新設龍神界?蛟魔王の危機に法子パニック!
ナタクの屋敷で女子会を開いていた法子。
そこに玉龍が現れて告げたのは?
ど〜も法子です。
今、私達大変な事になってます。
実はナタクの屋敷にお世話になっていたのですが、そこに龍神界の復興の手伝いに行っていた玉龍君が血相変えて私達に助けを求めて来たの。
八怪と私、孫悟空は送られて来た伝書を読みながら心配してたの。
「龍神界は今、蛟魔王はんが長になっているんらよな?」
「そのはずだけど。緊急って事だけど何かあったのかな?まさか襲撃にあってるとか?それで私達に助けを?」
「龍神達に喧嘩売るような連中いないだろ?」
そこに準備をしていた阿修羅と鉄扇ちゃんが部屋に入って来る。
「待たせたね?」
「龍神界へのルートが開いたようよ」
沙悟浄と玉龍君が私達のいる天界から龍神界へのゲートを繋げていてくれたの。
沙悟浄は転移術を習得していて、玉龍君の気と同じ龍神族の気を探り、新しい土地を見つけてくれたの。
「後はこうやって、こうですかね?それからこうやって〜」
沙悟浄は石柱でゲートを作り、その中心に玉龍君から貰った龍の鱗を置く。
すると魔法陣が開いて空間が歪むと?
「出・来・ま・し・た」
沙悟浄は父親であった捲簾さんの知識を与えられたらしく、
その膨大な術の数々から転移装置を作り出したの。
「ご苦労さま。沙悟浄。なら皆?何が起きてるか分からないけど、行くわよ」
「お〜!」
待っていて!
蛟魔王さん?私達が着くまで堪えてね!
転移はあっという間だった。
そこは新たな龍神界。
地上界とも天井界とも違う空間に結界を張り、宙に浮いた大陸の上にあったの。
龍神界は蛇神との激しい戦いで三割くらいしか生存出来なかったとの事だけど、確実に再興に向けて動き出していた。
「でも変ね?誰かに襲われてるようにも見えないわ?」
私はキョロキョロして見ると、私達が着いた事に気付いて迎えに来た万聖龍王さんが駆け付けて来てくれたの。
「よ、よく来てくれたな?早速で悪いのだけど、直ぐに来てくれ!乙姫さんが大変なんだ!緊急事態なんだよ!」
「えっ!?」
その慌てぶりは尋常じゃなかった。
一体、蛟魔王さんに何が?
私達は慌てて新たな龍宮伝に入ったの。
まだ建築中だけど、手の凝った金や紅の彩色の建造物。
至る場所に龍の刻印。
沙悟浄じゃないけど良い仕事していると思うわ?
本当に。
そして王の間に入り込むと、そこに蛟魔王さんが横たわっていたの。
えっ?蛟魔王さん??
すると弱りきっている蛟魔王さんは私達を見て告げたの。
てか、命じたの??
「法子と鉄扇以外は外に出よ!」
えっ?
「早くしろ!殺されたいか?」
その威圧感に私と鉄扇ちゃん以外は意味も分からずに部屋の外へ出て行く。
蛟魔王さんに何が起きているかと聞こうとした時に私と鉄扇ちゃんの腕を掴み言ったの。
「えっ?そんな!無理よ!」
私と鉄扇ちゃんは青褪めて逃げようとすると、首に縄をかけられて捕まったの。
「逃しはしないよ?お前達に任せたい。本当なら白骨乙女にも頼みたかったのだがな。残念だよ」
白骨乙女さん・・・
蛇神との戦争で命を落とした私達の仲間。
その魂は愛する錬体魔王さんと一緒に蛇神との戦いの後、手厚く私自ら念仏を唱えて成仏させたの。
もし私に孫悟空達を救った力があの時あったならば助けられたかもしれない。
するも蛟魔王さんは言ったの。
「時の呪法は禁忌。誤れば世界を無へと返す恐ろしき力。用意に使われては困るのだよ」
「そ、そうなのね?」
「しかもお前のは特別の力」
「えっ?」
蛟魔王さんが説明するには、白澤さんが私に使った時の呪法と私の時の呪法は似て非なるって事。
白澤さんは自分自身の一生分の時を使い、私が生きている時間まで時を戻したの。
つまり命を代償にして私を救ってくれたのよ。
けれど私は何の代償も支払わずに三人の時を戻したようなの。
これから先に私に?世界に何が起きるか予測不可能だとか。
それもあって帝釈天は私から時の呪法の使い方のみ記憶を消し去ったらしいの。
「下手をしたら世界がお前の手で消えていたのかもな?」
「ひぇ〜」
「それよりも任せて良いな?」
「う、うん」
さて、私と鉄扇ちゃんに与えられた頼みと言うのはね?
