困惑、それ反則よ!孫悟空が敵?
孫悟空を救いに来たはずが、まさか孫悟空が法子と沙悟浄の前に?
私は法子
私と沙悟浄は麗華さんの分身と戦っていたの。
倒しても倒しても増えてくる麗華さんを倒さないと、目の前に見える塔の中にいる孫悟空を救い出せないから。
きっと自力で出て来られないはず。
けれど私達の目の前に孫悟空が塔から出て来たの。
けれど私達は見当違いしていたわ。
孫悟空を拉致した理由。
それは孫悟空を手に入れるためだったのね!
それ反則よ~
塔から出てきた孫悟空は私と沙悟浄の呼び掛けに対して無関心だった。
それどころか、敵意を感じる。
「孫悟空ぅーーーー!」
そうじゃなきゃ、私の呼びかけに無視するようなお供に育てたつもりはないわ!
もしかして?本当に私達の事を忘れてしまったの?
ねぇ?孫悟空!
「法子さん、危ない!」
「!!」
直後、孫悟空が飛び出して来て、如意棒を私目掛けて振り下ろして来た事に言葉を失ったの。
「さけませーん!」
寸前で飛び出した沙悟浄が両掌に気の壁を作って防御したの。
「さ、沙悟浄!」
「大丈夫です。法子さんは私が守ります!そして孫悟空兄貴も元に戻してみせます!」
沙悟浄もまた成長していた。
今の孫悟空の踏み込みの接近に合わせて防御したのだから。
「カミシニでないなら私の術も有効です。何とか孫悟空兄貴の動きを止めて、我に返って貰いますね!」
沙悟浄は防御の盾に気を込めると、閃光が放たれて孫悟空の目を眩ませる。
「うっ!?」
その隙を見て私がその場から飛び退くと、沙悟浄が印を結び直して地面に掌を置く。
すると地面が盛り上がって孫悟空の身体を覆い閉じ込めたの。
「俺様を舐めるなよ!」
しかし孫悟空は中から破壊して抜け出すと、その身が分かれて増えていく。
「ぶ、分身ですか!なら、私も!」
沙悟浄は孫悟空に対抗して印を結び変えると、身体から泡が噴き出していく。
「水術・泡分身!」
泡は沙悟浄の姿へと変わり、孫悟空の分身に向かって飛び掛かっていく。
「降魔の宝杖」
そして孫悟空の如意棒に対して沙悟浄の神具・降魔の宝杖を振り下ろして攻撃する。
二人は衝突すると沙悟浄が力負けして膝を付いたの。
私の目の前で孫悟空と沙悟浄が戦っている。
こんなの駄目よ!
沙悟浄の分身は孫悟空の百体の分身に討ち消され、その猛襲に沙悟浄は圧倒されて徐々に追い込まれていく。
「孫悟空兄貴、本気だ。本気で私に攻撃している。手加減していたら(殺されてしまいます)。今は孫悟空兄貴に元に戻って貰う事が先決。そのためにも!」
すると沙悟浄が本気になったの。
両掌を合掌させて気を練る。
「孫悟空兄貴!不本意ですけど、私の本気をお見せします!絶対に死なないでくださいね!」
沙悟浄の神気が高まっていく。
「観音変化唯我独尊!千手印」
すると沙悟浄の衣が輝き菩薩の神衣へと変わり、背後には左右二十の四十本の光の腕が出現したの。
「千手の掌打」
打ち出された掌打は一本の腕から二十五の打撃。
分身達は打ち消され、本体の孫悟空は両腕を交差した受け身と同時に弾き飛ばされたの。
「うぐぅああああ!」
けれど孫悟空は身を回転させて着地すると、如意棒を回転させて迎え討つ。
「俺様を誰だと思っている?地上界を支配する天下の美猴王様だ!」
沙悟浄の繰り出す触打を如意棒で受け止め、軌道を弾かせ、突っ込む。
「無鉄砲な戦い方は変わりないですが、恐らく孫悟空兄貴は私の知る孫悟空兄貴じゃない。嘗ての美猴王の戦い方?」
沙悟浄は孫悟空の動きを見据えると、接近する孫悟空の伸ばした如意棒を眼前紙一重で躱したの。
「私は孫悟空兄貴の戦いをずっと傍で見てきました。だから孫悟空兄貴の動きが手に取るように分かります」
「てめぇが何を言ってるか知らねぇが、つまりお前は俺様のストーカーだな?気持ち悪い!」
孫悟空もまた院を結び、唱える。
「獣神変化唯我独尊!」
すると孫悟空の姿が変わる。
金色の猿神の鎧を纏い、その妖気が一気に膨れ上がったの。
「殺してやるから覚悟しろ?」
「私は死にません。そして絶対に孫悟空兄貴を取り戻します!」
孫悟空の動きは先程とは違い、格段のスピードと、パワーを持って沙悟浄から繰り出される掌打を弾き消す。
「うっ!」
沙悟浄はそれでも孫悟空を接近されないように遠距離攻撃を続ける。
「分かるぜ?お前自身が合わせてる掌が力の源なのだろ?合掌が出来なくなれば、この厄介な腕は全て消える」
「!!」
沙悟浄は孫悟空の戦場時での分析眼に驚きつつも納得する。
「さすが孫悟空兄貴、正解ですよ!」
「なら、その腕を破壊してやればお前は終わりだよ!」
殺気が溢れたと同時に、沙悟浄の眼前に孫悟空が間合いに入り合掌した腕に如意棒を振り下ろす。
「けれど私も一筋縄には負けられませんですから!」
「!!」
沙悟浄の光の腕が振り下ろされた如意棒を白羽取りで止め、そして他の腕が如意棒を掴み押さえつける。
「狙い先が分かっていれば対処法だって考えていますよ!」
「そうか?なら残念だな?」
「!!」
孫悟空は如意棒を簡単に手離すと、目の前の沙悟浄を蹴り倒したの。
「お前の手数を減らせて、油断させれば隙が出来ると思っていたぜ」
そして孫悟空は倒れた沙悟浄に飛び掛かり殴りかかったの。
「本当に孫悟空兄貴は私の考えの斜め横の戦いしますよね?けど、私は負けるわけにはいかないのですよ!」
沙悟浄は合掌を手離し、そして迫る孫悟空の拳を躱す。
孫悟空も沙悟浄のしぶとさに意表を突かれる。
すかさず私が手助けしようとした時、沙悟浄は私に向かって叫んだの。
「法子さん!今のうちです!孫悟空兄貴は私が足止めします。だから今のうちに塔の中へ」
「塔の中?」
「はい!恐らく孫悟空兄貴の記憶は何らかの術を使って封じ込められていると思われます。そして塔の中にその術道具があれば!」
「破壊すれば孫悟空の記憶が戻るわけね?」
沙悟浄、分かったわ。
孫悟空の事は任せるからね?
だったら私は私の戦いに出るから!
私の視線は例の塔に向けられていた。
「孫悟空を元に戻す手段、麗華さんに直接聞いてくるわ」
沙悟浄は頷くと、私も頷き、その足は塔に向かって駆け出していたの。
そして単身、私は塔の中へと入ったの。
が孫悟空を取り戻すわ!
そんなこんな。
次回予告
孫悟空を元に戻すために塔の中に侵入した法子。
その前には麗華が再び立ち塞がる。
法子「正直、麗華さんとは戦いたくないわ・・・」




