麗華!命を懸けた真意・・・
法子は麗華の記憶と重なり、知ったのは?
私は法子
「ハァ、ハァ、ハァ」
私は麗華さんの記憶の中にいて、まるで同一人物のような感覚でその人生を体感していたの。
あのまま彼女の記憶にいたら、私が私でいられなくなっていたわ。
もしかして孫悟空も?
それで記憶を過去の美猴王のまま孫悟空の生が無かったように思わせて?
でも、何故私は戻って来れたの?
自我が強かったからかな?
私って凄い娘なのね?
改めて感心するわ。
「麗華さん、貴女の気持ちは分からなくはない。本当に辛い体験をして、孫悟空と別れたのよね。でも、待って欲しい。私は貴女の記憶の中にいて、知ってしまったから・・・」
それはカミシニとして甦らせた黒幕の存在。
その者が世界を滅ぼしかねない恐ろしい計画を立てていた事を聞いてしまったの。
その目的とは、
「この世界から神を絶滅させる!」
私は麗華さんとして黒幕の陰謀を聞かされ、そして蛇神族が地上界に現れた事や、覇王エデンの復活にまで関与していた事を知ってしまったの。
「そんな事は絶対にさせないわ!」
けれど麗華さんは無言だった。
「?」
すると私の目の前で思いもよらない事が起きたの。
それは私の目の前で麗華さんが崩れ落ちるように倒れたのだから。
そして、その背後に何者かが立っていた。
顔が闇に隠れた黒装束の男?
同時に私はその者が黒幕だと、麗華さんの記憶から直ぐに理解した。
「余計な事をしおって、何のつもりだ?麗華よ?この私の計画が筒抜けにするつもりか?愚か者め!」
「えっ?」
ソレってどういう意味なの?
「孫悟空を腑抜けにする手頃な駒として置いておったが使えぬ駒は必要ない。お前は処分させて貰おう」
そして掌を麗華さんに向けた時、
「ぬっ?」
黒幕の腕が方向を変えて、放たれた力が床を粉々にしたの。
「ちょっと待ってちょうだいよ!あんた突然現れて好き勝手しないでよ!私が完全に蚊帳の外よ!」
私は如意神向を黒幕に向けて、その腕の軌道を変えたの。
「理を変える神具か?この世界非ざる異なる世界の者よ!オマエの存在はこの世界を転じる作用をもたらすゆえに手を出さずにいたが、我が道を妨げるならば、お前から消す事にしよう」
すると黒幕は私に向けて力を発したの。
それは空間を歪ますような念力。
「ちょっ!ちょっと、待ちなさいよ!」
私は如意神向で念力を発散させて身を守るも、その力は私を押し込んで来る。
「嘘?如意神向でも耐えられないなんて反則じゃないの?こんちくしょ〜!」
私も負けじと力を込めるけれど、
「この世界より存在を否定する!」
「えっ?」
それは強力な言魂だった。
言葉の重みが私の力を無効化させて、徐々に迫って来たの。
「きゃあああああ!」
黒幕の放った力は私のいた場所を完全に消滅させ、その場には何も残らない。
「跡形もなく消滅したか」
が、黒幕は気付いたの。
その視線の先が金色のオーラによって守られている事に。
「ウヌら!?」
そして万事休すかと思っていた私も、私が生きていた事に驚きつつも、その先で私を守ってくれた者達に気付いたの。
「法子さん!」
それは金色の魔眼を覚醒させた沙悟浄の姿と、そして!
「そ、孫悟空なの?」
同じく金色の魔眼が覚醒した孫悟空が私を守った事に気付いたの。
「な、何だ?俺様は?どうしてこの娘を守ったのだ?俺様は何故?」
孫悟空は無意識に私を救った事に困惑していたの。
そう、まだ記憶は失われたままだったのに。
「孫悟空、あ奴の記憶は上書きしたはず?何故、あの小娘を守った?」
すると倒れていた麗華さんが答えたの。
「例え記憶は消せたとしても、魂に刻まれた強い思いは消えたりはしないわ」
「何だと?」
すると麗華さんは腕を伸ばすと黒幕の懐から石らしき何かを抜いて、私に向けて投げたの。
私はキャッチすると、それを見て
「これは何なの?」
「そこには孫悟空の記憶が封じられているわ!それを破壊して!」
「えっ?」
れ、麗華さん?それって?
それは麗華さんの記憶の中に出た記憶を消す霊石だった。
私は彼女の言葉を信じて手にした宝玉を手刀でかち割ったの。
砕けると同時に閃光が放たれ、その場にいた孫悟空が突然叫び出したの。
流れ込む記憶の逆流。
「そ、孫悟空?」
すると孫悟空は片腕をあげて拳を握る。
「お、俺様は、孫悟空様だぁー!」
も、元に戻ったの?本当に?
すると孫悟空は麗華さんに向かって駆け出していた。
「麗華ぁああああ!」
けれど、その目の前で黒幕は麗華さんに向けて呟いたの。
「愚かな失敗作は処分する」
「!!」
すると麗華さんの身体が足下から徐々に崩壊し始めたの。
「お前達に与えた命は私の意でいつでも無に戻せると伝えたはずだぞ?用済みだ」
すると麗華さんは私と孫悟空に向けて眼差しを向けると、最期に美猴王(孫悟空)の名を呼ぶと、その身体が私達の目の前から消滅して消えた。
「び、美猴王・・・」
「ウォおおおおおおお!」
麗華さんの真意は私を通して孫悟空に危険を告げるためだったと言うの?
命を懸けてまで?
麗華さんの最期を目の当たりにした孫悟空は烈火の如き怒りの感情を爆発させると、金色の魔眼が強烈な光を放ち黒幕に向かって突進すると、その拳を振り上げたの。
「金色の魔眼は脅威では有るな。その為に私は禁忌の神喰の血を持つ者達を用意したのだよ」
黒幕は微動だにせず、孫悟空の拳は間に割り込んだ者の交差した剣で受け止められたの。
「我が主に手を出す事は許しません」
そして剣を振り払うと孫悟空が力負けして弾き返されたの。
「邪魔すんなぁ!ソイツは俺様がこの拳で片付ける!」
「主に手を出す事は、このサクヤ龍王が許しません。私が相手致しましょう」
さ、サクヤ龍王?
私と孫悟空、沙悟浄の前に現れた新たなカミシニが立ち塞がったの。
そんなこんな。
次回予告
麗華の死は孫悟空に危険を告げるためだった。
そして怒れる孫悟空の前に立ち塞がるは蛟魔王を倒したサクヤ龍王。
法子「麗華さん・・・私」




