形勢逆転?
軍駝覇蛇の転生前の記憶には法子の先祖である
卑弥呼一族との奇縁があった。
そして二人の前に白蛇の巫女が迫る。
私は法子
私は軍駝覇蛇の記憶から、私自身の宿命みたいなのを見てしまったの。
私の血筋。
卑弥呼一族の悲願。
私がこの世界に飛ばされた意味。
全てが一つに繋がったように思えた。
「何をしている?」
「へっ?」
茫然としていた私に軍駝覇蛇が覗き見ていたの。
「あっ!」
私は軍駝覇蛇と過去の記憶の螺旋とを被らせる。
「ら、螺旋?」
「!!」
突如転生前の名を呼ばれて狼狽する軍駝覇蛇。
「どうやら覗かれているような感覚があったがお前の仕業だったようだな?」
「えっ?いや、それは偶然」
アタフタする私は自分が悪い事したような気持ちになって、とりあえず謝る。
「ごめんなさい。悪気はないの。本当よ?どちらかと言えば勝手に流れ込んで来たようなもんだし、迂闊にも見られた貴方にも否があると思うの。どうだろう?ここは両者両成敗で私のキュートな顔に免じて許してあげた方が良いと思うの。どう?」
「どうじゃねぇ〜よ!」
「うにゅうにゅ!」
軍駝覇蛇は私の両頬を掴み引っ張る。
頬が赤くなりながらも、私は尋ねてみた。
「貴方は過去の記憶が残っているの?人間だった時の記憶?だから私を助けてくれるの?」
軍駝覇蛇は返事をしなかった。
「けれど貴方の知ってる巫女様は私じゃなくて、ずっとずっとずぅ〜と昔の私の御先祖様だと思う。助けてくれる事は有り難いけどね?」
すると彼は鼻で笑い答えたの。
「勘違いしていないか?俺は覇王を超えるためにお前を蛇神城から逃したに過ぎん。もしお前が俺が知る巫女の血筋なら、お前を覇王に与えれば更に脅威に成りかねないからな?」
しかし私はニヤニヤする。
「気持ち悪い女だな」
「巫女様と違って?」
私は軍駝覇蛇の顔を覗き込む。
するとまた頬を引っ張られた。
「ぎょめんなひゃ〜い」
しかしまだ状況が悪いのは変わってない。
白蛇の巫女は直属の配下の白蛇法師達を引き連れて私達を捜索しているの。
覇王に気付かれる前に私達を始末するために。
「俺も十分に休養を取った。後はお前を仲間のもとに送り届けたらお役目御免。騒々しいお前ともおさらばだ」
確かに軍駝覇蛇の身体は完全に再生していたの。
これが蛇神族の不死に近い再生力なのね?
「そのまま私の味方にならない?取り敢えず覇王倒すまででも良いからさ?手を組んだ方が何かと楽でしょ?私の顔効きで皆に納得して貰うからさ?」
「ふざけるな!俺は味方になったつもりはない。それに群れるのはごめんだ。足手まといなられたら面倒だからな。それに良いのか?俺はお前達の仲間を手にかけているのだぞ?」
「あっ!!」
そうだったわ。
軍駝覇蛇は金吒さんを殺した事実は変わらない。
例え孫悟空達が許しても、兄弟であるナタクや木吒さんからは完全に敵視されてしまうの。もし彼を仲間にしようもんなら内部分裂してチームワークが乱れが生じるのは間違いないと思う。確実に。
私は真面目な顔になって一番聞きたかった事を聞いてみたの。
「どうして金吒さんを手にかけたの?何か恨みがあったと言うの?それとも他に理由が?」
「聞いてどうする?聞いたとしても俺のした事は何も変わらない。何も戻らないのだぞ?」
「分かってるわ。分かっているけれど納得出来なければ私は貴方と戦わないといけないから」
「俺は俺を殺しただけ。それがお前の知る金吒と呼ばれる天界神であっただけだ」
「えっ??」
全く意味が理解出来なかった。
自分自身を殺した?
