高蘭英の太陽神針!
高継能 と高蘭英の間に姜子牙が割って入る。
姜子牙の策とは?
私は姜子牙だよ。
私は澠池城の中央で戦っている高継能 と高蘭英の間に割り込んだのだ。
本来なら高蘭英が高継能を倒した後に登場する予定だったが、試したくて仕方なかった。
大上狼君に言わせれば、合理的ではないと言われるだろうな。
私の目的はカミシニの殲滅。
にもかかわらず、敢えて二体のカミシニを、しかも第三仙血の連中を同時に相手するなんて命知らずと言える。しかし私は目の色が違っていた。
試したくて試したくて仕方ないのだ。
「ヤバイよな〜。好奇心旺盛なのは身を滅ぼすかもしれないもんな」
私は打神鞭を手に持つと、手首を捻って打ち出した鞭は高継能を殺しかけていた高蘭英の腕に命中して切断した。
「ぎゃあああ!」
さらに自由になった高継能が蜂を繰り出すと、高蘭英の顔に刺さり腐らせる。
「馬鹿目!この俺を自由にしてくれたのは感謝する。礼として苦しませずに殺してやろう!」
そして高継能が蜂の大群を出現させて部屋中に飛び回らすと、
私の逃げ場を塞ぐように飛び回る。
「さて、二人まとめて始末してやろう」
その直後、私は懐から巻物を抜くと印を結び術を発動させた。
「風術・黒雲」
巻物から黒い暗雲が広がり部屋中を闇に変えた。
その時、高継能も気付いたのだ。
「まさか!」
暗闇の中で無数の蜂達は飛び回りながら私の位置を見失ったのだ。
私は知っていた。
以前、蜂蜜を取るために蜂の巣を狙った際に、その習性を学んだ。
蜂は暗闇の中では活動が低減する。
「だが、俺の蜂は俺が作り出したのだ!お前達、この場にいる全てを食い殺せ」
すると暗闇の中で蜂達は手当たり次第に襲い始めると、高蘭英の使役する傀儡の女達に群がっていく。
「思った通り。動きを止めたら狙うは容易いぞ!」
私は打神鞭を振り回すと、群がっている蜂達を次々と打ち殺していく。
「お前達(蜂)!屍に構うな!隠れている男を見つけ出せ!」
蜂が妓楼の遊女の屍から離れようとした時、私は第二の術を起こしたのだ。
「水術・雨呼!」
天井に集まった暗雲が雨を起こすと、蜂達は動きを止めていく。
更に、
「氷術・氷雪」
吹雪が吹き荒れ、蜂達は完全に動かずになり、打神鞭の的になった。
「伊達に山で修行してはいない。食うか食われるかって時に本領発揮するのが弱肉強食の世の中で生き抜くすべよ」
私の右瞳が銀色に光り輝き出し、その力は打神鞭に伝わっていく。
「打神鞭・血祭り!」
潜血の鞭が電光石火の如く部屋中を打ち込むと、壁も天井も床も砕け散る。
同時に打神鞭の打撃を受けて血反吐を吐く高継能と高蘭英が吹き飛ぶように外に落下した。
神力を通じずとも仙術はカミシニ相手に通用するのだよ。
冷やす、濡らす、熱する、妨害する。
たとえ致命的な攻撃こそ出来なくとも、
翻弄し、攻撃に繋げるための布石には幾らでも使えるのだ。
「う、うぅぅ」
高継能と高蘭英はまさかの追撃に翻弄され、この私に対して怒りこみ上がる。
「何者か知らぬが私の守りし聖都に泥を塗った事は決して許せないわ!死んでくんなさい!」
高蘭英は口から無数の針を飛ばす。
「!!」
私は躱すと、針の刺さった壁が溶解しながら蒸発して消えた。
「太陽神針か!」
あんなの当たればカミシニでなくとも身体が溶けちまうよ。
私は打神鞭に掌を翳して忌眼の力を込めながら、意識を高める。
「忌眼・雷鳴打神鞭」
打神鞭が光り輝き、振り払うと同時に雷鳴が響き渡る。私を中心に陥没していきながら円を描くように広がり、向かって来た太陽神針が空間に入ると、
「!!」
雷の如き打神鞭の一撃に弾き飛ぶ。
「馬鹿な!私の針が効かぬなんて!」
「確かに命中すれば恐ろしい攻撃かも知れぬが、一撃の重さが軽いのだよ。私の鞭の一撃で軌道を変える事くらいなら造作もないことよ!」
同時に私は飛び出していた。
「キャアア!」
「たとえ女子供であろうが、カミシニであれば封神する。なにせ私はカミシニを殲滅する執行者だからな!許せ!」
突き出した打神鞭は伸びきり槍のように高蘭英の胸を貫いたのだ。
「封神」
高蘭英の身体は内部から雷の衝撃にその身が崩壊していく。
「あ、旦那さ、様・・・貴方の帰りをお待ち出来ませんでした。お許し、ください。張奎さ・・・」
その言葉を最期に高蘭英の身体は結晶化して私の忌眼の力で吸収されたのだった。
「第三仙血を倒したぞ!後は高継能の奴だな!」
振り返ると、高継能は立ち上がっていた。
「そうか、お前が噂に聞くカミシニ狩りであったか。まさかこの俺の前にも現れるとは運が悪い」
「覚悟するのだな!高継能」
「勘違いするな!運が悪いと言ったのはお前の方だ!この俺が何のために高蘭英を狩りに来たと思う?あの女の太陽神針を手に入れるためよ。その身を奪う事は叶わなかったが、俺の可愛い蜂達が手に入れてくれたよ!しかもお前の手助けもあってな?あはははは!」
「なぬ?」
その時、高蘭英が私に放った太陽神針が弾かれた先を見ると、その針に蜂が群がっていたのだ。一匹、二匹はその針に触れた途端に消滅していたが、数が増えていくうちに免疫を持ったものが太陽神針を体内に取り込んでいた。
そして飛び上がる蜂達の尻から出す針は眩しく輝き高熱を帯びていた。
正しく太陽神針であった。
「ふふはははは!これがどう言う事かお前になら分かるだろう?正に進化だ!」
「カミシニの進化とは厄介な」
私が先に高継能を追い込んだ策が通用しないって事を意味していた。
蜂の習性である暗闇も、雨も、寒さにも、太陽神針を持つ蜂には通用しない。
全ての弱点を克服したのか!
どうやら簡単には終わらなそうだな。
次回予告
太陽神針を手に入れ進化した高継能を相手に姜子牙はどう戦うのか?
法子「ZZZ・・・」




