光と闇の伝承!
阿修羅とアータルはアジダハーカを倒せるのか?
僕は阿修羅
ズルワーンの神殿で僕とアータルは悪神アジダ・ハーカと戦っていた。
すると真の力を解放したアジダ・ハーカは三頭龍の、
三口六目の頭はそれぞれが苦痛、苦悩、死を司る有翼の龍蛇。
「まさか蛇神と再び戦う事になるとは・・・」
それは現世の因縁なのか?
「悍ましい姿だな」
「闇の蛇神らしい」
蛇神とは何処にでもいるもんだな。
すると怪光線を放ち僕達の足下が溶解していく。
「猛毒?これに触れたらヤバイぞ!」
アータルに言われて猛毒を避けて飛び上がると、僕は足下に炎を噴出させながら浮遊する。
「浮遊火操」
飛行する僕とアータルを狙いつけたアジダ・ハーカは凶悪な蛇龍の姿で睨み付けていた。
「この姿のオレはダレにも止められない。お前達光の連中はお終いだ!」
さらに放たれる破壊光線を僕とアータルは炎の壁を張り受け止め身を守る。
「くうっーーー!阿修羅、行けるか?」
「問題ない!」
僕とアータルは同時に左右に高速移動してアジダ・ハーカに特攻する。
「!!」
そこにアジダ・ハーカの身体から分裂して出現した猛毒を持つ大蜥蜴や大蠍が道を塞いで襲って来る。
「聖火聖掌!」
アータルの掌から放たれた聖なる炎は浄化の力で猛毒の化物達を消滅させた。
どうやら闇の者には光の攻撃が有効なのか?
なら僕の黒炎よりも・・・
そう思った時、これは無意識に僕の魂の力が切り換わるように変色していく。
すると身体から噴き出して来た力は光り輝く聖なる炎になっていた。
「阿修羅は光と闇の力を使い分けられるのか?本当に何者なんだ?だが今は阿修羅を信じよう!」
アータルも聖なる炎でアジダ・ハーカに攻撃を与える。
湧き出して来るアジダ・ハーカの害獣達を払い除け、本体に迫った。
僕とアータルは炎の塊と化してアジダ・ハーカ本体に加速しながら攻撃を与えた。
「ウゴォオオオオ!」
確かにダメージは受けていた。
そのまま僕とアータルは同時に急上昇し、アジダ・ハーカに向けてお互いの渾身の一撃を同調させ撃ち落とす。
「我が聖なる炎の加護により現れいでよ!ジャスティス・ソード!」
アータルはトドメと聖炎の剣で斬りかかる。
「このアジダ・ハーカ様に己ら如きがぁああ!」
しかしアータルの聖剣が振り下ろされる前に、突如天井が崩壊して新たな脅威が割り込む。
「ガハハハハ!アジダ・ハーカよ!手こずってるようじゃねぇかよ?」
闇の力を籠めた拳が背後から振り下ろされ、隙を突かれたアータルを殴り飛ばしたのだ。
「うわぁあああ!」
新たに現れた闇の者はこのズルワーンの神殿に入り込んだ凶暴のアエーシュマだった。
「ヤザタなんかに手こずるとは情けねぇな?」
「煩い。オマエの助けなどいらん!」
「そう言うなよ?オレも参加させて貰うぜ!リング争奪戦によ〜」
するとアエーシュマが残っていた僕を見付け、一瞬で飛び上がって間合いに入ると強力な拳で殴りかかって来た。
「クッ!」
僕は両手を交差して受け止めるが、その威力は凄まじく衝撃が全身に走る。
「ほぉ?オレの拳を受け止めるとは歯応えありそうだな?オマエ?」
僕は答えずに無言でアエーシュマに対して炎の打撃を与えるが、アエーシュマの身体は無傷だった。
「お〜ま〜え〜?今、何かしたかぁ〜?」
アエーシュマは裏拳で僕に攻撃をし、咄嗟に受け止めた腕が痺れた。
そして僕の前方にはアエーシュマ、そして背後にはアジダ・ハーカが囲む。
「!!」
アジダ・ハーカの身体が再び人型に変わっていく。
その身体は漆黒三頭蛇龍の鎧を纏っていた。
しかも冷静さを取り戻した上で龍蛇の姿と同様の力を発していた。
「フフフ。どうやら頭を冷やさないといけなかったようだ。この私が冷静さを失い、小者相手に時間をかけ過ぎてしまった。しかしこの姿のワタシは蛇龍の時と同等の力を持つぞ?」
アエーシュマとアジダ・ハーカ。
悪神創造主であるアンラ・マンユが六大悪魔とは別に生み出した己の分身たる魔王。
単独のみの力量では光のヤザタよりも上に違いない。
「オイ?アジダ・ハーカよ!先ずは邪魔な連中を一体一体捻り潰してから、リングを賭けてオレと取り合おうぜ?」
「フン!良かろう。しかしワタシは闇の同族とて手加減は出来ないぞ?」
「相変わらず生意気な!先ずは目の前の虫を潰してからだ!」
アエーシュマとアジダ・ハーカが前後同時に僕に襲いかかって来る。
僕は瞼を綴じて意識を集中させると、両合掌し吸い込んだ息を吐き出した。
「カァアアアア!」
僕はアエーシュマとアジダ・ハーカの怒濤の同時攻撃を四腕で受け止め、受け流す。
「何だとぉおお?」
「くぉのおお!生意気なぁああ!」
二体の魔王を相手にする僕は今、極限状態の死線の中で集中力がどんどん高まっていた。
相手の動きが分かる!
