光と闇?虚無の零!命を繋げ!!
阿修羅に託された最後のチャンス!
阿修羅は覇王エデンを本当に倒せるのか?
僕は阿修羅
複雑な気分が付き纏う。
帝釈天。
天界の最高神。
それが何故、僕の手助けをする?
そして何故あの世界にあった闇のリングを持っていた?
あのリングを手にして消えたのはウルスラグナのはず?
そんな僕の迷いを帝釈天は見抜き僕に向かって答えたのだ。
「私が手を貸すのは世界が滅亡の危機にもかかわらず、諦めず戦い祈る地上に生きる者達への敬意。差し伸べたのは未来を残すためだ!」
その言葉に僕は納得するしかなかった。
今は余計な事を考える余地はない。
エデンを倒す!
僕は光と闇のリングを握りしめる。
覇王エデンを倒す手段はこう。
今、四天王達がその聖天と呼ばれる力で強力な結界を張り続けていた。
「良いか?世界を引き離す!」
四天王のリーダー格である毘沙門天が命じると、他の四天王達が頷く。
世界を引き離す?
それはどう言う意味なんだ?
すると遠く離れた四天王達は掌を合わせて唱え始めたのだ。
毘沙門天の真言を唱えると、
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・バヤベイ・ソワカ」
持国天、増長天、広目天が続く。
「ナウマク・サマンダ・ボダナン・オン・ダリタラシタラ・ララ・ハラマダナ・ソワカ」
「ナウマク・サマンダ・ビロダキャヤキシャ・ヂハタエイ・ソワカ」
「オン・ビロハタシャ・ナガヂハタエイ・ソワカ」
広がる結界は徐々にエデンを覆っていく。
しかし何なのだ?あの巨大な結界は?
大陸一つを覆う程の強力な結界を四人だけで張るなんて桁違いだ!
しかもその結界は異常な力を感じる?
聖天の力と言っていたか?
あの金色に光り輝く力はまるで、そう。
僕達が使う金色の魔眼発動時に身体から湧き出す黄金の神気と類似しているように感じられた。
「聖天の壁連気」
すると大地が揺れ動く。
地震?
大陸程の巨大な結界がエデンを地表から持ち上げ始めたのだ。
降り注ぐ瓦礫や岩石、大木。
地形が崩壊していく。
「気を抜くな!阿修羅よ!」
「!!」
帝釈天の声に僕はリングに集中する。
光と闇のリングを一つにした時、その力は虚無を呼ぶ。
その力でエデンを虚無の監獄に幽閉する!
光のアフラ・マズラと闇のアンラ・マンユが世界滅亡の時に残した遺産。
僕は右手に光のリングを握り、左手で闇のリングを握る。
そして光と闇の力を同時に体内でチャクラとともに廻らせる。
「カァアアアア!」
注がれた力はリングと共鳴して、その数何倍の力を逆流させてくる。
そしてリングを掴みながら掌を合わせた。
創造、分離、混合。
生み出して、破壊し、一つとなる。
「光と闇を一つに虚無と成す」
合わせた掌を中心に光と闇の気が飛散して、膨大な力が溢れた。
「こ、この力を制御しきれるか?身体が吹き飛びそうだ・・・けれど、この力でエデンを倒すまでは意識を消してたまるかぁ!」
僕は阿修羅真言を唱えて意識を高める。
「ノウマク・サマンダ・ボダナン・ラタンラタト・バラン・タン」
僕は込められた光と闇が凝縮した太極の球を手にエデンに向かって飛び出した。
「くっ、天界の者共が地上の蛆虫と力を合わせてワタシをどうこう出来ると本気で考えているのか?」
エデンの持つ無限の力。
ウロボロスの力が更に激しく結界を揺らして破壊を試みていた。
その前に僕が全ての力を打ち込む!
「虚無の零」
融合した力は太極の球体として回転すると、その中心が呼び出したのだ。
虚無の空間を!
その気配にエデンも気付く。
「滅びよ!エデン!!」
僕は凝縮させた虚無の零をエデン目掛けて投げつけた。
「それはまさか?虚無か?愚か者共が手にしてはならない力にまで染めたか!何処まで私の世界を穢すつもりだぁー!」
エデンはウロボロスの力を集中させ僕が放った虚無の零に対抗させ直撃させるが、その力は全て虚無の空間の中へと消えていく。
このままエデンに打ち込む!
が、軌道を変えられたのだ。
「さぁ、せるかぁー!」
僕は逸らされた軌道をコントロールしながらエデンに戻したのだ。
「ば、馬鹿な!?」
軌道が再び代わり命中した虚無は天地程のエデンに消えていき、その中心から虚無の穴が出現した。
渦を巻きながらエデンの身体が吸い込まれ始める。
天地を繋げる程の身体が虚無の穴に引きずり込まれる中で、
「お、おのれぇー!このワタシが寄生虫ごときに敗北などするものかぁ!」
エデンは核を切り離し、そして虚無の穴に消えていく身体から抜け出したのだ。
「ば、馬鹿な!?」
すると虚無の穴は天地を繋げる程のエデンの身体を吸い込ませ消えたのだ。
僕は落胆した。
切り離されたエデンは人の姿こそすれど、無限の力を再び解放させる。
このままでは再びエデンは完全復活してしまう。
もうリングの力は尽きていた。
二度目は無かったのだ。
僕は失敗したのか?
世界を守りきれなかったのか?
僕が諦めかけたその時、地上から飛び出して来た者達がいた。
「諦めるなぁー!阿修羅!」
「オラ達が来たらぞ!」
「私達がついています!」
孫悟空、八怪、沙悟浄?
「でも、リングの力はもう残ってはいない。エデンを倒すにはさっきの力しか叶わないんだ 」
だが、孫悟空達の目は全くと言って良いほど諦めてはいなかった。
「つまり簡単じゃねぇか?」
「そのリングにはオラ達が力を入れてやるらぁー!」
「私達なら出来ます!」
すると三人の魔眼が再び光り輝く。
「オラはこっちら!」
「私はこっちを!」
八怪は闇のリングに、沙悟浄は光のリングに力を注ぎ込む。
「破壊」「創造」
そして、孫悟空はその二つの力を一つに融合させる。
「調和」
三人の解放させた魔眼の力は創造、分離、混合とは同質であった。
しかし三人はもう力尽きていたはず?
どうしてそんな力が残っていたんだ?
孫悟空達は確かに限界だった。
それでも、一人で戦う僕の手助けがしたくて、たった一度飛び出せるだけの力を持って再び戦場に現れたのだ。けれど、それは削っていた。
「八戒?沙悟浄?孫悟空?」
二つのリングに力を注ぐ三人の姿がボヤけていた。
そして魂の力が薄れているのが分かる。
この三人は命を魂の力を魔眼に乗せているのだと気付き、僕は止める。
「止めろ!君達は死ぬ気か」
すると三人は同時に答えた。
「法子ならこうするはずだから」
と・・・
「うぉおおおおおおお!」
「うらぁああああああ!」
「はぁあああああああ!」
高める力がリングを満たすと、孫悟空、八怪わ沙悟浄の魂は消失してその姿が消えていった。
けれど僕はもう振り向かなかった。
三人が命をかけて集めてくれた力を僕は繋げなければならなかったから。
「ありがとう。必ず繋げるから」
今度はミス出来ない。
僕はエデンに向かっていく。
この命の球を手に。
僕の戦いは終わらない。
次回予告
絶望の中に残された光
物語は終わらせない




