孫悟空!怒りと悲しみの一撃!!
孫悟空とエデンの戦い。
その決着!
俺様は孫悟空!
しかも今の俺様は闘戦勝仏!
必ず勝利を掴み取る!
たとえ相手が世界その者だとしてもな!
俺様は覇王エデンを相手に死闘を演じていた。
一瞬の隙が命取り。
極限の戦いだった。
「そろそろ諦めろよ!」
「このワタシの身体に沸いた寄生虫如きが略取などさせん!」
「悪かったな?俺様は強欲なんだぜ?」
話を聞いてるだけでは俺様が悪者?
いやいや!
俺様頑張ってるし〜
俺様とエデンの剣が幾度となく衝突しながら力勝負が始まる。
そこにエデンが念を籠めると大地が盛り上がって来て、背後から俺様に迫って来たのだ。
「うぉおおおお!回転乱撃!」
俺様はエデンの剣を弾き返す勢いで後方から迫る大地を両断すると、粉々になって落下していった。
「小細工は必要ないだろ?それとも俺様にビビっちまったか?」
「減らず口を!」
諦めたのか再び斬り掛かって来たのだ。
「受けてたつぜ!」
だが、その時。
俺様の戦いを見ていた蛟魔王は危惧していた事があったのだ。
それは俺様の身体がいつまで保つかだった。
何故なら俺様は一度倒れていたから。
真蛇王テューポーンとの戦いの後、俺様が倒れた原因が奥義から来る消耗だけではなかったのだ。
俺様は転生する際、阿修羅の魂と一つになって孫悟空として存在出来た。
それが龍神界で阿修羅と分けた事で、俺様の魂が半端になった。
そこに俺様の身体を手に入れるために、黄龍王の魂が阿修羅の代わりに埋め込まれていたのだ。
それが黄龍王の魂は新たな転生を待つために、俺様の身体から離れてしまった。
つまり今の俺様は魂に欠陥がある状態なのだ。
そして金色の魔眼発動には魂の力をエネルギーにしているため、その消耗は激しく俺様の身体を蝕んでいると言うのだ。
つまり俺様は欠陥品ってやつか?
「時間が無いぞ?早く決着をつけろ!孫悟空!」
見守る蛟魔王の視線の先で俺様とエデンの戦いは剣技の勝負となっていた。
「くっ!」
俺様の頬から大量の汗が流れ落ちる。
そうなのだ。
俺様は既に胸の痛みに耐えなから戦っていたのである。
それでも顔色変えずに戦って見せていたが、呼吸が乱れ始める。
く、苦しい。
まるで海中で全力疾走しているようだぜ!
だが、奴を倒すまでは倒れる分けにはいかない。
俺様しか倒せないのだから!
「どうした?顔色が悪いぞ?どうやらその力には限界が近いようだな?」
「気遣いありがとよ?オマエが倒れてくれれば問題ない!」
見抜かれた事は仕方ない。
俺様は金色に燃え盛る剣を構え直して一気に畳み掛けに行く。
「やはりワタシに叶う者など存在しなかったと言うわけだな」
エデンは俺様との真っ向勝負を避け始めたのだ。
時間稼ぎ?このまま放って置けば、俺様が自滅すると踏んだのだろうな。
「うっ!?」
だが、異変はエデンにも起きたのだ。
突如、苦しみ出してもがき始めたのだ?
な、何が起こっているのだ?
その時、何者かの声が俺様に聞こえて来た。
「コイツ(エデン)は俺が道連れにしてやる。だからお前との再戦はお預けにしてやろう」
「お、お前は?」
その声は本当の那我羅の声だった。
那我羅は中からエデンに奪われた身体を取り戻すべく再び抗っているのだ。
「お前は那我羅か?だったらお前がエデンを逆に取り込んでやれば良いだろ?ソイツの存在を消し去った後に再戦でもすれば良いだろ?」
どうも俺様は那我羅に対して不思議な情が芽生えている事に気付いたのだ。
しかし那我羅はそんな俺様を拒否するかのように告げたのだ。
「お前の大事な女をこの手で殺した俺に情をかけるつもりか?お笑いぐさだな」
「!!」
そ、それは?
