていた。



「既に聞仲に、趙公明が戦場で戦っておる。待とう。やがて機は回ってくる」


「そ、そうじゃな」



このまま戦争が激しくなれば、まさに天界の思惑通り。


その前に太公望を説得し・・・


しかし、我の思いは砕け散った。








場所は数年先、暗雲の中で雷と妖気が激しく衝突し、浮遊する封神台が妖しく光輝く。

それはまた誰かの魂魄が封神台に吸収されたのだ。

激しい大戦は最終局面にまで来ていた。




「何故じゃあーー!」


「許せとは言わん!妲己!これがわしの信じる道を歩いたまでのこと!」


「太公望!」



我は太公望と、命を奪い合う戦いの真っ最中。

共に死力を尽くし、力を解放する。


「忌眼!」


我の左目、太公望の右目が光る。

己の血が全身を覆い、血咒の忌鎧装が纏われる。


「打神鞭・血壁衝」


「九斬尾化魔剣!」


互いの血が神をも滅する武器となり、大技を繰り出した。

我の尾が破裂し、太公望の肩が血飛沫を出しつつ、その額から血が流れる。


「全ての者を謀し、神の犬と成り果てた裏切り者、太公望!もう何も言わん!この場で討ち滅ぼす」


「お主に、それが出来るのか?」


「!!」


「仮にも共に地獄の日々を乗り切り、その合間に心を許し、合瀬を交わした儂を」


「そ、それは!」





我は思い出す。


それは・・・



次回予告


妲己、紂王、太公望


その愛と憎しみの戦いとは?

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