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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生変革封神大戦編
584/713

忌眼体蝕者の始まり!忌眼奪還、歪む世界!?

妲己の運命はさらに激しく落ちていく。


そして、彼女は今・・・


我は妲己。


あの後、我は洗脳された。


「この儂が手を貸した事、決して忘れるな。この者達は、化け物じみた潜在能力を秘めておる。この儂、百眼仙魔でなければ叶わぬ洗脳であったのだぞ」


百眼仙魔とは魔眼一族の長であり、地上界指折りの大魔王であった。

その者は天界の神に一族の繁栄と協力を条件に力を貸していた。

その者の能力は絶対暗示。

つまり洗脳に長けていた。



「分かっている。仕事が終えたのなら早々に立ち去るが良い」


「くっ」


百眼仙魔とて天界を相手に喧嘩をするほどの力はない。

心に悔しさを残し、立ち去った。


他の者達はどうなったか?

我自身がどうなっているのかもわからない状態で、天界の者達の忠実な下僕として使われていた。我達は続き、あの地獄のような日々を繰り返した。奴等が我達の身体に流す毒に妾達は汚染され、その耐性を身に付けていく。


この実験には既に数えきれぬ失敗例があった事を耳にする。

我達には念には念を入れられた。

しかし最初に異変が起きた者がいた。

サクヤだった。



「誤ったなぁ。確かに龍神の血がこの血に汚染こそされにくい事は実証されたようだが、我らが望む結果は望めん」


「しかしどうする?龍神界に戻すわけにもいかんだろう」


「始末するしかないか」



が、殺されはしなかった。

サクヤは記憶の混乱を起こして、その記憶の殆どが失われていたから。



「面白い。この娘は龍神界へ戻そう」


「どうするつもりだ?」


「この龍神の娘は汚染されている。このまま龍神界に放り込めば、必ず内から龍神界を侵蝕し、滅ぼしてくれるかもしれんぞ」


「それは名案だ」



そしてサクヤは誘拐された後の記憶を消去され、龍神界にそっと返された。龍神族はその帰還を神隠しとして、連れ戻した。

その陰謀を知らずに、汚染が広がるとは思わずに。



「さて残る三人か。この者達から二人を忌眼の移植者に選定する」


「血の融合率で言えば玉面が他の二人を凌駕している。しかし」



玉面はその力を幾度と暴走させ、制御出来ずにいた。


「そうなると残るはあの二人か」


「あの二人の精神力は異常だ。我々の計画を成功させるためには他にはいまい」



これから何が始まるのか?

それは世界の救済と混乱を同時に起こそうとしていた。

救済とは、



「倶利伽羅の王から、その力の象徴たる眼を抜き出し、その力を手に入れる」


「いつ目覚めるか分からぬ倶利伽羅の王の力を奪う事は、この世界の救済の他ならない」



この世界は今、歪ませ捻るように二つに分けられていると言う。

その捩られ歪められた空間の中心に、その時を止められた倶利伽羅の王が封じ込められていると言うのだ。

しかし世界の歪みは時経つ毎に僅かだが元に戻るように僅か僅かに動いていた。

もしその中心の結界が失われれば、再び時の狭間より倶利伽羅の王が目覚める。

倶利伽羅の王とは、カミシニの神たる存在であり、真王と呼ばれていた。



「真王が目覚めれば世界は間違いなく終わる。今度こそな。それだけは食い止めねばならぬ。我らはその救済のために動いたのだ」


「その褒美として神々に災いを持ち込む人間共を一掃する為に、その力を使う事は我らにとっては至極当然の事」



そして時が来た。


世界の狭間に封じられた倶利伽羅の王から、その忌眼を抜き取る。


選ばれしは玉面だった。

その理由は血の適合性。

倶利伽羅の王は、その身に流れる血が神をも殺す猛毒なのだと言う。

倶利伽羅の王に接近して、その忌眼を抜き取る為には、その血に耐えられる者でなければならぬ。そのために我達は拉致され、永き時を地獄のような実験で作り上げられた駒に仕立てられたのだ。しかし玉面は血の適合性はずば抜けていたが、その精神力が共わなかった。