それは何を言っている?
そう言えば、法子を手にかけたとか悪い冗談を言っていたが、それは無い!
だって俺様達の背中を押して、今は安全な場所で俺様達の帰りを待っているはずだからな・・・
その時、俺様とエデンの前に向かって何者かが向かって来たのだ。
ソイツは両者の前に割って入る。
「お、お前は!?」
ソイツは傷だらけの白蛇の巫女だった。
死んでなかったのか?
まさかエデンを守るために邪魔をする気か?
沙悟浄は何やってたんだよ?
「孫悟空、みなさい!」
すると白蛇の巫女は俺様に向けてテレパシーを送ったのだ。
それは那我羅と法子の一騎討ちが映し出されたのである。
そして法子を背後から那我羅が剣を刺したところで俺様は首を強く振る。
「そ、そんなことは、ありえねぇ。何かの間違いだ。間違いだぁーー!!」
俺様の怒りが肩を震わせる。
激情が俺様の抑制を振り切ったのだ。
「関係ねぇ、テメェら纏めてブチ殺す」
俺様は燃え盛る剣を一度振るうと、エデンに向けて狙いを定めたのだ。
「こ、このワタシを殺すなど出来るものかぁー!那我羅!オマエの魂は存在ごと消してやるぞ!それにオマエ(孫悟空)!キサマも消し去ってやる!」
が、その思念を抑え込むように白蛇の巫女がエデンに向かって呪縛する。
「巫女ぉー!な、何を?」
「我らが始祖であり、覇王エデン!私はオマエに仕えていたのではないわ。私は那我羅様にこの命を捧げていたのだから!オマエから那我羅様の身体は返して貰う!」
直後、エデンの斬撃が白蛇の巫女を肩から真下に両断した。
一瞬だった。
「な、那我羅さま・・・」
白蛇の巫女の身体が消滅していく。
「愚か者めが」
白蛇の巫女を始末して油断したエデンだったが、その眼前に迫っていた。
「愚かなのはテメェだぁー!」
「あっ!」
俺様の振り下ろした金色の剣が那我羅の身体ごとエデンを斬り裂いたのだ。
「ゴッ、そ、そんなぁ…」
直後、閃光が那我羅の身体を包み込み、爆発を起こした。
(見事だ、孫悟空よ・・・)
錯覚だったのかもしれないが那我羅の声が聞こえた気がした。
俺様は爆風に吹き飛ばされながら変化が解けて大地に向かって落下していた。
完全に力を使い果たしてしまったのだ。
駄目だ、もう動けねぇよ
だが、これで終わりだよな?
その時、俺様に向かって光る何かが飛んで来たのだ?
あ、あれは?
それは光る金色の雲だった。
「金斗雲ーー!」
寸前のところで落下していた俺様は金斗雲に助けられたのだ。
これで本当に全てが終わったんだな。
いや!
「法子ぉ!法子の所に行かなければ!」
俺様は金斗雲に法子のいる方へと向かうように指示した。
だが、全て終わったわけではなかったのだ。
龍脈を通して万聖龍王は今から起きる災厄にいち早く気付く。
「なぁ?何だよ?こりゃ〜??」
地上の揺れを食い止めていた万聖龍王が青褪め、その信じられないような状況に混乱していたのだ。
それは鼓動?
心拍音?大地から?
そして生き残った仲間達に向かって叫んだのだ。
「戦いは終わっちゃいないぞぉー!」
えっ?
その時、金斗雲に乗る俺様の視界が影に覆われて、強い衝撃とともに地面に向かって叩き落とされた。
なっ?何が起きたと言うのだ?
次回予告
覇王エデンは倒した。
にも関わらず、何が起きたと言うのか?




