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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
292/713

すべては計算通り。魔導覇蛇の覇王攻略法!

覇王と魔導覇蛇


その想像を超える戦いは?


私は法子

今、覇王と魔導覇蛇が世界の支配権をめぐって戦おうとしていたの。

魔導覇蛇はこの日の為にありとあらゆる準備をして来ていた。

それはもうチートと呼ぶに相応しいくらいの反則技で。

「さて、観客がいないのが少々寂しいが」

魔導覇蛇が指を鳴らすと覇王の頭上に光る魔法陣が出現したの。

しかも高位陣が二重?三重?五重!?

恐らく一つあれば大国が跡形もなく消え去り、塵と消える破壊力があるに違いないわ。

それが連続的に覇王に降り掛かる。

「!?」

覇王は気付く。

その身を囲む別種の結界に。

それは急激に覇王の力を奪い消耗させる。


「念には念を入れ、絶・ロスト!」


結界は覇王の力をゼロにする魔法陣。

この魔法陣に捕らわれ、八怪も二郎真君さんもナタクも力を出せずに敗れたの。

そう。魔導覇蛇の前に現れた三人は突如足下が光り輝き魔法陣が発動すると、神気が練られなくなって全身の力が急激に消耗したの。その能力は三人の体内から流れる気が力になる前に魔法陣へと移行して魔法陣をより強固にする。だから力を出せば出すほど逃れられなくなる魔法陣だった。

そうなれば後は袋叩きでジ・エンド。

三人は無抵抗のまま敗北してしまったの。


身動きが取れない覇王の頭上から立て続けに強力な雷撃が破壊塊となって直撃する。

「その魔法陣の中では防御壁を張る力もないから直接心身に雷撃を味わえるだろ?覇王様」

魔導覇蛇は手を止めなかった。

掌を頭上に挙げると異空間が割れて漆黒の剣が出現する。

そして目の前に浮いた剣に手を取る。

「魔導の剣」

魔導の剣とは蛇神城の闇より錬金の術で産み出された滅殺の剣。

斬られた者は魂を削り取られて存在をも消し去る恐ろしい剣だったの。

「やはり主人公は黒くて特別な剣を持ってこそヒーローの醍醐味だよな」

魔導の剣を構えた魔導覇蛇は、未だ降り止まない雷撃に閉じ込められている覇王に向かって、


「魔導斬滅剣!」


振り払われた剣は空間を削る斬撃。

覇王は跡形もなく消滅していたの。

「終わった。本当に僕が世界を救ったんだ。しかし歓喜するには他愛もなかったよ。なんだろう、この虚しさは?やはりチート過ぎると物語も長続きしないってのは本当だな」

が、その時!

凄まじい波動が揺るがしたの。

覇王は傷一つ無くそこにいたから。

「あ、あ?あははは!流石は覇王様。まるで無傷じゃないか?一体、どうやったんだか?」

魔導覇蛇は覇王を取り巻く力の分析をする。

「解析終わった。嘘だろ?」

身震いする魔導覇蛇は目の前の覇王に対して目の色が変わる。

「これは攻略しがいがあるよ!マジ卍!何?その出鱈目さは?笑える〜!」

覇王は結界の中で確かに力を奪われた。

しかし奪われる以上の回復と湧き上がる尋常じゃなく放出する発気が魔法陣の消耗力を上回っただけの話。頭上の雷撃すらも炎の隕石も覇王を倒すには至らなかっただけの話。そして迫った斬撃を鞘から抜いた剣で弾いただけの話。

至極簡単な理由。

ただ単に常識外れして強いだけの話。

本当に化け物だったのよ。

「洒落になんないな〜。そうでなきゃゲームクリアの楽しみを味わえないってことで」

揺れ動く大地から化け物級の蛇が出現して覇王目掛けて襲いかかる。

しかも一体、二体、まるで蛆虫のような奇妙な姿の化け物だったの。

「喰虫・蛇神培養!」

それは輝皇覇蛇の蛇昆虫を手に入れ培養し数百倍にも成長させ自らの使役する手足としているの。

「穢らわしい」

覇王は迫り来る巨大な蛇昆虫を覇王の剣を振り払って消し去る。

「なら、取って置きのを行かせて貰う!」

蛇昆虫は次の魔法にかかる予備動作のための時間稼ぎ。

既に次の仕掛けは終えていた。


「この術は躱す事も逃げる事も破る事も攻略する事も泣いて謝っても不可避なんだよ。これで終わりだ、覇王!喰らうが良い。この魔導覇蛇様の必殺奥義・空間圧縮次元切断殺し!」


