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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王討伐編~真・救世主伝説~
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えっ?須菩提( すぼだい )爺ちゃんの乱入??

孫悟空と美猴王の一騎討ちに割り込んだのは?


かつて太白金星と同じく幼少の美猴王を育てた老仙人であった。


私は法子。

え〜あの老仙人さん誰?


待て待て!法子!

今回は俺様が語らせて貰うぞ。


俺様は孫悟空。


俺様と美猴王との戦いの最中、この戦場に割り込んで来たのは老仙人。

俺様が幼少の猿だった時に拾って養ってくれた仙人なのだ。

名を須菩提祖師 ( すぼだいそし )と言うのだ。


俺様の体術の基本だけは須菩提祖師 ( すぼだいそし )爺ちゃんから学んだと言っても良い。

けどよ?

結局、幼少期の俺様に手が付けられなくて太白の爺ちゃんに厄介払いした頼りない爺ちゃんなのだ。


「爺ちゃん!何故、この状況で出て来るんだよ?命知らずかよ!てか、早く逃げろ!殺されるぞ!」


俺様が叫ぶと、須菩提( すぼだいそし )爺ちゃんは杖をつきながらこっちに近付いて来る。


「ほぇ〜?本当にソックリよのぉ?育て親の儂様でさえ見分けつかんわい」


左右にいる俺様と美猴王を凝視して


「どれ?儂様がどっちが本物か見極めてせんじようかのぉ〜」


なぬ?そんな事が出来るのか?

そんな凄い仙人だったのか?

すると須菩提祖師 ( すぼだいそし )は指をゆっくりと俺様と美猴王を指差した後に唱えたのだ。


「どちらにしようかの?てんのかみさまの言うとおり」


って、何だよ?そりゃ〜!

そして指差したのだ。

しかもその指は二本に分けて俺様と美猴王を指さしていた。


「どっちもどっち〜フォフォフォ」


あ〜何このボケた爺さん?

あんた空気読んで?

マジに何しに来たの??


「誰かと思えば須菩提( すぼだい )の爺じゃねぇか?久しぶりだな?まだ生きてたとは驚いたぜ。で、何しに来た?邪魔しないのなら離れて見ていろよ?今からその偽物を始末するところなんでな?近付くと怪我するぜ?」


美猴王は須菩提( すぼだい )爺ちゃんを無視して俺様に向かって迫って来ると、胸ぐらを掴んで顔面目掛けて拳を打ち込んで来たのだ。


「!!」


が、美猴王の拳は止められたのだ。


それは須菩提( すぼだい )爺ちゃんの細い腕によって?

それは信じられない事だった。


「邪魔すると手加減しねぇよ?今の俺様相手にしたら、死ぬぜ?」


「こりゃ?躾けがなってないのぉ?親の顔が見てみたいわい。はて?育て親は儂の事かの?ホホホ」


「少し痛い目に合う必要があるようだな?死んでも恨むなよ!」


「や、止めろぉー!」


俺様が止めるのを無視して美猴王は須菩提( すぼだい )爺ちゃんに向かって容赦なく手刀を繰り出した。その矛先は喉元だった。

が、強い衝撃が美猴王の手刀の軌道を変えて弾かれ、逆に胸元に衝撃が与えられて吹き飛んだのだ。

壁に衝突する美猴王は信じられない顔付きで自分を弾き飛ばした須菩提( すぼだい )爺ちゃんを見た。


正直、俺様も驚いたもんだ。

けれど間違いない。

俺様も見縊っていた。

須菩提( すぼだい )爺ちゃんは間違いなく強いのだと。



「小倅の躾は育て親の儂様が見るのが当然なんじゃろうな?それが責任じゃ」



すると須菩提( すぼだい )爺ちゃんは両手を合わせて唱えたのだ。


「老神変化唯我独尊」


すると須菩提( すぼだい )爺ちゃんの姿が変わっていく。

枝木のようだったやせ細った身体が屈強の鍛え抜かれた若々しい筋肉が見える。

そしてこの姿こそ須菩提祖師すぼだいそしの真の姿だった。


「久しくこの姿にはなっておらんかったから鈍っておるようだ。けど馬鹿弟子一人ぐらい躾ける程度なら構わんか?」


そして両手を前に構えると、美猴王を相手に挑発する。


「どうやら老い先短い爺が調子に乗ってはしゃいでるようだな?良いぜ?先ずは爺から送ってやるよ?あの世にな!」


美猴王が須菩堤爺ちゃんに襲い掛かると、その拳は弾かれ、胸元に剛拳を当てられ吹き飛ばされたのだ。


「儂様もまだまだイケるでないかい?」



マジかよ??


昔、修行していた頃に太白の爺ちゃんに聞いた事がある。



「なぬ?須菩堤より儂の方で良かったと?何故じゃ?」


「だってよ?あの須菩提( すぼだい )爺ちゃんは何も出来ないただのスケベ爺だぜ?それに比べて太白の爺ちゃんなら沢山の仙闘術を学べるもんな?」


「フォフォフォ。それもこれも須菩堤の奴がお主を仕上げて置いたおかげじゃ。あ奴に感謝せんと駄目だぞぃ?」


「はっ?」


あの頃は意味が分からなかったが、太白の爺ちゃんには戦闘術や変化といった術を学んだが、それもその修行に耐えうる基礎があっての事だった。

俺様は幼少の頃から生活の中で知らず知らずのうちに須菩堤の爺ちゃんに鍛えられていたのだ。

俺様は二人の爺ちゃんに育てられたのか?


