姜子牙!絶対絶命の危機!?
黄飛虎について廃墟と化した遺跡で調べる姜子牙
しかし、そこにとんでもない事態が起きたのだ。
私は姜子牙だよ
私は黄飛虎の過去を知るために天界の武神が残した廃墟の神殿にて情報を駆り集め、さらにカミシニ研究をしていた。
時間はたんまりあると思っていた矢先、突如揺れ出す神殿。
慌てて飛び出すと、そこには神殿を見下ろす四体の巨人が見下ろしていたのだ。
「何なのだ?アレは!」
すると拳を振り上げた巨人が神殿を破壊し始めたのだ。
崩れ落ちる瓦礫から逃れるように私と、黄飛虎親子は外に飛び出す。
「図体ばかりデカくとも的が大きくなれば攻撃も容易い」
飛び出した黄飛虎は拳を振り上げると鮮血が凝固し鉄甲となる。
「俺の拳ぃ!!」
その拳は巨人の身体を突き出すと、全身が揺れて砕け散り崩れるように膝をつかせた。
「どうだ!」
しかし黄飛虎の拳で砕けた巨人の身体は立ち上がりながら再生していく。
「どうやら痛みも恐怖もない傀儡のようだな?あんなの相手にしていたら拉致あかないぞ?」
「俺の拳で砕けないとはムカつくな」
「父上!後ろからも向かって来ます」
私達は場所を移動しながら巨人の攻撃を躱す。
「あのような化け物相手にするのは合理的ではない。あの化け物は意思もなければ動く人形!きっと影に隠れ他に操っている呪術者がいるに違いない」
「姜子牙、居場所は分かるのか?」
「無茶言うなよ。カミシニは気配がないのだぞ?探って分かるもんじゃない。万が一にも遠隔操作なんかしていたら元も子もないのだからな」
「ならどうする?」
「探れないとは言ってはおらんよ!その代わり頼みたいのだが」
「時間稼ぎだな?」
「ご名答」
黄飛虎はニヤリと笑うと拳に力を籠める。
「任せよ!適材適所だ」
そして、
「付いてこい!天下よ!」
「お任せください!俺も役に立つところ見てもらいます!」
黄天化の実力は第三仙血。
私と同等の力を持っているだろう。
飛び出した二人を見て私は自分の仕事を始める。
私の仕事は分析。
山のような巨大の化け物に拳で対抗する黄飛虎は本当に出鱈目だった。
「ウォおおおお!俺もやってやる!父上のように強くなってやるぞぉ!!」
黄天化は血を掌に集めると、二本の槌を握りしめ、飛び上がって勇猛果敢に巨人に殴りつける。
「俺に付いてこい!」
「はい!父上!」
正に恐れ知らずの戦士に私は見惚れている暇はなかった。
いやいや集中せねばなるまいな。
「念珠」
私は巻物を広げると念珠と呼ばれる珠が出現して放り投げると、無数に増殖して転がりながら神殿全体に広がっていく。
「千里眼」
千里眼とは離れた場所を見る仙術の初歩的な術。
自分の霊魂を飛ばして見る事が通常だが、私は念珠を通して映る情景を見ていたのだ。
カミシニは気を探れないため、目で見て居場所を探らないといけない。
この仙術は唯一の手立てであった。
「遠隔操作をするにもカミシニと繋がっていなければ操る事は不可能なはず。足下から伸びた触手でもあるのかと思ったがそうでもなさそうだ。なら巨人の体内で操作しているのか?」
私は思考を廻らせ、この巨人が動く理由を探る。
これだけの巨人を動かすには命じる者と、動力が必要不可欠。
「何処かに手掛かりがあるはず」
その時、私は全身に鳥肌が立つ。
「何だ?この気配は?」
私は背後を振り向くと、そこに見知らぬ女が立っていたのだ。
「前々から妾と共鳴する存在を感じていたが、そなたか?名を何と申す?」
まるで心臓を鷲掴みにされたかのように身動き取れずにいた。
頬から垂れ落ちる冷や汗が長く感じる。
それでも私は言葉を発っした。
「人に名を聞くなら自分からするのが礼儀と言うものだぞ?」
「ホホホ。そうなのか?なら妾の名を教えてやろう。妾の名は玉面乙女じゃ」
「玉面乙女?」
「そうじゃ。あの王たる器の男(黄飛虎)を見に来たのじゃが、お前にも興味を持ってな?挨拶に来たのだぞ」
「そ、そうか?挨拶はもう済んだから帰ってはくれぬか?」
「そうはいかぬ。お前も薄々気付いておるのだろう?妾との繋がりを」
「繋がり?」
すると玉面乙女が瞼を綴じて、ゆっくりと見開く。
その瞳を見た時、私の瞳が同調するかのように熱くなったのだ。
「そ、その眼は!?」
玉面乙女の左眼が銀色に光り輝き、そして異様な力を発していた。
間違いなく忌眼?