そして発気共に放ち両魔王を吹き飛ばした。
僕の底知れぬ力を垣間見たアジダ・ハーカとアエーシュマは驚きつつも反撃してきた。
悪神の二人の猛激を受け止め、
「セェイヤアア!」
飛び蹴りでアジダ・ハーカの側頭部を直撃して弾き飛ばし、そして両手を突き出して掌打をアエーシュマの胸元に討ちこむ。
「ウギャ!」
アジダ・ハーカとアエーシュマは目の前で倒れると、打撃を受けた場所を押さえながら信じられないような顔付きで立ち上がる。
「!!」
最高神級の化け物を二人も相手にして、窮地の状況にも関わらず僕は笑みを見せていたのだ。
それは戦いの悦。
闘神阿修羅としての血が騒いでいた。
「コイツ、本当に光の者か?あの闘争への渇望はオレ達闇側だぞ?」
「隠しても隠しきれない本能がだだ漏れている」
アジダ・ハーカとアエーシュマは僕の潜在能力に警戒し動けずにいた時、僕の力も高まっていた。
そして僕の魂から光と闇のオーラが噴き出して全身を渦巻くように覆う。
「ゔぁかな!?ヤツは光と闇の力を等しく持っていると言うのか?あり得ん!まさかそんな・・・」
狼狽するアジダ・ハーカに対して、
「そんな事が許されてたまるものかぁああ!ヤツが我が主が畏れていた伝承だと言うのか?このオレが証明してやる!」
狂気に怒り狂い襲い掛かるアエーシュマに、
「修羅・穿孔!」
僕の放たれた拳は閃光の槍の如くアエーシュマの身体を連打的に貫く。
「ゔっ、うぎゃあああ!」
全身を激痛が走り倒れ込むアエーシュマにアジダ・ハーカも怯んでいた。
「奴が伝承された存在であるはずない!この私が奴を血祭りに引き裂いて否定してやろう!」
アジタ・ハーカが僕に向かって飛び出して来ると、僕は退かずに逆に懐に飛び込んでいた。
「グッホッ!」
直線に僕の肘打ちが刳り込まれた。
強烈な一撃にアジダ・ハーカの身体がくの字に曲がり、一瞬見えた下顎に向けて追撃のアッパーが決まり吹き飛ぶように仰け反る。
一人立つ僕の足下にアエーシュマとアジダ・ハーカが倒れていた。
その偉業の強さにその一部始終を見ていたアータルは信じられないような顔だった。
「何て奴だ・・・それに本気で何者なのだ?あの阿修羅って奴は!」
しかしアータルもアエーシュマとアジダ・ハーカと同じく光と闇の伝承が頭を過ぎった。
「光挿す闇。闇映える光。混沌に創造が芽生え混合して紡がれ分離により混沌へと帰す。最後の審判似て新世界に現れし光と闇の申し子」
それは相容れぬ光と闇の共存を詠った伝承。
世界の終わりを告げる審判の時。
「もしあの伝承が今この「時」を指しているのであれば、私のするべき事は・・・」
その時、アータルが立ち上がると背後から肩に手を置かれる。
アータルは振り返らずに無言で僕を見たままだった。
「彼が伝承の存在なのであれば、僕達は運命に従うまでだ。そう思うだろ?アータル」
それは遅れて神殿に入って来れたミスラだった。
「・・・・・・」
アータルは頷く。
その時、倒れていたアエーシュマとアジダ・ハーカが怒り形相で再び立ち上がって来たのだ。
やはり頑丈だったな。
「こぉのぉおおお!ガキャアアアア!」
「許さんぞぉおおおおお!」
二人同時に向かって来て僕は再び構えたその時!
「先を行けぇええ!阿修羅!」
「コイツらは僕達に任せろ!」
アータルはアジダ・ハーカを!
ミスラはアエーシュマに突進して僕へ近付けさせないように押し返す。
「二人共?」
するとミスラが僕に言った。
「阿修羅!オマエがリングを手にしろ!」
「えっ!?」
二人は僕に託したのだ。
この光と闇の戦いの勝敗を分けるズルワーンのリングを手にする事を。
「僕で良いのかい?」
すると今度はアータルが答える。
「二度とは言わない。だからオマエの正義を私達に見せてみろ!」
僕は頷くと、その先にある扉に向かって駆け出す。
「抜けがけさせるか!」
「行かせねぇーよ!」
アエーシュマとアジダ・ハーカが僕を追おうとするが、ミスラとアータルが光の力を放ち道を塞いだ。
「通りたければ私達光の使徒を倒してから行くんだな?」
「雑魚が小生意気な!良いだろう。後悔させてやるぞ!身の程を教えてやる!」
アータルとアジダ・ハーカ、ミスラとアエーシュマの戦闘が再び始まった。
そして託された僕は戦場を後にして、宮殿の奥へと走っていた。
「!!」
直後、足下の床が抜けたように落下したのだ。
吸い込まれるかのように僕は暗闇の中へと落ちていった。
まだ僕の戦いは終わらない
次回予告
落ちた闇のそこで阿修羅の前に現れたのは?




