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隔世異伝・転生記~神を導きし救世主~  作者: 河童王子
女子高生覇王蛇神編!
284/713

愛戦士再び!?狂乱バトル??

玉龍と蛟魔王の危機、


そこに現れた男の名は、


浦島と言った。


崩壊した龍神界。

そこには今、生存者は三人だったはずが、

突如戦場に現れた者がいた。

敵か味方か?何者かも分からない。

そこに玉龍が尋ねる。


「貴方は何者なのですか?」


すると名乗る男の名は?


「俺は浦島だよ」


浦島?


浦島と名乗る男は龍神族の鎧を纏っていた。

「まさかダメ元で試してみたけれど甦られるとは本当に思ってもみなかったさ〜」

浦島は自らの手を握りしめて実感する。

「じゃ、邪魔だぁああ!邪魔、邪魔ぁあ!」

輝皇覇蛇は浦島に向かって蛇気の矢を放つ。

その光速の矢を片手で止めると握りしめ真っ二つにして捨てる。


「ウグゥ?ガウゥウアア!」


輝皇覇蛇は呂律が回らず、もう本能のみで戦っていた。

その動きは閃光の如く、その抜刀した人振りは斬撃として大地を削り落とす。

そのような威力を浦島は背負っていた大槍を片手で振るい受け止め弾き返す。

輝皇覇蛇の光速の斬撃を全て受け止め、弾く浦島の大槍はは突き返して輝皇覇蛇の剣と衝突し交わる。

「な、なんなんだ!?なんなんお前は?邪魔、だぁあああ!」

信じられぬ輝皇覇蛇は浦島の強さに驚愕する。

少なくとも龍王を上回る強さ?

いや、龍王達は輝皇覇蛇の血の呪いで力を抑え込まれていた事を差し引いても、同格?

それ以上に驚く事は、

「何故?何故お前から俺を感じるのだ?」

「ん?やっぱ、気付いたか?だよな。お前から借りたんだよ、俺が復活するためにな」

「な、何を?」

浦島は答えた。


「俺は乙姫の斬られた腕に魂を宿らせていたわけだが、そこに丁度良い器があったからな?使わせて貰ったわけだよ。そしたら驚く事、上手く馴染んでまさか復活出来るとは正直思わなかった。これはラッキーってヤツか?やっぱ?」


浦島は蛟魔王の斬られてしまった腕に宿っていた魂。

輝皇覇蛇に斬られた事で、その魂が呼び覚まされたのだ。

しかも輝皇覇蛇が自分自身が蘇り再生するために異次元から出現させていた新しい肉体の器の情報から、賭けてみたのだ。二人の戦いから発する空間の歪みから輝皇覇蛇が転送するはずだった器の位置を見つけ出し、この戦場に呼び寄せ、己の魂を注魂した。

すると浦島の魂は肉体の器を手に入れ、自らの肉体として復活を遂げたのだ。魂は肉体を変化させ、かつての姿までも取り戻したのである。

これは奇跡?

「この俺の器を手に入れた亡霊だと?そんな馬鹿な事はありえん!俺の器には覇王の血、それに黄龍の血が流れている。俺以外に扱えるはずはない!この王として選ばれし輝皇覇蛇様以外にはな!」

「そっか?なら、目の前にいる俺は何だよ?現実を認めろよ!ヴァァ〜か!」

「下等種がぁあああ!!」

すると再び斬りかかる輝皇覇蛇と交える浦島。

その戦いを見ていた玉龍はもう何がなんだか分からなくなっていた。そこに、

「わ、私は夢を?夢を見ているのか?」

朦朧とする中、蛟魔王は涙していた。

何せそこには、かつて愛し自らが殺してしまった男が自分を救うために再び現れ、戦っていたのだから。

「だ、大丈夫ですか?蛟魔王様?あの方は?」

すると蛟魔王は説明した。

その浦島と呼ばれる男について。


かつて人の身で龍の血を得て龍人となった男がいた。

その者は特殊な能力を持ち得た事で短命であった龍人の寿命を越えて永らえた。

しかも男は蛟魔王(乙姫)を愛していた。

男は励み、八大龍王達にも認められるほど、その実力と階級を上げていった。

そこに起きた龍神界の内乱。

四海龍王の一人であった亀神龍王、そして愛していた乙姫が龍神界の宝具を奪い反逆したのである。

何故?そのような事を?