あぅ〜恥ずかしくて言えないわ〜!
でも、言う!
「ところで蛟魔王さん?お相手はやっぱり?」
「そうだよ。浦島だよ」
浦島ってのは万聖龍王さんの人間だった時の名前らしいの。
ん?蛟魔王さんは乙姫さんよね?
つ・ま・り!?
浦島太郎と乙姫さんなの?
まさかとは思っていたけれど、西遊記に浦島太郎の物語が現実に?
てか私がいる世界って物語の中にいるの?
そう考えると辻褄が合うかもしれない。
神様とか妖怪とか有り得ない事はないのだけど、
私がこの世界に来てからのスケールの大きさはハンパないわ。
「けど、今私の目の前で起きてる事態は今までの戦いなんて比じゃないわ」
既に陣痛は始まり、浄化の結界の中で私と鉄扇ちゃんはアタフタしながら蛟魔王さんの出産に立ち合っていたの。つまりお産よ!
「温かいお湯は?」
「あるわよ!えっと綺麗な布は?」
「こっちにあるわ」
鉄扇ちゃんは過去にお産に立ち合った事があるらしく手順を知っていてくれたのは本当に助かった。
「蝎子精から教わった事があるけど、実践は初めてなんだからね」
「それでも助かるわ!」
私達は協力しながら頑張ったの。
すると蛟魔王さんの龍気が消耗しながら力が抜けていくのが分かった。
「蛟魔王さん?ヒーヒーふぅ〜よ?ヒーヒーふぅ〜」
出産の呼吸法は現代流よ?
それから私達の戦いは始まった。
時間の流れが分からない。
一分が何時間のように感じられたの。
部屋の外では孫悟空達が今か今かと待っていたが、待ち続けてウトウトしようとした時、ついに!
「ホギャアアア!」
産声が龍神界に響いたの。
「う、産まれた!!」
私と鉄扇ちゃんはヘトヘトになって座り込むと、今あった事を思い出していた。
まさか蛟魔王さんの身体から卵が出てきて、割れたと思ったら赤ちゃん登場って本当に驚きだったわ。
しかも、5個も!!!!
最初に産まれたのは四ツ子だった。
そして遅れて卵が割れて末っ子が産まれたの。
四ツ子は男の子で、末っ子は女の子だった。
「いずれ私の子達が新たな龍神界を背負ってくれるだろうよ」
私と鉄扇ちゃんは本当に感動していた。
疲れが吹っ飛ぶくらいに。
そして蛟魔王さんは教えてくれたの。
末っ子の女の子は黄龍王様の転生した姿なのだと。
えっと、黄龍王って、つまり玉龍君の双子よね?
そして四ツ子達は新たな四海龍王の候補として育てられるとの事。
「これで龍神会も安泰だな。お前たちのお陰だよ?法子に鉄扇」
私と鉄扇ちゃんは顔を見合わせ照れて見せたの。
「ぉおおお乙姫さぁ〜ん!!!」
そこに部屋に飛び込んで来た万聖龍王さんが泣きじゃくりながら我が子を愛おしく愛でていたの。
そして後から入って来た孫悟空達は赤子達を見ながら騒いでいた。
「赤ん坊って猿みたいだな?」
「も〜う!静かにしなさいよ」
私が叱ると、孫悟空が呟いたの。
「それにしても、いつの間に仕込んだんだよ?」
「へっ?」
その言葉に私は赤面してしまった。
わ、私にはまだ早いわね。
う、うん。
因みに龍神族は十二か月じゃなくて一ヶ月くらいで・・・らしいです。
そんなこんな。
次回予告
無事に生まれた龍神の赤ちゃん。
その頃、二郎真君は天界の宝物庫で天竺について調べていた。