覇王の周りの空間が魔法陣に囲まれ歪み出し全身を圧し潰し、空間ごと粉々に砕け散った。

「終わった!終わりだ!この僕がこの世界の窮地から救った英雄、救世主になったのだぁー!」

本当に終わったの?

もしかして蛇神との戦争の終幕?

お、思っていたより、呆気ない終わり方。

「いらぬ事を」

えっ?

すると離れた場所に覇王の声が聞こえたの?

しかも隣には白蛇の巫女が従えていた。

魔導覇蛇の術が発動するより先に白蛇の巫女が覇王を術の中から転移させたの。

「不躾けとは思ったのですが、覇王様がアヤツ如きの攻撃を受ける必要ありません。宜しければ私めが奴を処分致します」

白蛇の巫女の言葉に覇王は無言で退かせる。

「いらぬ。影で何やら力を求めていたようだが拍子抜けをした。早々に片付け終わらせよう。これ以上はたかが知れている」

その言葉に魔導覇蛇は呆気にとられる。

「何?もしかして俺、大ピンチなわけ?ククク。大ピンチの時こそ大逆転が主人公の定義!この俺がもう策が残ってないと思ってるのかよ」

既にシュミレーションは繰り返していた。

負ける気は全くなかった。

それこそゲームクリアする為に数千、数万回殺された。けれど数える事を諦めた頃から模擬覇王に対して傷を負わせられるようになり、相討ちとし、勝利出来るようになった。だから、ここまでの経緯はシュミレーションで何度と体験して来ていた。

もう敗北は考えてなかった。


「ここまでは全て計算通り。思惑通り。予想通り!くくく。段取り通りで笑えるねぇー!」


魔導覇蛇は何処までも強気。

そして水晶でこの戦いを見ている私を想像してクスリと笑う。

「危機感を煽って心配させ、最後は格好良く決めて惚れ直させる」

魔導覇蛇の身体が霧に覆われると、魔導師の姿から漆黒の骸骨の鎧を纏い、マントを翻す。

更に両手に魔導の剣が二本出現し掴み取る。

「ヤバッ!マジに俺、カッコいいかも!まぁ、骸骨なのはダークヒーロー的で有りだろ?」

正直、剣術なんてやった事はない。

しかし魔術の能力で剣術スキルを上げていた。

見ただけで師範代?達人?神レベル。

動体視力を強化し、動いている全てが止まって見える。そこに反射神経を上げ、身体強化を向上させてどのような動きにも対応出来るようにした。

そもそも蛇神の身体能力は段違いだが、相手が最強最悪の覇王なら準備に必要ないなんてない。

「そろそろ決めさせて貰うぞ!」

魔導覇蛇は覇王に向かって突進する。

その速度は音速から閃光に変わり、振り下ろした左右からの漆黒の剣が覇王の首を捉えたの。

「覇王の首、とったどぉー!」

魔導覇蛇の雄叫びが戦場に響き渡った。

「軽いな」

それは覇王の声だった。

「えっ?」

魔導覇蛇は気付く。

自分の肘から先が斬り落とされている事に。

「うっ、う、うわぁあああ!」

それは今の瞬間に覇王が先に自分の腕を斬り落としていたの。

全く全然気づかなかった。

痛みを感じないから、目で見るまで分からなかった。

そして即座に飛び退く。

「大したものだよ!イレギュラーあっての緊迫感。大丈夫、大丈夫。問題ない」

すると魔導覇蛇の失った腕が再生する。

「流石は覇王様って事で、ふふふ。多少ギリギリあってこそ面白くなるってもんだよ」

魔導覇蛇が指を鳴らす?