分からないまま浦島は乙姫を追った。


そこで選択する事になる。


愛する乙姫を取るか?

それとも恩のある龍神界を選ぶか?

浦島は迷う事なく乙姫を選び、そして共に龍神界を裏切ったのだ。

しかし、その事で命を落とした。

と、思われていた。


蛟魔王が輝皇覇蛇と共に地上制覇を目指していた時、再び蛟魔王の前に姿を現したのだ。

その時の浦島は名を変え、天界からも龍神族からも追われる身であった龍人達を集めた勢力。

地上界を支配していた魔王達の中でも指折りの十魔王の一人・万聖魔王として。

その実力は当時の蛟魔王を上回っていた。

それでも一騎打ちの中で蛟魔王の手により命を落としたのだった。


その浦島が今、目の前に現れたのだから!

輝皇覇蛇は龍神と蛇神が人の身で融合した特異種。

しかもその血統は覇王と黄龍と言ったサラブレッド。

まさに本人曰く選ばれし者と言っても過言ではなかった。

にも関わらず、浦島は互角に合間見る。

しかも真蛇の呪いも効いてはいない?


「この器は驚くくらいにマッチしてるようだ」

「そんな馬鹿な!?俺は覇王だけでなく黄龍の血が流れている高貴かつ、選ばれし王なのだー!」

「ん?だったら俺も王様なのか?黄龍って、あの黄金色の龍神様の事だろ?昔、俺を助けた?」

「はぁ〜?お前、何を?」


するとそれは今まで語られていなかった話。

幼き浦島は昔、父親と漁に出ていた。

突然の嵐に親子は海に放り投げられ、そこで父親は溺死、そして浦島も溺れた。

が、気付いた時、浦島は砂浜に流れ着いていた。

しかし身体は動かない。

喉が渇き、飢えが襲う。

そんな浦島の前に現れたのが金色に輝く龍の姿だった。

龍は浦島に選択させる。

生き長らえれば未来、必ず苦境しかない。

茨の道、いや、生き地獄を歩く事になると!

