孫悟空と美猴王!己を賭けた戦い!?
孫悟空の偽物の正体は本物の美猴王だった。
なら今の孫悟空は?
私は法子
えっ?コレってどう言う状況なの?
私には孫悟空、阿修羅と八怪がいる。
その前には孫悟空の偽物?本物?の美猴王が対峙してる。
更に美猴王には私達と共に蛇神との戦いに協力して友情を誓いあった牛角魔王さん、蛟魔王さん、百獣王さんに鵬魔王が並び立っていたの。
まさに一触即発の中で一歩も動けない状況。
「コレってどういう状況かしら?」
私の問いに蛟魔王さんが答えたの。
「法子、私もこうなるとは思わなかったよ。けれど義兄弟の契りを交わした以上、私らは美猴王につかせてもらうよ」
「そんな殺生な〜冗談よね?」
けれど無言だった。
つまりその無言が本気って事なのね?
沈黙を破ったのは美猴王だった。
「面倒くさい事ははしょろうぜ?俺様とそこの孫悟空の一騎打ちでかたがつく」
すると孫悟空も前に出たの。
「分かりやすくて良いな?流石、俺様のパチもんだ。相手になるぜ!」
えっ?
勝った方が本物って?
そんな安直な選び方でよいわけ?
それでも孫悟空と美猴王の一騎打ちで決着を付けようと言う事になったの。
「単純だろ?」
「そうだな。話が合って嬉しいぜ」
二人は同時に飛び出していた。
拳と拳が衝突し、凄まじい衝撃波がこの宮殿を震わせそれでもる。
私はと言うと、
「蛟魔王さん?」
私達の足下には結界の札が散らばっていて防御壁が張られていたの。
「お産を手伝ってくれた礼だよ」
けれど、これ以上はこの戦いの決着が終わるまで仲良くなれそうにないわね。
「はいはい。見守れば良いのよね?」
孫悟空、必ず勝ってよね?
孫悟空と美猴王の戦いは武闘術から始まり、蹴りや拳のクンフーが交差する。
全てが互角?
互いに両手を組み力勝負すると、同時に頭突きを繰り出したの。
額に血が噴き出しながらも、その瞳は目の前の強敵に笑みを見せていたの。
似た者?本人?分身?
戦い方も戦略も互角だったの。
「やるじゃねぇか?」
「まだ実力の半分も出してねぇぞ」
互いに指を交差させると、その身が分かれて百体の分身を出現させる。
さらに拳を発火させて突き出したの。
「百人一手・火流手」
まるで花火のように分身達の攻撃が衝突しながら弾けて消えていく。
更に孫悟空と美猴王は拳を石化させると、その硬度は金剛石と化す。
「華王石拳」
本体が同時に渾身の拳を衝突させた。
「うぐぅおおおお!」
使える術も体術も同じなの?
二人の戦いを見て阿修羅が呟く。
「確かに孫悟空と同じ魂を感じるよ。あながち偽物とも言えない・・・」
「そうなの?間違いないの?阿修羅」
「探ってみたけど孫悟空と同じ魂なんだよ」
「だから蛟魔王さん達も私達に肩入れ出来ないのね」
そんな時、今まで黙っていた八怪が私に言ったのよ。
「例え同一人物?同一猿だったとしてもらな、これまでオラ達と一緒に戦って来た猿は孫悟空らけら!
それに転生前に分かれたとしても今までの戦歴は孫悟空らけのもんら!」
ソレってそうなのよね。
もし本当に美猴王だった時が同じでも、そこから分かれた生き様は本人だけのもの。
孫悟空としての孫悟空だけの経験と培った力があるの。
八怪、賢くなったわね?
「へへへ!見せてやるぜ?反則とか吐かすなよ?これが俺様の力だ!」
孫悟空は印を結ぶと、
「聖獣変化唯我独尊!四聖獣」
すると青龍、朱雀、玄武、白虎が孫悟空から飛び出して孫悟空と合身する。
「どうだい?まだ殺るか?」
四聖獣の鎧を纏った孫悟空。
四聖獣は孫悟空として転生した後に手に入れた力なの。
その力は絶大!