精神と心が崩壊した。

まるで赤子のように言葉を失い、悶えながら地べたを這いずっていた。


「これでは使い物にはならぬ。ならば」


この時、背後から姜子牙が現れる。


「この儂と、もう一人おるではないか?あの妖狐の娘を使えば良い。あの者は適合性こそ儂や玉面には及ばぬが、精神力はずば抜けておるからな」


「うぬぬ。仕方あるまい。任せよう」



そして洗脳された我と姜子牙が、倶利伽羅の王より忌眼を抜く者に選ばれたのじゃ。


この計画は隠密に大掛かりに行われた。

何せ世界を分け隔てた空間の中で、その中心にいる倶利伽羅の王から忌眼を奪取するのだから。強力な世界の歪みを一瞬だけ緩め、その僅かな隙に二人がかりで奪う。

失敗は許されない。

万が一、倶利伽羅の王が我等に気付き、返り討ちにして世界に解き放たれば、もう世界は混沌になることは間違いなかった。


「妲己よ。お前に命じる。良いな」


「我に不可能はないのじゃ」



立ち去我の後ろ姿を見る天界の者達は、その姿に見惚れていた。



「あの妖狐、またその、なんだ。色気が出てきたと思わないか?」


「ば、馬鹿者!妖狐に心を奪われるなど、もってのほか!神族として恥じよ!」


「いや、だから鼻血を流してガン見していた者には言われたくはないぞ」


「うぐぐ」



だが、知っている。

あの妖狐の身体には忌まわしき血が流れている。

カミシニと呼ばれる神を殺す猛毒を身に宿した化け物なのだと。



「命と引き換えに、あの美しさに手を出す者がいれば、それこそ本望か?それとも愚者か。我等はこれ以上触れてはならぬ」


「そうだな。それにこの計画が上手くいっても、失敗しても、あの妖狐には不遇の死しか待ってはおらんからな」


「我等もまた禁忌に血に染めた者として、これから先に起きる未来を傍観する事は出来まい。我等神族とて負わなければならぬ罪は過去、数えきれぬほどあるのだからな」


「・・・」



そして表沙汰にはならない天界の者達が計画を着々と始める。

二分された世界の歪みを数百神もの大部隊が神気を膨大に使用して一時的に緩め、その結界に穴を開ける。歪まれた中心に存在する倶利伽羅の王を目覚めさせずに、その結界の隙間から倶利伽羅の王の忌眼を奪う。


これが出来る者は世界広しと言えど、目の前に存在する二名しかおらん。

我と姜子牙だった。



「妲己よ。心せよ。儂らの働きが世界の命運を握っておるのだからな」


「馴れ馴れしい奴だ。お主がもう片方の選ばれし者か?妾一人で十分だと言うのに」


(そうか、記憶を消去されたか。そうだろうな。もし記憶が残っていれば、儂に噛み付いてくるのが分かっておる。寧ろ、先に戦争が始まってもおかしくはないだろうな)



そして我達は空間転移に使用する装置の上に乗せられ、その時を待った。


「!!」



視界が歪み、風景が捻れた世界が露になる。

これが世界を二分した世界の歪み?

その歪みの中心は時を止められた倶利伽羅の王が眠っている。

その者から忌眼なる眼を抜き取る事が仕事。

しかし倶利伽羅の王を中心に神を殺す猛毒が血界として身を守っている。

だからこそ血に免疫を持つ我と姜子牙に与えられた任務なのじゃ。


世界の歪みがほんの少し動き出した。

この微かな動きに使われる神気は数千年分の地上界を安泰させるほどとか。


「今じゃ!」


足下の結界が光輝くと、世界の歪みに向かって道を作る。



「あの中に飛び込めと言うのじゃな!本当に妖狐使いの荒い連中じゃ!」


飛び込んだ我と姜子牙は、身体中を締め付けられる激痛に襲われた。

歪みの中心までの距離は、数千万キロだとか言っておったが、そんなのひとっ飛びかと軽んじていたが、全身を重りに繋がれたように身体が動かずに、数ミリ動くのに何時間もかかったような感覚を覚えた。


「これはキツイ」


じゃが、我の前方を先に行く姜子牙の背中が見えて、負けじと踏ん張った。

どれくらい経ったのか?

その目的の中心が見えたのは。



「あれが倶利伽羅の王が眠りし時の棺桶か!」



血界を中心にカミシニの血が覆われ、その中へと飛び込む。


「うごぉ!」


堪らない激痛に襲われた。

妾の血が沸騰し、焼き焦げるような。

吐いて撒き散らしても足らぬ。

気が遠くなる中で、視界に入ったのは裸の男が膝を抱えて眠っている姿だった。

(本当に存在しておったのじゃな)

我達の目的は、あの倶利伽羅の王の眼を奪い持ち帰る。


「!!」


その時、倶利伽羅の王が妾達の接近を本能的に感じ取ったのか?

その瞼がゆっくりと開き始めたのだ。


(起こしてはならぬ!)


飛び込む速さを増して飛び込んでいた。

我の振り下ろした爪が倶利伽羅の王の瞼に接近したが、


「馬鹿な!」


微かに首を反り躱されたのじゃ。

この機会は一度きり。

失敗は全てを終わらせる。



「終わってはあらぬぞ!」

「!!」


我の攻撃を計算に入れていた姜子牙が、その躱した方向に向かって指を突いた。


「我も終わってはあらぬぞ!」


交差するように振り払われた我と、姜子牙の攻撃が倶利伽羅の王の顔面を襲う。



「ガァアアア!!」



数千万ぶりに声を発した倶利伽羅の王であったが、その力が急激に失われて固まっていく。そして再び時の狭間に残され眠りについたのだ。

空間の歪みから飛び出した二つの閃光は、我と姜子牙じゃった。

我達は憔悴しきり、全身が焼かれたような状態で動かなかった。

しかし、その手には互いに一つずつの眼が握られていた。

倶利伽羅の王より奪いし忌眼。


妾と姜子牙は成功し持ち帰ったのじゃ。

決して手にしてはならぬ力を。


その後、回復した我と姜子牙には更なる試練が待ち構えていた。

儀式として倶利伽羅の王より奪った忌眼を、その身に移植されたのじゃ。



「ウギャアアアアアア!」



響く渡る激痛の痛みは三日身晩続いた。

そして適応した我と姜子牙が儀式の間より生還し、全ての歯車が回りだす。

妾と姜子牙はこう呼ばれる。



忌眼体蝕者と。

次回予告


忌眼を手に入れた妲己は、天界の手駒として働いていた。


その手を血に染めながら・・・

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