黄龍王と孫悟空の肉体の取り合い合戦!孫悟空に込められた思い
孫悟空の身体が奪われた。
その相手はまさか龍神界の王である黄龍王とは
俺様は孫悟空。
俺様の精神世界では今、俺様の身体の争奪戦が繰り広げられていた。
しかも相手は蛇神ではなく龍神界の皇帝黄龍王なのだから達が悪い。
「玉龍!共同戦だ!俺様に合わせろ!」
「はい!孫悟空さん!」
俺様の動きに合わせ玉龍も素速い動きで黄龍王に向けて気の弾丸を放つ。
正直、玉龍の成長には驚かされたが、マジに頼りになる。
しかも炎術から風術、そらに雷から重力。
様々な術を身につけているのだ。
俺様も分身を百体出現させて翻弄させる。
「子供騙しな戦術だな?」
黄龍王の掌から放たれる光線が次々と俺様の分身を打ち消していく。正直、黄龍王と俺様との力の差はもう泣きたくなるくらい桁違いだった。
けれど奴を倒すのではなく俺様の中から追い出す事が目的。
黄龍王の意識を一瞬でも失わせれば俺様の肉体から外に追い出す事が出来ると玉龍が蛟魔王の伝言を伝えてくれた。地の利は俺様の意識の中だから前向きに考えて俺様にあると考えたい。
考えているのだけれど、黄龍王の覇気に押し込まれ苦戦中。
俺様は印を結びながら拳に力を籠める。
「金剛華王石拳!」
俺様の拳が石化し金剛石の如く固まる。
そしてその拳で黄龍王に向かって仕掛ける。
そして俺様に向かって来る黄龍王の掌から放たれる光線は玉龍が後方支援から光弾を放って対処した。
「一発、殴られろやぁー!」
俺様の金剛の拳に対して黄龍王は一歩も退かずに指先一つで受け止める。
「この程度か?お前の器は素晴らしいが、お前の魂自身はゴミ以下だな。この我が有効活用してやるからオマエは安心して消えるが良い!」
指先から発する覇気が俺様を弾き飛ばす。
「うっ、ぐぅわぁあああ!」
俺様も奴の攻撃で一度でも意識が消えれば逆に身体を奪われてしまう。
だから我慢比べだ!
俺様は身を回転させて着地する。
肉体的ダメージではなく精神的な痛みが俺様の全身を駆け廻るように襲う。
「大丈夫ですか?孫悟空さん!」
「いっ痛え〜!大丈夫じゃないが大丈夫だ!」
そんな俺様達に黄龍王は告げる。
「もう飽きた。我は後にあの蛇神の輩を成敗せねばならない。だからオマエ達に構ってやる時間はない。終わらせてやろう」
「ば〜かやろう!時間は自分で作るもんだ!作れないのはお前の要領が悪いんだよ〜!」
俺様の悪態は無視され、俺様と玉龍目掛けて黄龍王は確実に仕留めにかかる。
「冥土の土産だ!」
黄龍王は俺様達に掌を向けた瞬間、視界が閃光によって見えなくなる。同時に身体が消し飛ぶかに思えた。思えた程の攻撃が繰り出されたはずなのに俺様も玉龍も無事だったのだ。
「もうお止めください。黄龍王よ!」
「この孫悟空は俺達が認めた主。例え貴方とて殺させるわけにはいかん」
俺様達を救ったのは人型をした朱雀王と白虎王だった。てかその姿は久しぶりだった。
「お前ら?何故?」
俺様の問いに朱雀王が答える。
「この精神世界は私達の魂の棲家と繋がっているのだ。そしてお家争いが始まれば出て来ないわけにはいかないだろ?」
「お家の権利争いに現住人が口出しするのは変ではないと思うぞ?他人事ではないのでな」
お家って?俺様の身体はアパートかよ!
変な例えを言ってはいるが二人は俺様を案じて、助けに出て来てくれたのだ。
「朱雀王に白虎王、ウヌら我に立てつく意味がどう言う事か分かっているのだろう?それにオマエも逆らうつもりで現れたのか?」
黄龍王の視線の先にはもう一人いた。
「私は・・・」
ソイツは青龍王だった。
てか青龍は自分達の帝王である黄龍王には逆らえないはず。
となると、俺様の敵?
