韓湘子(かん しょうし)の花弁!
鉄扇は何仙姑を撃退した。
そして紅孩児の前には?
う〜俺様は紅孩児。
何だ?何だ?
俺様、一人になってしまったぞ?
孫悟空も父上もいない?
誰もいないぞ?
「まぁ〜何とかなるかな?」
俺様は見上げる壁を見て、結界に閉じこめられた事を理解した。
「とにかく俺様も歩けば何かに辿り着くかな?うん。そうだな!」
そして一本道を歩いて行く。
向かうは、向かうは?どっちだ?
とりあえず歩く!
前に進まなければ始まらない。
そして数時間ほど歩いた所で気付いた。
「腹減った〜」
と、前方から誰かがこちらに向かって歩いて来たのだ。
見た感じは俺様より多少お子様のように見えた。
「おっ?」
俺様は駆け出して叫ぶ。
「お〜い!お前〜?何か食べ物あったら俺様に分けてくれよ〜」
そして近付いた所で、ソイツは俺様に言った。
「良いよ?これあげる」
「ありがとうよ!」
手渡されたのは饅頭だった。
俺様は口に放り込み、二個三個食べてたらふくになっていた。
「君って無防備だよね?どうして僕を疑らないの?毒が入っているかもしれないよ?そう思わなかったの?」
「そうなのか?でも食べ物に罪はないぞ?それにお前、俺様を毒殺するつもりなら、姿なんて見せないで攻撃して来ただろ?」
「それもそうだね。僕は八仙の韓湘子。君を殺しに来た刺客だよ」
「俺様は紅孩児だ!」
俺様は空腹を凌いだところで立ち上がると、韓湘子と対峙した。
「じゃあ、始めるか?」
「そうだね」
俺様は瞬時に飛び出すと拳を突き出したが、韓湘子は軽々と身のこなしだけで躱して飛び上がる。そこに俺様も飛び上がって蹴りを繰り出すと、韓湘子の姿は残像を残して消えた。
「ん?消えた?」
すると背後に現れ、俺様に向かって唇から花弁を飛ばして来たのだ。
「!!」
身の毛がよだつ気がした。
あの花弁は間違いない!
カミシニの血で出来ている。
あの花弁が触れれば、俺様の力が失われて戦意喪失になっちまう。
たまらず飛び上がって躱すと、韓湘子は追い討ちをかける事もなく踊っていた。
「タン・トカ・トン・テテン♪」
そのリズムに乗った動きは神出鬼没。
現れたり、消えたりして、その居場所が俺様に特定されないようにしていた。
そもそもカミシニの気はそれでなくても感じなくて厄介なのに〜
「だったら電光石火だぞ!」
俺様は飛び出して、闇雲に攻撃をし続ける。
出現したり消えたりする韓湘子に攻撃の手は止めない。
「当たるまで手を出すまでだ!」
全ての攻撃が空を切り、虚しく擦り抜ける。
蹴りが、手刀が掠りもしない。
「駄目だよ?そんなんじゃ〜!僕には当たらないし、触れる事も無理だよ?そしてもう終わりかもしれないね」
「何でだよ!」
が、俺様は初めて気づく。
身体中に知らぬ間に韓湘子の花弁が幾つも貼り付いている事に。
「さようなら?君」
すると全身の力が花弁から噴き出しながら抜けて行く。
堪らずに膝を付き、拳を立てて堪えるけれど、それでも視界がボヤけて顔面から地面に倒れ込む。
「埋葬花布団」
この花弁に覆われたら妖気だけでなく生命力までも吸い出され、眠ったまま屍になっていく。
「苦しむ事なく、そのまま眠ってね。永遠に・・・」
韓湘子の持つ蓮の花から花弁が噴き出して舞うと、まるで俺様を隠すように覆いかぶさったのだ。
このまま全ての力が抜けて身動き出来ないまま終わってしまうのか?
「嫌だよ!俺様は」
埋もれた花弁の中から俺様の声が響いた時、決着はついたと立ち去ろうとしていた韓湘子は信じられないような顔で振り返る。
すると花弁が揺れだし、その中から金色のオーラが立ち込める。
「まさか!生きているの?」
覆われていた花弁が盛り上がり、散るように拡散して燃え出していく。
その中心に金色の魔眼が開かれた俺様が韓湘子を指差して睨んでいた。
「勝ち逃げしているんじゃないぞ!俺様が仮眠したからって帰るんじゃない!」
「そのまま寝ていたら良かったのに。もう楽に死なせてあげられないよ?」
「目が覚めたから、もう俺様は負けないからな!」
俺様は両腕を広げて身体を捻り、
そして炎を噴き出しながら竜巻を起こし、広がっていく。
「火災旋風!」
燃え広がる炎に韓湘子は近寄れずにいた。
「紅孩児君、君凄いよ!」
韓湘子は飛び退き、そして叫ぶ。
「曹国舅!壁を開けてよ!僕には無理みたいだよ。彼らは甘くなかったから!」
すると閉ざされていた壁が消えて、韓湘子はその場から消えたのだ。
「あれ?俺様勝ったのか?消化不良だ」
最後まで戦いたかったけれど韓湘子は戦線離脱し、俺様もそこで膝から力が抜けて倒れた。
俺様達を閉ざしている壁を作り出しているのは曹国舅。
そいつは今、法子達と戦っていた。
次回予告
法子、孫悟空、玉龍に太白金星は曹国舅、韓湘子を相手に戦っていた。勝負の行方は?
法子「私に任せなさい!」