しかし美猴王は指を左右に動かして孫悟空に向けて鼻をほじくる。
それでも余裕を見せる美猴王に孫悟空は甘く見ていた。
「ソレ舐めるのか?それとも俺様ナメてるのか?」
「本来なら四聖獣は俺様が手に入れるはずだった。だから代わりに別の力を手に入れたんだぜ?見せてやるぜ!」
直後、美猴王の身体から異様な力が発したかと思うと、四つの影が飛び出したの。
それってば孫悟空と同じ聖獣?
いえ、その獣は禍々しい障気を発する化け物だったの。
「コイツらは俺様の可愛い連中だぜ?お前が持つ聖獣と同等、それ以上のな!」
「聖獣変化唯我独尊・四凶」
大犬の渾沌・羊身人面の饕餮・
翼のある虎は窮奇・人面虎足、猪の牙がある檮杌
それは聖なる四聖獣と拮抗する四凶と呼ばれる災いの獣達だった。
四凶を纏った美猴王から発する覇気が逆に孫悟空を怯ませたの。
邪悪な化身となった美猴王の威圧感に孫悟空の聖獣の力は拮抗していた。
互いの最強状態での戦闘が繰り広げられると、その影響も激しくなる。
「応龍の防御壁」
蛟魔王さんが結界を強めたの。
「ウォおおおお!」
「りゃああああ!」
その一撃一撃は強力かつ破壊力は互角。
けれど次第に孫悟空が押され始める。
「ウォリアア!」
美猴王の拳が孫悟空を殴り飛ばしたの。
「孫悟空!」
心配する私に阿修羅が頷く。
助けに入るか?それとも?
もし助けに入れば蛟魔王さん達とも交戦状態になる事は必須。
それは今はまだ避けたいの。
信じるしかないの?
「俺様とお前との力の差は何だと思う?それは本物か偽物かって事だよ!」
美猴王の蹴りが孫悟空の腹部に直撃し、更に叩き落とすように後頭部を殴りつけた。
そして倒れ込む孫悟空を踏み付ける。
「このまま踏み潰すか?孫悟空」
「な、舐めるな!」
孫悟空は倒れながら覇気を放って脱出すると、転げながら立ち上がろうとする。
しかしまだ、ふらついていた。
「いい加減諦めろよ?いや?諦め悪いのが俺様だったな。なら後悔なく俺様が終わらせてやる。お前の人生は俺様が引き継いでやるから安心しろ」
その言葉には殺意が満ちていた。
「孫悟空。お前の人生はここで終わりだ!後腐れなくな!」
美猴王が立ち上がったばかりの孫悟空に向かって飛び込むと、その手刀が心臓目掛けて突き出される。
孫悟空の胸に手刀が触れようとした時、私達は誰一人動けなかった。
そして孫悟空も防御が間に合わないと覚悟した時、その手刀は空を切ったの?
「!!」
すると孫悟空の姿が幻影の如く消えて、私達のもとで倒れていた。
「孫悟空!大丈夫なの?」
孫悟空が突如消えた事で美猴王は警戒していた。
「誰だぁ!邪魔した野郎は?出て来やがれぇー!ふざけんな、コラァー!」
寸前で邪魔された美猴王は完全にブチ切れていたの。
そして気配を探り、
「そこかぁー!」
扉の影に妖気弾を放ったの。
しかしその妖気弾は軌道を変えて天井に衝突して弾けた。
そして扉の前から人影が姿を現したの。
「フォッフオッフォッ。小生意気な小猿が多少成長しても、全然変わってないのぉ?太白の奴が別件で来れんようだから隠居生活しておった儂様が登場じゃじゃ〜ん!」
えっ?誰?あの老人?
何者なの?
とりあえず次話で分かるかしら?
そんなこんな。
次回予告
孫悟空を寸前で助けた老人の正体は何者なのか?
太白金星仙人とも美猴王とも関わりあるようだが?