そこに魔導覇蛇の背後の空間が歪み出して扉を抜けるように人影が出て来る。

「今より我が頼もしき軍勢をお見せ致しましょう。いでよ!死者複製!」

そこから出て来たのは死んだはずの女帝九蛇、甲殻九蛇、双創九蛇、双像九蛇、盗眼九蛇の姿だった。

「我が配下のオリジナルは失おうと、複製は幾らでも造り出せんだよ。さらに」

新たな空間が歪み別の強き力を感じる。

「この魔導覇蛇の別名は髑髏九蛇の他に死霊覇蛇と呼ばれている。つまり死者を操る死の世界の王とも言えるのだ!」

新たに現れたのは蛇神襲来で敗北し死んだ硬剛覇蛇、喰殖覇蛇、熔毒覇蛇と言った覇蛇と修蛇六尾、大嵐六尾。死者から細胞を拾い集め複製していたの。

「覇王の配下とて生み出された屈強の戦士が今、お前の望み通り相手になるのだ。嬉しかろう?存分戦い敗北し死ねるのだからな」

揃い立つ最強の猛者。

その姿を見た覇王の目が輝く。

「多少は楽しめられるか?」

「楽しんで貰おうか!覇王の首を奪い取れ」

魔導覇蛇が命じると一斉に襲いかかる。

大嵐六尾は大剣に乱気流の渦を巻き左方から、喰殖覇蛇は右方からその剛力を活かした拳を繰り出す。

「フッ」

覇王は振り回す覇王の剣を力任せに大嵐六尾の剣ごと一刀両断にし、その回転の勢いで向かって来た完成体の喰殖覇蛇の心臓を一突きにした。

「砕け散れ」

流し込まれた覇気が二体の覇蛇の身体を粉砕した。

「マジ?嘘だろ?」

魔導覇蛇はたじろぐ。

「想像以上の化け物だ。シュミレーションでは身体能力は不死性は失ったが完全体の喰殖覇蛇と互角のはず?それに大嵐六尾の攻撃力は覇王の防御をも打ち砕く力は持っていただろ?」

が、そこに覇王の斬撃が魔導覇蛇に振り下ろされたの。

すると硬剛覇蛇が盾となって受け止める。

「そのような斬撃、硬剛覇蛇の強固な身体には傷一つ付きはしないぞ!」

が、目の前で左右へと両断される硬剛覇蛇。

「やはり信じられるのは九蛇よ」

盗眼九蛇の姿が覇王へと変わり、双造九蛇は自らの身体を覇王の剣へと変化する。

「目には目を!覇王には覇王だ!」

覇王の力を複製した九蛇と覇王が衝突する。

互角!?

のはずの力の衝突は一瞬にして盗眼九蛇と双造九蛇を塵に消し去ったの。

その無双に魔導覇蛇は目を丸くした。

「力でシュミレーションを上回ろうが呪いまでは防げまい。だから使える能力は用意しておいたんだ」

遊女九蛇と双像九蛇が覇王の剣で斬られた。

しかし呪いは発動する。

その身に死への痛みが反射し、歳を奪われる。

「あ、あれ?何でだよ?」

覇王は何もなく平然としていた。

「つまらぬ」

覇王の言葉に魔導覇蛇は眉間に青筋が浮き出る。

「予想以上だよ。マジに!こんなにも難解なゲームは久しぶりだ!けど、負けられないんだよ!異世界転生した主人公は最後には必ず勝利してハッピーエンドが待っているんだからな」

が、そこに覇王が眼前にまで迫っていた。

「どうやら覇蛇の中に下等な魂が紛れ込んでいたようだな」

その剣が魔導覇蛇の胸を突き刺していた。

「うっ、うわぁあああ!」

その状況を私は見ていた。


助けるべきか?

それとも?

迷う私は知ってしまったの。

魔導覇蛇がこれまで行って来た秘密を、


知ってしまったから。


そんなこんな。

次回予告


魔導覇蛇のこれまでの経緯


法子はそれを知り・・・

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