蛇神殺しの血!?
法子は軍駝覇蛇に連れられ、覇王の城から脱出を試みる。
けれど白蛇の巫女が追って来た。
私は法子
私は何でか軍駝覇蛇と一緒に逃亡中なの。
しかも白蛇の巫女と白蛇法師達の追手付き。
で、今は最悪の状況。
軍駝覇蛇と白蛇王が一触即発だったの。
白蛇王が手を向けると七人の白蛇法師達が一斉に宙に浮き飛び出し襲いかかる。
「斬!」
向かって来る白蛇法師に向かって軍駝覇蛇は抜刀し、斬撃を繰り出す。
しかし斬撃は白蛇法師を擦り抜けていく。
「空間術か?」
白蛇法師達は空間を歪ませ斬撃を擦り抜けているの。
まるで幻のようなもの。
しかし白蛇法師の攻撃は実体を持つ。
雷を纏う弓で矢を射ると閃光が軍駝覇蛇に向かって襲いかかる。
「喝!」
軍駝覇蛇は剣を盾にして蛇気を覆って雷の矢を防御し、振り払うと同時に全ての矢を落とす。
「先ずは取り巻きをどうにかしないとな」
軍駝覇蛇は向かって来た白蛇法師を斬り伏せるけれど、空間を歪ませ剣は擦り抜け攻撃は通じない。
「厄介な!」
「構わず攻撃の手を止めないで!」
「!!」
軍駝覇蛇は私に声に頷き剣の手を止めなかった。
白蛇法師の身体を剣が擦り抜け、白蛇法師が攻撃を仕掛けようとした直後、額に飛んで来た石が当たり脳を揺さぶる。
「命中ぅ〜!」
同時に軍駝覇蛇の剣が一体の白蛇法師を一刀両断にした。まるで神風の如き動きで斬撃が他の白蛇法師を襲うが、直ぐに幽霊のように擦り抜けて飛び上がり間合いから離れる。
「チッ!一体のみか?」
思った通り。
防御で空間を歪ませ攻撃を受け付けなくとも、攻撃をする際は実体化してないと駄目みたいね?そこに私が石を命中させて怯んだところを軍駝覇蛇がすかさず攻撃する。
「攻撃をする際にカウンターを与えれば倒せるわけだな?カラクリが分かれば容易い」
それでもまだ六人もいるのだから私の手助けは必要よね?それってつまり?
「先にあの邪魔な人間を始末しなさい!」
白蛇王の命令に白蛇法師達が私に向かって飛んで来たの。って私は今、ろくに戦える武器なんて所持してないのよ?対抗出来ないわよ!
私に襲いかかる白蛇法師が私の目の前で頭上から真っ二つになって消滅した。
「攻撃する際なら俺の攻撃も通用するのだろ?」
それは軍駝覇蛇が私に迫った白蛇法師を倒してくれたの。
真正面から血まみれの両断って、コレってトラウマもんよ?
「まさか私をまた囮にしたんじゃないでしょうね?」
「結果オーライだろ?」
「酷いわ!サイテ〜」
けれど軍駝覇蛇は確かに頼りになる。
本来なら再生する白蛇法師が斬られたまま動かないのは、軍駝覇蛇の持つ能力。
「俺の蛇神殺しの血を警戒しとくべきだったな?」
蛇神殺しの血?
白蛇の巫女は面白くない顔で軍駝覇蛇を睨む。
「お前は他の覇蛇が身を守る不死能力に特化しているのに対して、蛇神の能力を奪い殺す血の力を持っている特殊な能力者。だからこそ覇王様はお前を特別扱いしている」
つまり蛇神殺しの血とは、蛇神を服従させる真蛇の能力の覚醒した力なの?
「俺の能力を知っていたのは覇王とお前、それに妖輝覇蛇のみだった」
白蛇の巫女が今まで軍駝覇蛇を放任していたのは、この軍駝覇蛇を覇王と戦わすためではなく、その覇王に対して邪魔になる蛇神を秘密裏に暗殺させるため。
「今からでも真蛇王マダラ、それに異国より来た夜刀神、牛帝覇蛇の始末を引き受けるのであればお前の命だけは見逃しても良いのだぞ?」
「ふふふ。俺を差し向け多少でも隙の出来た奴らに対して漁夫の利を狙う魂胆なのだろ?」
「手駒になるのはそんなに嫌か?例え特殊な覇蛇の力を持っていようと、お前はまだ真蛇の境地には達してはおらん。遠からず早からず命を落とすであろう。ならば私の、否!覇王様のためにその命を使うのが蛇神としての本望であろう?」
白蛇王の言葉に軍駝覇蛇は鼻で笑う。
「俺は俺の意志に従う!そして俺が命を落としてでも守りたいと決めた者は覇王ではない!」
その時、私に向けられた軍駝覇蛇の眼差しが熱い事に気付く。
ん〜?えっ?嘘?何で?何故?
