姜子牙に迫る新たな追手!?
余元と余化を倒した姜子牙達の行く手に迫るのは?
私は姜子牙だよ。
私と黄天下にナタクは新生殷国に入り込み、その中央の敷地内に入り込む事が出来た。
しかし紂王がいる神殿はまだ遠く、確かに視界では見えているが、囲む建物が血界となっているのか?全く距離感が掴めずにいたのだ。
「紂王、いや?総指揮している聞仲が力の強いカミシニを集め、この新生殷国に住まわせている理由が分かった」
「どう言う事だ?ナタク?」
「この地に住むカミシニ全てが紂王を守る血界の役目を果たしているのだ。奴らの血が共鳴し、距離や空間を歪ませ、そして俺達のような侵入者を駆除する役目をな」
「だったら、どうやって中央にいる紂王のもとへ行く?まさか、この国の連中をしらみつぶしに倒していくわけではなかろう?」
「少しでも強い連中を倒せれば、血界が歪み、俺達が入り込む余裕が出来て紂王のもとへ行けるだろう。恐らくな」
「恐らくか。仮定は挑戦へのヒントだ!やってみるか?」
すると黄天下も拳を握り、応える。
「それに他に手段もないし一か八かだな?少なくとも俺は強い奴と戦いたい」
「無茶はするなよ」
「お前もな」
するとナタクが私と黄天下を黙らせる。
「どうしたのだ?」
「気配は感じないが、視線を感じた。どうやら俺達は囲まれたようだ」
「なぬ??」
「ここから先、俺達は分かれて戦う。目指すは紂王のいる中央神殿だ。そして俺達を狩りに来た連中は腕が立つと見た。面白い。返り討ちにしてやろう」
「了解だ!」
「二人共御武運を!」
そして私らは囲んで姿を見せない連中から攻撃されるより先に三方向へと駆け出していた。
そして思い通り、私らを追ってくる奴等の影が見えた。
「追って来るな?返り討ちにしてやろう!何せ私はお前らカミシニを殲滅するために生まれて来たようだからな!」
そして立ち止まり振り返ると、
「!!」
そこには一人の男が立っておった。
「よく来たね?君が来るのを僕は指を折々数えていたよ」
しかし私には、その者の姿に心当たりが全くなかった。
「だ、誰だよ?お前は?私はお前を知らんぞ?」
「そうかい。何かフラレた気分だよ。でもね?思い出す思い出さない関係なく、僕は君を殺すよ。その為に僕は甦って来たのだから」
「何か人違いしてないか?よくは解らないが、私も全てのカミシニを駆逐する為に生まれて来たようだぞ」
「それは楽しみだ。けど、僕は君を侮らないし、それに確実性を求めるよ」
「な、お、お前!?」
すると目の前の男の背後から、数人のカミシニが姿を現したのだ。
一人、二人、三人に四人?
その四人目の男の姿を見た時に、私はその者の名を叫んでいた。
「お前、高継能じゃないか!生きていたのか!やはり!!」
「久しぶりだな?姜子牙!お前に痛い目に遭わされた怨み、ここで返してやるから覚悟しとけよ」
「強気なのは五人がかりで私を倒そうとは、私はモテモテのようだ」
完全に私が狙いのようだな。
その頃、ナタクと黄天下の前にも別のカミシニが道を塞いでいた。
これは二人を足止めし、確実に私を消す為に仕組まれた罠であった。
「先ずは俺が殺らせて貰うぞ?それが、アンタに付いて来た理由だからな」
「構いませんよ。油断無きよう」
「安心しな?俺ほど、アイツを知っている奴はいねぇよ。何せ俺と奴は師弟関係だったのだからな」
そして飛び出して来たカミシニの姿を見て、私は怯む。
「あ奴、妖怪?妖仙か!」
その者の姿は頭が龍の妖怪?
龍神族と呼ばれる種族か?