「俺は一度死んだ身。今は龍神族の戦士としてではなく聖獣としての主に仕えている」
えっ?青龍?お前ったら?
何だかんだ言いながらも俺様の事を慕ってくれてたんだなぁ〜と、涙目で感慨にふける。
「聖獣の分際、しかも各王たるヌシ達がその主たる我に逆らうと言うのだな?ならば良かろう。ヌシらもまとめて消し去るのみ!」
黄龍王は俺様達に格の差を見せつけるような覇気を発して寄せ付けられなくする。
その衝撃は肉体にも異変を起こす。
突然痙攣し始めた俺様の肉体を蛟魔王と万聖龍王が抑えつけながら、肉体までが崩壊しないように治癒術を流し込む。
・・・って、人様の俺様の身体の中で止めてよ〜
マジに〜
どうりで先程から頭痛するわけだ。
「孫悟空、我々が援護する!」
「この姿でお前と共に戦えるとはな」
「全くありがてぇ〜よ!猫の手も借りたいくらいだったからな?」
朱雀王は全身から炎を纏い、白虎王は雷を纏う。
そして青龍王は俺様の知る姿で青龍刀を構えた。
「俺様達もいくぞ?玉龍!」
「はい!行きます!」
俺様と玉龍は印を結び唱える。
「獣神変化唯我独尊・金猿!」
「四霊変化唯我独尊・麒麟!」
俺様の姿は金猿の鎧に纏われる。
そして玉龍も麒麟の鎧を纏って構える。
戦闘態勢に入る俺様達を見て黄龍王は苛立ちを感じる。
それは湧き上がる怒りだった。
「屯って、つるんで、群れを作り、それで何が出来る?どれだけ数を成そうと絶対無比の力の前では無意味。我が統治するはずだった龍神界も絶滅寸前なのも蛇神と言う絶対無比の力の前にこうなった。その原因だった蛇神族も我が手で近しく滅びるがな?」
黄龍王は掌に龍気を籠めると、爆発的な光線が俺様達を吹き飛ばしたのだ。
「うぐぅわあああ!」
その光線を素速い動きで躱すは白虎王。
そして一気に接近すると雷の爪を振り払いながら攻撃する。
更に上空に飛び上がった朱雀王が炎を凝縮して狙いをつける。
「白虎王!躱せ!」
タイミングに合わせ白虎王の姿が消えると同時に朱雀王の火炎弾が黄龍王に直撃する。
しかし!
「この我を倒すには力不足。聖獣の王の座に有りながら他愛のない」
実際の話、朱雀王も白虎王も単独での実力は青龍王に近い強さを持っていた。
全く歯が立たないのはそれだけ実力差があるから。
それでも俺様は負けるなんて思っていなかった。
だってそうだろ?
こんなに頼もしい仲間がいるんだ!
力がわいてくるじゃねぇーかよ!
玉龍が重力場を発生させて黄龍王の足を止めたところに突進し黄龍王に仕掛ける。
拳も蹴りも躱され弾かれ、放たれた光線の直撃が俺様の鎧を粉砕する。
しかしふらつく俺様の背を支えてくれたのは青龍王だった。
俺様と青龍王は無言で頷くと一気に黄龍王に突進して立ち向かう。
更に朱雀王と白虎王が加わり、四方向からの同時攻撃の雨に黄龍王には傷一つ付けられないでいた。
「いつまでも調子に乗るな!愚か者ども!」
黄龍王の全身から放たれる光線は俺様達を貫き、吹き飛ばす。
そして転がるように倒れる俺様を見て、
「オマエの意識を飛ばせばこの器から消えるのだったな?ならばお前から始末するとしよう」
指差した先から放たれた光線は俺様の鎧を容易く破壊し、そして露わになった俺様の頭目掛けてトドメの光線を放ったのだ。
「!!」
俺様の目の前で拡散する黄龍王の光線?