それって私なの?
どうして?どうして?
けれど回答得る間もなく私の目の前で軍駝覇蛇と白蛇王の戦いが始まってしまったの。
「白蛇の呪牙剣」
白蛇王の剣と軍駝覇蛇の剣が衝突し、その巻き添えにならないように白蛇法師達は宙へと飛び上がり距離を取る。そして私の方は?
「これって?」
私の足下から結界の光が覆って守られていたの。
見ると輝く勾玉が置かれている?
その結界は蛇神のモノとは違うみたい?
けれど何て強力で温かいの?
きっと軍駝覇蛇が私を守るために置いたと思うのだけど、この勾玉は私の知る流派に近いような気がする。そんな有り得ないような話だけど?
「今はそれよりも!」
軍駝覇蛇と白蛇王の攻防は激しく互角の戦いを繰り広げていたの。
「巫女でありながら、その太刀筋は驚いた」
「お前こそ実力を隠していたようですけれど、この私を騙し通せると思うな?」
徐々に力を解放しつつ早急に決着を付けようと振り下ろす剣に籠められた一撃一撃に殺意を増していく。早急に片付けたい理由は共に同じだった。
覇王には秘密の隠し事だからよ〜
私を殺そうとしている者。
私を逃がそうとしている者。
きっとバレたらどちらもタダでは済まない。
計画倒れも良い所だし目的も果たせない。
だから事を急ぐ。
「白蛇王!その命貰うぞ!」
「死ぬのはお前の方よ!」
互いに飛び上がり剣を突出す。
そして互いの剣が相手を貫いたの!
まさか相討ち??
けれど軍駝覇蛇は吐血しながら舌打ちをしたの。
何故なら貫いた白蛇王の姿が白蛇法師の一体と入れ代わり、目の前で消滅したから。
そして本物の白蛇王は更に空中から蛇気を凝縮しながら何やら唱えていたの。
まさか今の一瞬で自分自身と配下の白蛇法師とを空間転移の術で入れ代わったと言うの?
「お馬鹿ね?手負いの上にこの私の攻撃を耐えられるかしら?」
すると凝縮した蛇気の空間から無数の白蛇が噴き出して来て軍駝覇蛇を飲み込むように襲いかかる。
この無数の白蛇は障気と猛毒、呪いや酸と蛇気。
そういった禍々しい力が襲う。
更には結界で守られていた私にまで白蛇が溢れて覆い締め付けてくる。
次第に結界に亀裂が走り溶け出す。
今にも壊れて私の身も危険な状況に合う。
「どうしよ?どうしよ?どうしようったらどうしたら良いのよ〜」
流石の私でもこんなの防御しきれないわよ。
「あっ!!」
けれど無情に私を守っていた勾玉が割れると同時に結界が破壊されて濁流のように白蛇が私に向かって流れ込んで来たの。
もう駄目ぇ〜!
そう覚悟した時、私は何者かに抱きしめられる?
「軍駝覇蛇?」
い、生きてたのね?
けれど息が荒く消耗しているのがわかる。
「飛ぶぞ?」
「えっ?あ、うん!任せるわ」
同時に白蛇が流れ込み完全に埋もれてしまった。
その様子を白蛇王は高笑いしていたの。
それから暫く時が経つ。
私は洞窟を見つけて、軍駝覇蛇を運んだの。
に私と軍駝覇蛇は彼の転移の術で辛うじて助かっていた。
けれど軍駝覇蛇は転移の術も使えるなんて曲者だわ。
それでも白蛇王の剣で刺された事で意識を失っている。
仮りにも私を、庇って怪我したんだし・・・
けれど金吒さんの仇でもあるのよ。
正直、今の軍駝覇蛇は白蛇王の攻撃をモロにくらって全身を猛毒に侵されていた。
だからもし私が手を加えれば、寝込み襲えるわけ。
ん?あ、寝込み襲うって変な意味じゃなくてヤッちゃうって意味よ?ん?ヤッちゃうって変な意味じゃないって!もう!変態!
と、脳内でボケてる私は軍駝覇蛇を見る。
「熱を出してるみたいね?」
私は洞窟を出て、辺りを探索して地面の気の流れを通して湧き水を発見していたの。そして再び洞窟に戻って軍駝覇蛇の身体を拭き、額に濡れた布切れ(私の衣を破いたもの)を乗せてあげる。
「見殺しにしたら寝覚め悪いしね」
そして軍駝覇蛇の熱を見るために額に手を置いたその時、
「えっ!?」
私は吸い込まれるかのように意識が飲み込まれていく。
私、どうなってしまったの?
そんなこんな。
次回予告
軍駝覇蛇の過去。
それは法子とも関わりが?




