麗華麗華麗華麗華麗華!
麗華は孫悟空の記憶を消そうとしていた。
法子と沙悟浄は止められるのか?
私は法子!
私と沙悟浄は狭い部屋から飛び出して外に出ると、
警戒しながら鬼人化した麗華さんを前にして構えていたの。
「沙悟浄、油断は駄目よ!」
「分かっています!」
カミシニ相手に術は通用しない。
聞いた話によると沙悟浄は蛇神族との戦いで数万の術を扱えるらしいの。
けれどその殆どがカミシニには通用しないなんて宝の持ち腐れよ〜
同時に使い者にならないの?
「私にお任せください!」
「何するの?」
「術は無効でも物理攻撃は通用するのですよね?だからこうするのです!」
沙悟浄は印を結び地面に手を当てると、
「土葬封鎖!」
地面が盛り上がり、麗華さんを四方八方から覆うように閉じ込めたの。
「厚い層の中に閉じ込めました!そうそう簡単には抜け出せませんよ〜」
が、私達の目の前で亀裂が入る。
「嘘?」
そして粉々に粉砕して出て来たの。
「私と美猴王の邪魔は誰にも出来ないわ。貴女達に手を出すつもりはなかったけれど、放って置いてくれないのなら仕方ないわ。私のこの力で排除するわ!」
鬼人化にカミシニの能力が加わり、尋常じゃない怪力を持ったのだわ。
「大丈夫!考えていますよ!」
沙悟浄は懐から何かを取り出すと、指先に引っ掛けながら光る何かを蜘蛛の糸のように四方八方に飛ばす。
「あれは霊糸?」
霊糸とは霊気を込めた糸で、なかなか切れなくて頑丈なの。
「ただの霊糸じゃないです。私が編み編みした特製の糸ですから〜」
そして糸を自在に操り、一気に引っ張り出すと麗華さんに絡み付き縛り上げる。
「うっ!」
恐らくワイヤー以上の強度だわ。
それにしても沙悟浄、器用ね?
糸の使い方とか?
いつの間に覚えたのかしら?
「私は肉弾戦は不得意ですから、私なりに考えて対策を練っていたのですよ〜。普段から裁縫は得意でしたし、私には合った戦い方です!」
趣味の裁縫を戦闘に応用するなんて?
そして指先を駆使して糸が絡み合い、麗華さんの身体を締め付け岩に縛りあげたの。
「うぐが!」
麗華さんは力を込めるけれど糸は更にキツく締まっていく。
「そうそう簡単には切れませんよ〜」
「上手く拘束出来たわ!今のうちに孫悟空を探すわよ!」
「はい!」
私達は沙悟浄が地面に掌を付けると、この村の一帯に千里眼を広げる。
微かに孫悟空の気を探知する。
「いました!右前方、1.2キロ!」
「了解よ!行くわよ!」
私と沙悟浄は飛び出すように、その方角に向かって駆け出していた。
そして到着したその場所には、鮮血に覆われた塔が聳え立っていたの。
「この塔の中から孫悟空兄貴の気が微かに感じ取れます」
「他に怪しい所はないようだしね?あ、でもビンゴぽいわ」
見ると鮮血の塔の入り口から何かが出て来たの。
それは、えっ?嘘?
それは鬼人!
塔の中から現れたのは麗華さん達?
数十人の麗華さんが出てきたの。
「やっぱりさっきの麗華さんは本体じゃなかったみたいですね〜」
「確かに呆気なく拘束出来たから変とは思っていたけど、あんなに現れるなんて思っていなかったわ」
そして私と沙悟浄に向かって襲い掛かって来たの。
「受けて立つわよ!沙悟浄」
「ハイです!」
私は龍神の錫杖で突き出された爪を受け止め、沙悟浄も先程と同じく術を行使して印を結ぶと、地割れが起きて向かって来た麗華さんの分身達が落下していく。
「私も負けないわよ!」
すると龍神の錫杖の形が変わっていき、私の神具・如意神向になる。
「えぃやぁー!」
私は振り回すと、群がる麗華さんの分身達を撥ね飛ばす。
一体一体の力は大した事なさそうだわ?
どうやら私でも何とかなりそう。
もとから力が弱いから?
きっと違うわね。
嫌な感じがするわ。
まるで!
「時間稼ぎされているのね!」
あの塔の中で何かしている。
その時間稼ぎに違いない。
そして考えられる事は、一つしかない。
それは麗華さん自身が言っていたわ。
「孫悟空の記憶を消しているの?今?」
私と沙悟浄は塔に急ごうとするけれど、入り口からぞろぞろと新たな麗華さんの分身達が出現して来たの。
「待っていなさい!孫悟空!必ず私が取り戻してあげるから!」
そしてその時、この塔の中では孫悟空が意識なく眠っていた。
深い眠りの中の記憶の中にいた。
そんな孫悟空の身体を抱きしめる麗華さんは、私達の接近を阻みながら時を待っていたの。
「もう直、全てが消えて新たな貴方が現れるのよ?私だけの美猴王がね」
私達は間に合うのかしら?
そんなこんな。
次回予告
法子と沙悟浄の前に麗華の分身が迫る中、そこに現れたのは?
法子「えっ?誰よ?そこまで言ったなら、最後までいいなさいよ」