この私の持つ右目の忌眼と同質の忌眼ではないか?
それは左右対称の忌眼所有者の邂逅。
「お、お前?その眼は?」
「私の眼を奪ったのはそなただったのだな?返して貰うぞ?」
私は受け身になるように玉面乙女の差し伸ばす手を払い後退する。
「奪ったとは何だ?私の眼は産まれた時から私の眼だ!返すもんとかないわ!」
「お前の命を消せば自ずとその眼は私のもとに戻るようよ」
「!!」
足が震えて抵抗出来なかった。
この玉面乙女って女は私が戦って来た第三仙血以上、第四?まさか五?
敵うはずなかった。
と、その時!
上空から何かが迫っていたのだ。
空を駆ける獣に騎乗した武人らしき男が私の姿を目視した時、その手に込めた凝縮する血液が槍と化す。
「!!」
上空から槍が振り下ろされ、無数の雨の如く降って来たのだ。
それには私だけでなく玉面乙女も予測外からの攻撃だった。
「妾を邪魔する者は誰ぞ!?」
身を血液の膜で覆い壁を作ると、その槍の雨は触れた途端に溶解していく。
対して私は打神鞭を振り回して落下して来る槍を弾き飛ばして防御したのだ。
「一体全体、今度は何だよ!」
すると上空より、攻撃してきた者が降りて来た。
そして地上に足を付けると私に向けて剣を向けたのだ。
「お前が姜子牙だな?お前をこの手で始末する。決して逃さぬぞ!」
しかし私にはその男に心当たりが全く無かったのだ。
「お、お主は何者だ!何故、私を恨む?他人の空似ではないのか?」
だが、その者の次の言葉に私は絶句した。
何故なら?
「私が留守の間に澠池城に攻め込み、私の愛する妻、高蘭英を手にかけた。それ以外に私がお前を斬る理由はあるまい?」
「!!」
澠池城の高蘭英って?
心当たりしかなかった。
まさか高蘭英の旦那なのか?
そしてこの状況で私の首を取りに来たと??
何てタイミング悪いこっちゃ!
「その男は妾の獲物じゃ。横取りとは節操がないな?」
「女!退け!さもなくばお前も斬る!」
「ホォ?やけに強気だな?死に土産に名前を告げよ?覚えてやるぞ?」
「良かろう。私の名は張奎 (ちょうけい)!澠池城の真の主よ!」
そして私を見るなり、その怒りが張奎 (ちょうけい)の皮膚が赤く染まり、その胸に入れ墨の如き龍のような痣が浮かび上がる。
「な、何だ?アレは!」
その模様を見た玉面乙女も流石に驚きを隠せずにいた。
「まさか倶利伽羅の血痕?お前も王の器か?流石に妾も驚いたわ!」
「倶利伽羅の血痕だと?」
それは私も風の噂で聞いた事があった。
カミシニの最高上位種には王たる器を持つ者が存在し、龍のような入れ墨が浮かび上がるとか。まさか、アレがか?
「ウォおおおおおおお!」
張奎 (ちょうけい)の怒りが爆発して、その身から凄まじい瘴気が立ち込める。
息をするのが苦しく熱かった。
この場にいる事が恐怖でならない。
逃げ出したかった。
その時だった。
突如、上空に影が覆い暗くなると、私に向かって叫び声が聞こえた。
「そこから離れよ!姜子牙」
「な、何と?」
見上げた時、あの巨人が私と張奎 (ちょうけい)、玉面乙女に向かって落下して来たではないか?
「うぉおおおっと??」
すると私達の前に轟音と共にその場に現れたのは?
「どうやら巨人の呪術師を見つけたようだな?でかしたぞ!それよりどっちが倒すべき輩だ?」
豪快な登場の黄飛虎であった。
「て、おい!あの巨人はどうした?」
「はっ?とりあえず動かなくなるまで粉砕して来たぞ?今は動き出さぬように天下に任せて来た」
「そ、そぅか・・・」
とんでもないが、とにかく私の命を守ってくれるのは、黄飛虎しかいなかった。
次回予告
玉面乙女と張奎 (ちょうけい)、まさかの超強敵相手に姜子牙達は?
法子「まさか玉面乙女がこんな場所に現れるなんて!」




