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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生封神血縁編!
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美猴王回帰迷宮?

法子と沙悟浄が麗華と遭遇していた時、


その渦中の孫悟空は?


俺様は誰だ・・・?


俺様は、美猴王だよな?

そうだ、俺様は美猴王だ。


俺様は思い出していた。

俺様は水廉洞闘賊団の首領として、牛角魔王、蛟魔王、獅駄王と地上権制覇の旅をしていたのだ。そこで戦闘中に崖から落下し、俺様は人間の女である麗華と出会った。


人間のくせに、女のくせに、妖怪である俺様に臆する事なく、そして傷付いた身体を看病し癒やしてくれたのだ。


そして俺様は・・・


麗華と恋に落ちた。

妖怪と人間との夫婦関係。

戦闘を繰り返しては戦い続きの俺様にとっては、安息の時だった。

このまま麗華と静かに暮らすのも悪くない。

悪くないのかもしれない。


俺様は黄風魔王率いる魔王軍と交戦中に一人崖下に落下してしまった。

仲間達は俺様が死んだと思っているのだろうか?

それとも探してくれているのか?

牛角魔王も蛟魔王も獅駝王も俺様が巻き込んで俺様が帰らないなんて許さないだろうな〜

それに法子・・・


「ん?今、俺様誰の名前を言った?」



確かに今、俺様は誰かの名前を口に出したはずなのに思い出せないぞ?

気のせいだったのか?

するとそこに麗華が入って来たのだ。


「まだ体調悪いの?」


「大丈夫だ!それより俺様ってどのくらい寝ていたのだ?何か、う〜ん?長い夢を見ていた気分なんだ」


「変な美猴王」


そう言って麗華は俺に近付いて、ヒザの上に座ると、俺様の顔を見ていた。

俺様は麗華の唇に唇を重ね合わせ、そして眠った。


思い出せないのであれば、恐らくは大した事じゃないのだろう。

どうせ夢の話しなのだからな。


この俺様がいる場所は妖怪から身を潜むように崖下の洞窟を抜けた場所にある隠し村であった。他の連中は俺様を妖怪だと知られては恐怖される。

だから俺様は人間の姿で、この村の連中と溶け込み、畑を手伝い耕したりして生活していた。

やがて村の連中も新参者の俺様を受け入れ、

麗華の亭主として和気あいあい出来るようになった。


その夜は村の連中達と集まって酒を飲んでいた。

昼間に運良く鹿が取れたからだ。

この崖下には滅多に肉は取れないから御馳走なのだ。


「いや〜美猴さんのお陰で儂らまで鹿肉にありつけて感謝ですわ〜」


「いつも世話になっているからな?気にするなよ?」


宴は盛り上がり、俺様は酔っていた。

そして、肉をガツガツ食う村人の一人に俺様は笑いながら口走る。


「お前、八戒みたいだな!アハハ」


はっ?

今、誰みたいだと言った?俺様?

そう言えば昼間、怪我をした奴に俺様は似たような事を口走ったような?


「沙悟浄がいれば薬草が手に入るのに」



誰がいれば薬草が?

最近、物忘れがやけに激しい。

特に名前がど忘れする。


しかし名前を口に出すと胸が熱くなる?



何なんだ?

それに、胸騒ぎがして落ち着かない。

俺様はどうなってしまったんだ?




俺様は一人で村を歩いていた。

考え事をしたかったから。


俺様は何かを忘れている?

何を?

それはとても大事な事なのか?

思い出さないといけない事なのか?

今の幸せを失う可能性があっても?

それでも俺様はいても経ってもいられなかったのだ。



俺様は村を見ながら、その足は立ち入り禁止の祠を抜けていた。

まるで足がその方向を知っていたかのように?

何故?この場所に?此処に何があると言うのだ?

俺様の失われた記憶の何かが分かると言うのか?


「!!」


そこには、何もなかった。

行き止まり?

けれど俺様は首を振っていた。


「そんなはずはない!此処には錬体魔王の隠し研究所があったはずだ!あったはずだ!此処で俺様は、俺様は!」


俺様は無意識に口走っていた。

錬体魔王とは何者だ?

俺様はこの場所に来た事があるのか?

いつ?この場所で何があったのだ?


{!!」


一瞬、麗華が涙を流しながら俺様の前から消える姿が浮かんだ。

そこで俺様は!



「クッ!グゥ、ぐわぁああ!」


すると俺様の頭に流れ込むようなイメージがかき混ぜられる感覚に襲われる。

俺様は頭を抱えて急激な頭痛に襲われ悶え苦しむ。

知らない奴(錬体魔王)が俺様から全てを奪っていく。

次々と村の連中を殺して、そして目の前で麗華を・・・


「や、止めろ!あ、あぅ!」



すると俺様は全身に震える感じがして、同時に何かが抜けていく感覚がする。

消えていく記憶が俺様を癒やしていく?

徐々に痛みが消えた頃には気分が楽になっていた。



「ん?俺様は何故、此処に?此処は何処だ?まさか俺様、夢遊病か??」



そして何事も無かったかのように麗華の待つ家に帰ったのだった。





そして立ち去る俺様を離れた場所から見ている人影があった。



「そう。それで良いのよ。


美猴王。


貴方は何も思い出さなくて良いの」



麗華は胸に手を当てて俺様を見ていたのだった。




俺様は次の日、畑仕事を手伝いながら出来た野菜を分けて貰い、また村外れの川から魚を取り、狩りをして猪を取った。

こんな毎日がずっと続けば良い。

もう二度とあのような辛い思いはしたくないから・・・

「!!」

今、俺様は何を考えた?

辛い事とは何だ?

そんな事は本当にあったのか?

思い出せない。

俺様、どうなっちまったんだ?

するとまた視界がボヤけ、俺様は深い眠りに誘い込まれていく。


深く、安息の闇の中へと沈んでいく。



その時、声がした?


「そうよ。そのまま何も考える必要はないわ。貴方は今のまま、何も考えずに私の世界で生き続けましょう。●」


俺様は、もう、何も考えられない。

次回予告


法子は麗華との女の戦いを繰り広げる。



法子「なんか複雑よね・・・私、こういうの苦手よ。

やっぱりシンプルが一番だと思うの」

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