直撃していれば間違いなく俺様の頭は消し飛んでいたに違いない。
けれど寸前で守られたのだ。
「!!」
俺様を守ったのは漆黒の鎧を纏った戦士。
「お前?目覚めたのか?それに俺様を助けてくれるのか?」
その戦士の持つ強固な漆黒の盾は黄龍王の光線をも防ぐ最強の防御力を持っていた。
「玄武王!」
玄武王にはもう一つ神名があった。
玄天上帝
玄天上帝もまた始祖の蛇神。
しかし玄天上帝と俺様の関係は複雑で、命懸けの死闘を演じた関係なのだ。何故なら玄天上帝も蛇神族の血を持ち、その運命の歯車から俺様とは相対する関係になってしまったから。
激闘の末、玄天上帝は様の魂の中に封じられ眠りについたはずだった。
「この俺を倒して置いて無様だぞ?孫悟空」
「ケッ!俺様の本気はコレからだぜ!」
「外では俺と同じ始祖の蛇神。それに目の前には同じく始祖の黄龍王。どうやら両者の始祖の神気が俺の魂を揺れ動かしたお陰で冬眠予定が早めに目が覚めてしまったようだな」
「まじか!?で、この後はまた寝るのか?それとも俺様とまた契約する?」
「フッ。仮契約だがな」
「上等ぉお!」
新たに玄天上帝が加わった事で黄龍王は唇を噛みしめる。
「何故だ!何故お前には仲間が集う?お前のような雑魚が何故そう手懐けられるのだ!」
黄龍王がムキになったのを感じた?
「そんなん決まってるだろ?俺様のカリスマだよ!これぞ王たる資質みたいな〜?」
すると、青龍王の奴が俺様の頭を小突く。
「調子に乗るな?腐れ縁だ」
「いてぇ〜!ツンデレだな〜」
しかし今、俺様の前には朱雀王、白虎王、青龍王、玄武王の四聖獣の王が揃い踏みしたのだ。
「本当に孫悟空さんは凄いです」
感動している玉龍に俺様は答える。
「ここまで担ぎ上げられたら俺様はもう負けれないよな?勝つぜ?玉龍!」
「は、はい!」
「なら、皆!俺様に力を貸してくれぇー!」
俺様が叫ぶと同時に四聖獣達が俺様に向かって力を送る。
皆の力を全て受け止めながら俺様は次の一撃にかける。
「俺様達の絆の力を見せてやるぜぇー!」
「絆だと?そのような不確定な力など蹴散らしてやろう!」
俺様に籠められる青龍、朱雀、白虎、玄武の力を拳に集約すると俺様は皆の想いを感じる。
「感じるぜ!お前らの気持ちはよく分かった!だから俺様に全て任せろぉー!」
俺様は仲間の思いを乗せて黄龍王に向かっていく。
「消え失せろぉー!有象無象!」
黄龍王の身体から放たれる閃光は光線となって突っ込んで来る俺様を直撃する。
「串刺しとなり跡形も残らず消え失せよ!」
「そうはいかねぇーよ!」
しかし俺様は黄龍王の光速の攻撃を押し返していた。
全ての力を拳に一点集中させ、光線の中を突っ込みながら黄龍王に迫っていく。
「うぉおおおおお!」
俺様の突き出した拳に黄龍王は余裕を見せる。
そして軽々と躱された。
「残念だったな?終わりだ!」
黄龍王は俺様の頭をふっ飛ばすように光速の突きを繰り出そうしていた。
「そうかな?」
「!?」
しかし俺様の背後から人影が?
それは玉龍だった。
俺様の背後を追いながら玉龍はこのタイミングを待っていた。
前以って俺様に言われた通りに。
そして俺様が囮になって玉龍が本命の攻撃を繰り出したのだ。
「うわぁあああ!」
玉龍の出現に黄龍王は完全に不意をつかれた。
油断と慢心。
この状況で一番役立たずに思っていた玉龍を奥の手に使うとは思ってもみなかったから。
玉龍の拳は黄龍王の光速の攻撃を擦り抜けながら黄龍王の顔面をぶん殴った。
同時に空間が歪み、俺様の精神世界が消えようとしていた。
そして、
「ぐはぁ!」
俺様も全身を黄龍王の放っていた光速の攻撃で貫かれていた。
この状況で勝敗はどちらだ?
勝ったのは俺様達?
それとも黄龍王?
勝った方が俺様の器を手に入れるのだ。
次回予告
黄龍王と孫悟空の肉体の取り合い合戦は?