「忘れているなら思い出させてやろう。俺の名は竜鬚虎」
すると掌を頭上に上げると、掌に血溜まりが浮かび上がり、そして炸裂した。
「炸裂せよ!発手群石!」
炸裂した血溜まりはイナゴの姿に代わり、飛び回りながら私に向かって襲いかかって来たのだ。
「イナゴかぁ??」
私は飛び上がりイナゴの襲撃から躱すと、追尾するように追いかけて来る。
「かつては石に気を込めて炸裂する奥義だったが、高継能の蜂を操る技に、カミシニの血の力を加えて進化させたのだ。そのイナゴはお前を捉え、喰い殺す」
イナゴの大群は飛びまわりながら私を追って来ると、私は逃げる足を止めて振り返り、忌眼を発動させた。
「忌眼・打神鞭雨あられ!」
私の忌眼は飛び回る無数のイナゴを一匹一匹と捉え、そして打神鞭が線を描くようにイナゴを打ち落としていく。
「余元の剣の雨に比べれば大したことないぞ!それに、やはり私はお前を知らん」
突き出した打神鞭が伸び、鋭い槍のように竜鬚虎の顔面に迫るが、
「!!」
突如、何者かに足を掴まれて体勢を崩されて打神鞭の攻撃が逸れる。
掴まれた足を見ると、地面が盛り上がり別のカミシニが私の足を掴みながら持ち上げたのだ。
「どっこいしょ〜!俺の名は土行孫!お前は俺の獲物だぞよ!」
「両手で掴まれていたら防御がお留守だろ」
力任せに私の両足を引き裂こうとする土行孫に私は懐から投げた火竜鏢と呼ばれる手裏剣を飛ばすと、それは発火して軌道を変えて土行孫の顔面に直撃して爆発し、私を掴む手が緩む。
「ぐぉおおお!」
抜け出した私は土行孫に打神鞭を振るった。
「先ずは一体、倒す」
しかし直撃した打神鞭は弾かれたのだ。
「なんと!?」
「ぐふふふ」
土行孫の身体は硬直し、打神鞭の攻撃が通用しなかったのだ。
「俺の身体は血中濃度を高めて硬質化出来るのだ。そんな玩具、屁でもないぞ」
「こ、これはヤバい展開なのか?」
少なくとも、コイツらは第四仙血?
中には第五仙血の奴もいよう。
黄天下とナタクの助けもない以上、この状況での打開策は一つしかあるまい。
「耐えられるか分からないが、一か八か忌眼を暴走させるしかないな」
これはナタクから止められていた。
もし近くにナタクがいれば、あの魔眼の力で抑え込めるようだが、「俺の傍以外の場所で絶対に力を使うな?良いな?」と、私は何度もナタクに釘を刺されていた。
「やむおえまい」
私は囲む敵に対して、
「今から見せてやるぞ?この私がお前らカミシニを始末する執行者である力を!」
その言葉に一瞬、怯んだ時!
私は足下目掛けて打神鞭を打ち込むと、砂埃が一帯を覆った。
「し、しまった!」
気付くと、その場に私の姿は消えていた。
そして探し回る敵達から隠れ、私は建物の影に潜み、音をたてずに移動していた。
「カミシニは気を探れない。目で見てでしか。ならば逃げるが勝ちよ!とにかく奴らから離れ、一体ずつ相手をするのが策。それに黄天下とナタクと合流し、何とか突破口を開く!」
私は市民街に入り込む。
市民街には、この新生殷国の国民が生活している。
非戦闘カミシニ達の居住地。
いくら奴らでも、巻き込むような真似はしないとは思うが、私から見ればカミシニ。
巻き込んだところで構いはしないし、それに敵のカミシニである事は代わりない。
が、心残りもある。
私はカミシニの殲滅が目的であるが、黄天下はカミシニ達も救済し、他の種族と共存を求めているようだ。だから王さえ討てば、争う意思のないカミシニには手を出さないで欲しいと言われていたからだ。
「ふん!」
私は市民街に入り込むと、追手から逃れる為に建物の中へと飛び込み息を潜む。
「・・・・・・」
どうやら見つかっておらんな。
追手をまけたか?
すると背後から物音がした。
「!!」
そこには女と娘が震えながら侵入して来た私に対して怯えている姿が見えた。
(カミシニの親子?一般人か?)
この時、私は迷う。
騒がれる前に殺すか?それとも?
騒がれれば敵が私の居場所に気付いて集まって来るだろう。
所詮はカミシニ、人の姿をしていても中身は化け物。
「殺して已む無き!」
その後、私は部屋を飛び出していた。
悲鳴をあげる親子。
追手が私を追いかけて来ている。
私は殺せなかった。
仕方あるまいな〜
黄天下はこの戦いの後、この地を紂王に代わり王となると言っていた。
だったら、その民を殺す事は私の仕える王の意志と反するから仕方あるまい。
なら、やはり戦って生き残る!
次回予告
逃亡中の姜子牙に迫るカミシニ達。
姜子牙の運命は?
法子「後ろを見ないで走るのよ!」