「チッ!老いぼれの姿で謀っていたわけか?今の今まで信じてなかったが風の噂で聞いた事がある。釈迦如来直属の戦闘部隊がいるってな。その中にお前の名前があって今の今まで信じてなかったぜ」


美猴王もまた須菩提( すぼだい )爺ちゃんが手加減出来ない相手だと本気を出して構え直す。

まさか本気で殺す気か?


「待て!お前の相手はこの俺様だ!」


俺様は立ち上がろうとすると、頭を杖で叩かれたのだ。


「うグッ!」


直後、全身の力が抜けて身体を押し潰すような重みがのしかかり動けなくなる。


「お主は黙って見とれ?これは儂様の戦いじゃよ」


「!!」


須菩提( すぼだい )爺ちゃんの目は初めて見る真剣な顔つきだった。


その目は覚悟を決めた男の目。

まさか?爺ちゃん?


「うぉおおおおお!」


美猴王の妖気が爆発するかのように膨れ上がると、須菩堤爺ちゃんに襲い掛かる。

その鋭い爪や拳を一発でも受けてしまえばひとたまりもない。


「動きが単純じゃ!」


美猴王の繰り出した剛拳が須菩堤爺ちゃんの顔を直撃したかと思うと、それは残像として消える。そしてその手首を掴まれ曲げられると、自らの拳を顔面に受けて鼻血を出してふらついたのだ。


「歴戦の戦いで培った儂様の仙闘術はお主の力任せの戦いでどうこうなるとは思えんの?」


仙闘術とは仙術と武術を組み合わせた戦法で、相手の力を利用したり、術で翻弄し謀かりながら攻撃を打ち込む。相手を小馬鹿にするような戦術のため天界の武神達には好まれない戦法だが、使い道を思考して使いこなせれば、まさに攻防に秀でた戦い方だ。

そして、この戦いの創始者が須菩堤爺ちゃんなのだ。



「気の量も力も格上の相手を翻弄してやがる?」


ここ最近、真面目な戦いが続いていたから抜けていたが、正統派な戦いをする相手には実に有効なのだ。


「ホッ!ホイ!よっ!」


須菩堤爺ちゃんは美猴王の鋭い攻撃を全て紙一重で躱していた。

動きに何かしてるな?

俺様は須菩堤爺ちゃんの動きを見て気付いたのだ。

常に身体を光速に揺らして立体的な残像を維持し、距離感を掴ませないようにしているのか?


「仙闘術・闘幻鏡とうげんきょう


更に繰り出された拳を躱して、その腕に触れると、


「うぐぅ!?」


美猴王の伸び切った腕に重さがのしかかり、前のめりに倒れる。


「な、爺、何をした?」


「ちょい、お主の気の流れを弄くらせて貰っただけじゃ」


それは僅かに与えた刺激反応。

攻撃の際に脳からの送られた指令を僅かな電気信号として伝え身体を動かす。

そこに似た電流を流して脳と行動に誤作動を起こさせるのだ。

雷系の繊細な技術が必要な操作系の術。

美猴王は須菩提( すぼだい )爺ちゃんに触れられた途端、身体が重くなると言った認識を与えられて動けなくなった。


「じゃが、直ぐに解けるがの?」


言葉通り、美猴王は直ぐに立ち上がり自分自身の身体が動く事をチェックする。


「確かに老人の扱いは面倒だぜ」


攻撃を躱され触れられると操られる。

確かに厄介そうだ。


「なら接近戦をしなきゃ良いだけだぜ!」


美猴王は妖気を両掌に込めて止む事なく連続的に放ったのだ。

しかし仙闘術・闘幻鏡とうげんきょうを駆使して全ての攻撃を躱す須菩提( すぼだい )爺ちゃん。


「当てなきゃ儂様には勝てんぞぃ?」


「そうだな。だから閉じ込めた」


「ぬっ?」


美猴王の放った全ての妖気弾は須菩提( すぼだい )爺ちゃんを囲んで宙に浮いたまま止まっていた。


「逃げ場ないだろ?さて、どうする?」


「どうしようかのぉ?泣いて謝った方が良いか?」


「泣いても許さねぇよ!」


美猴王は両手を組み合わせ掌握すると、浮いていた妖気弾が一斉に須菩提( すぼだい )爺ちゃんを襲う。


「ところが、どっこい!」

「!!」


素早く掌を床に触れると、床が盛り上がって壁を作り妖気弾から身を守ったのだ。そして壁が粉々に砕けると、中より須菩提( すぼだい )爺ちゃんが気を拳に込めて構えていたのだ。


「元祖・華王石拳!」



拳を石化させて飛び出すと、渾身の一撃を美猴王の顎に向けて殴り飛ばしたのだ。


「どうじゃ?愛の拳の味は?」



美猴王は顎を押さえながら須菩提( すぼだい )爺ちゃんを見上げていた。


まさか須菩提( すぼだい )爺ちゃんがこんなに強かったなんて、この俺様も気付かなかったぜ。


しかし美猴王もこのままでは終わりそうにないな。


まだまだ続ぜ!





次回予告


須菩提祖師 ( すぼだいそし )、その正体?

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 俺様と須菩提祖師 ( すぼだいそし )との戦いの最中、この戦場に割り込んで来たのは老仙人。 俺様が幼少の猿だった時に拾って養ってくれた仙人なのだ。 名を須菩提祖師 ( すぼだいそし…
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