阿修羅とウルスラグナ!無の境地・無神速!
ウルスラグナ
その魔も手が迫る!
僕は阿修羅
ウルスマグナに手も足も出ないで敗れ去る光と闇の使徒達。
そこに僕は到着した。
「・・・・・・」
僕は立ち止まったまま動けずにいた。
それはウルスマグナから感じるオーラ。
そして何よりも?
「僕は彼に会った事があるのか?」
しかし何処で?
失われた記憶?
しかも僕の魂が告げる本能は込みあげる感情は怒りだった。
これは因縁なのか?
僕と彼は、敵同士!
「ウォオオオオオ」
全身から闘気を解放させ、目の前の敵に向かって飛び掛かっていた。
鋭い手刀が突き出される。
「ふぅ〜」
しかしウルスラグナは余裕で僕の攻撃を躱した。
僕は体勢を変えて手刀と蹴り、拳に掌打を止むなく繰り出すが、まるで赤子の手を捻るようにその場に倒されたのだ。
「!!」
床に倒された衝撃で一瞬瞼が綴じた瞬間、開いた時には目の前に雷球が迫っていた。
「クゥハアア!」
僕は咄嗟に拳に神炎を込めて迫る雷球を粉砕した。
そして直ぐ様立ち上がると、目の前の敵を睨む。
「今ので死んでいれば楽だったのにな?お互いに」
「そうはいかない」
相手は以前見た事があったウルスラグナだった。
無口で話した事はなかったが、ヤザタの中級神。
アータル、アナーヒター、ミスラと同じ。
しかし彼から感じるのは別の何か?
「フフフ。ボクもキミと同様、この世界の住人の器を手に入れ転生したんだよ!」
「!?」
今、何って言った?
僕と同様、何だって?
この世界の住人の器を手に入れて転生したって?
この僕が?
「ふ〜ん。どうやら転生の反動で記憶が飛んだのかい?それとも君の魂が願う思いはその程度だったのか?」
「!!」
その言葉に僕の魂が揺れ動く。
その揺れは強い振動となって鼓動が異常に高鳴る。
全身が神気に溶け込んだような感覚がした。
気付くと無意識に僕の繰り出した拳が目の前のウルスラグナの頬に触れていた。
「クッ!」
頬に手を置き、僕を睨むウルスラグナ。
「無の境地か?」
ウルスラグナは呼吸を変えた。
すると僕と同じく神気に身体が溶け込ませ、その直後、僕は全身から血を噴き出し吹き飛んでいた。
「うぐぅわああああ!」
落下した時、僕は身体中の激痛に悶える。
「無境地の呼吸が使えるのはオマエだけではない」
ソレは特殊な奥義だった。
特別な呼吸法からの己の神気との同調。
雑念を無にして一点のみの思考のもと身体を動かし攻撃に転じる。
その状態からの動きは無神速と呼ばれる。
「無神速!」
ウルスラグナは再び僕に向かってトドメを刺しに来た。
僕は瞼を綴じて感覚を研ぎ澄ます。
あの攻撃を躱す手立てがあるなら、一つ。
もう一度!
極限状態の中で僕は再び無神速を使っていた。
やはり孫悟空の言った通り。
僕は忘れているだけ。
僕は昔、この奥義を体得していたに違いない。
そうでなければ、使えるはずない。
身体が奥義を覚えていたのだから。
無神速と無神速が衝突する。
互いに限界の壁を超えた戦いだった。
雷撃を無神速の移動の前では全て擦り抜け、僕の炎も同じく通用しなかった。
このままでは勝負がつかない?
しかしこの力にはリミットがあった。
「クッ・・・」
僕は先に力尽きて膝をつく。
僕とウルスラグナの戦いを傷付きながら見ていたアータルの目の前で起きていた戦いは三秒程度。
しかし僕は三十日以上ギリギリの精神状態で戦っていたような疲労がのしかかる。
「身体中が軋むようだ」
この無神速状態の間、僕の意識は空の状態になっている。
同時に肉体の限界を引き出しているため、その反動は計り知れない。
しかしウルスラグナはまだ余裕に見えた。
「ふふふ。やはりこの器はボクに相応しい。使うごとに順応してくるようだ」
が、その直後胸に思いがけない痛みを感じる。
「グッ」
突如吐血したウルスラグナは自らの身体の異変に気付く。
それは急激な成長への負荷だった。
「ハァ、ハァ・・・まだ早すぎたか」
しかし今、この状況で動ける者はいない。
「この世界に長く留まり過ぎたようだ。ボクはリングを手に入れ元の世界へ帰らせて貰うよ」
すると僕の前からウルスマグナの姿が消える。
「行かせてたまるか!」
リングを奪われたら、あのウルスマグナが何をするのか分からない。
そして元の世界がもし僕のいた世界だとしたら?
「待て!リングは渡さない」
僕も激痛を耐えて立ち上がると、まだ動けないでいたアータルが僕に頼む。
「阿修羅、頼んで良いか?」
「あぁ」
アータルの思いを受けて僕は頷く。
そして神殿の奥へ先に向かったウルスマグナを追ったのだ。
神殿の奥は僕が最初通った通路とは異質に変わっていた。
まるで異空間のような光の通路かと思えば闇が視野を奪い、平衡感覚が鈍る。
恐らくウルスラグナもこの空間では右も左も分からないでいた。
「どうしてもボクを邪魔をしたいようだな?この世界の始祖神達は!」
それはアフラ・マズラとアンラ・マンユの抵抗。
この二神はウルスラグナではなく僕を選んだのだ。
しかしニ神の妨害をもウルスラグナは攻略する。
「絶対幸縁運の魔眼」
金色に輝くウルスラグナの魔眼はアフラ・マズラとアンラ・マンユの世界創造の力をも覆し、正常な通路を見せる。そしてニ神の前に現れたのだ。
「渡して貰うよ?リング!邪魔をするなら分かるよね?」
最高神を前に不敵に笑う。
傲慢かつ余裕の品格。
「救世の魔眼を持ちし破滅の使者か」
アフラ・マズラとアンラ・マンユを相手にウルスマグナの暴挙は何処まで通じるのか?
そして後を追う僕・・・
僕の戦いはまだ終わらない。
次回予告
アフラ・マズラとアンラ・マンユの前に現れたウルスラグナ。
そして追いかける阿修羅。
その邂逅はどう物語を展開するのか?