それが金吒さんってどういう意味?
分からない。
「それってどういう?」
私が聞き直そうとしたけれど、
「話はここまでだ。後は自分で調べろ?どうやら白蛇の巫女が来たようだ」
「えっ?」
私にも分かった。
白蛇の巫女の気配が私達のいる頭上高くにまで辿り着いている事に。
「ふふふ。覇王からは引き離せた。今こそ邪魔な覇王の側近を始末出来るぞ」
「私を囮にしたのね?」
「言ったろ?お前とは味方ではないとな」
すると軍駝覇蛇は私に耳打ちをしたの?
「えっ?何?」
それだけ言うと軍駝覇蛇は立ち上がり洞窟から出て頭上を見上げ、白蛇の巫女の位置を把握する。
白蛇の巫女も私達の気配を感じて見下ろしていた。
直後、振り下ろす刃の斬撃と上空へと突き上がる斬撃が衝突して振動が大地を揺らす。
「覚悟は良いようですね?」
「まんまと覇王と引き離されたようだな?」
「覇王様に頼らずともお前如き相手になりませんわ。即刻殺してさしあげます。あの人間もね」
そして二人は一瞬で間合いに入り、空中で互いの刀を繰り返し衝突させて斬り合ったの。
互角!?
このまま決着が付かなければ負けるのは軍駝覇蛇の方なの。
何故なら消耗したところをいつでも襲いかかれる準備をした白蛇法師達が待機しているから。
「時間の問題のようですね?」
「それはどうかな?」
「強がりは恥ずかしいですね」
けれど軍駝覇蛇には確信があったの。
「形勢逆転だ!」
「何ですって?何を戯けた事を?」
その直後、囲んでいたはずの白蛇法師達が次々と何者かの攻撃を受けて落下しなから消滅していく?
そして私も拳を握り歓喜したの。
「本当にも〜う!」
上空には軍駝覇蛇と白蛇の巫女の他に、三人の人影が空中に現れていたの。
それは紅孩児君、二郎真君さん、それに!
「法子はーーん!!」
飛行雲に乗った八怪が私のもとへ急降下して飛び降りると、私の両手を握ったの。
「遅いわよ?」
「待てせたらな!けど、猿よりは早く来たから褒めるらよ?心配してたら!」
本当に全て上手くいったのね。
軍駝覇蛇が戦う前に私に言ったのも、
「俺が戦っている間、お前は気を解放させてお前がこの場所にいる事を知らせろ?良いな?」
「何故?」
「そうすれば全て上手くいく」
「う、うん」
私は言われるがまま気を発散させたの。
そこに私を救出するために向かっていた三人は突然私の解放した気に気付き、向かっていた覇王の居城から方向転換してこちらにやって来たの。
この私を取り戻すために!
これで全て上手くいくわ。
しかし白蛇の巫女はこの予想外の状況に顔を伏せていたけれど、突然クスリと笑ったの。
何?逃げれないと思って気でもふれたの?
「うふふ。まさか隠し玉を持っていたのがお前だけだと思っているのか?この私が何も策無くしてこの場に現れたと本当に思っているのか?」
えっ?
直後、この場にとてつもない強力な蛇神が近付いて来ていたの。
しかも大地を歩きながら。
その接近に軍駝覇蛇も計算が狂う。
「まさか誤算だった」
そして新たに現れた蛇神の姿を見えた時、この場にいる私達は信じられない顔で青褪める。
その中でも紅孩児君は涙を流し驚愕してたの。
だって、だって!
「ち、父上?本当に?」
そこには覇王の手によって紅孩児君の目の前で殺されたはずの牛角魔王さんが蛇神へと変貌して私達の目
目の前に現れたのだから。
そんなこんな。
次回予告
牛角魔王が蛇神側に?
その衝撃に紅孩児は?