このまま死んだ方が楽に浄土に行けるのだと。


「俺、死にたく、ないよ」


その選択に黄龍は自らの血を飲ましたのだ。

その血を啜った事で、浦島は生き延びれた。

同時に死なずの再生力を手に入れたのだ。

「お前が黄龍の血をだと?それでは?」

「奇遇だな?お前と同じだよ!」

浦島の蹴りが輝皇覇蛇を蹴り飛ばす。

そして輝皇覇蛇の器である覇蛇の血の通う肉体を手に入れた事で、復活した浦島は龍神と蛇神の力を兼ね備えた、まさに選ばれし者であった。

「どうする?二度と争わず、この世に害を乱さないと言うのなら俺は同じ境遇のお前を殺さないでいてやる。しかし刃を向けるなら俺はお前を殺すぞ?」

その言葉には威圧力があった。

「こ、この俺を!王たる俺を見下げるなぁー!」

輝皇覇蛇は発狂し攻撃を仕掛ける。

「馬鹿な奴だ!」

すると浦島の大槍が白く光る。


「付加の大槍!」


その槍を受けた輝皇覇蛇の腕が吹き飛ぶ。

「うがぁあああ!」

それは急激な再生を過剰に与えた事で逆に耐えきれずに暴発したのだ。しかも再生力を過剰に与えられて破壊した場所はすぐには再生しないオマケ付き。

「嘘だ、嘘だ、嘘だぁー!この輝皇覇蛇様が、こんな奴に!こんな奴に負かされてたまるかぁー!」

もう見苦しかった。

最強を誇る覇蛇が、不死の秘密を暴かれ、相手の力を抑え込む能力が効かなくなった時、その本性が露わになる。

「嫌だ、死にたくない、負けたくない、馬鹿にされたくない、嫌だ、嫌だ、嫌だぁ」

その目からは涙が溢れていた。

もう王のプライドとはかけ離れた姿。

しかしその心の闇が新たな深淵を覗かせる?

王であり特別な存在である事が己を鼓舞し誇りだった。

が、目の前に自分と同じ王たる器が現れた今、その支えは失った。


「もう、な、何も、ない、俺にはもう・・・」


全てを失った時、蛇神の血は輝皇覇蛇を覚醒させる引き金となった。

遠く離れた場所を飛行していた覇王はその速度を止めて立ち止まる。


「ほぉ?一皮剥けて化けたようだな。面白い。次に俺の前に現れた時は楽しめそうだ。が、あの場に残っていた者は生き残れまい」


覇王にそう思わせるほどの脅威なのか?

しかし輝皇覇蛇の意識は完全に消えて残ってはいなかった。

その顔面は蛇と龍が混合した化物と成り果てる。

「ウギャギャギャギャ!」

目の前の生者を獲物とし、食欲を満たす動く食料にしか見えてなかったのだ。

「ほぇ〜!自我を捨てたか?コレは」

浦島は大槍を構えて気を高める。

「どうやら楽勝ってわけにもいかないか〜。なら俺は乙姫を守るためにこの命を捧げよう!」

先程までとは変わり、その眼は戦士となる。

向かって来る輝皇覇蛇に対して、その大槍ごと突っ込み全身全霊の力を籠めたのだ。

互いに交差し振り返る。

「どうだ!」

手応えはあった。

再生不可能の攻撃で輝皇覇蛇の身体を貫いたのだ。

「嘘だろ?」

風穴が開いた胸元が再生と崩壊でせめぎ合い、それでも蛇のような触手が絡み合いながら塞いでいく。

「まさに不死か」

ソレはカラクリの無い自己治癒力のみの再生。

完全体の治癒力を得た化け物。

「それでも俺は退かぬ」

が、その正面に輝皇覇蛇が一瞬で間合いに迫り、眼前で口から破壊波を放ったのである。


「ぐっ、ぐわぁあああ!」


浦島は吹き飛ばされ転げ落ちる。

僅かに軌道から逸れたのだ。

しかし破壊波は後方の山を消し飛ばし、その轟音が響き渡る。まさに天変地異の破壊力だった。

「ハァハァ、直撃していたら跡形もなかった」

手にしていた大槍が噛じられたように削り取られている事に気付き、余計に恐怖を与えられた。

「化け物めが!ふん!」

浦島は気合いとともに破壊された大槍に力を籠めると大槍は再生していく。


「ウゴぉおおおおおおおお!」


雄叫びをあげる輝皇覇蛇に大地が震えるように揺れる。

「う、浦島・・・」

浦島の戦いを朦朧としながら蛟魔王は青褪めていた。せっかく二人再び巡り会えたと言うのに、こんなに早く別れがくるなんて。

自分も戦わなければと奮い立たせようとするが、身体の自由が全く効かなかった。

「くぅううう!」

玉龍が先程から蛟魔王に治癒の術を施すが、全く癒えないのだ?まるで何かに邪魔をされているかのように?それは蛟魔王の身体が治癒を拒み受け付けないかのように?そして先程から止まらぬ血が地面に広がっていき、蛟魔王も徐々に意識が消えかけ始める。


「わ、私も、た、戦か・・ぅ」


意識が完全に途切れた。

「蛟魔王様ぁー!」

玉龍の叫びに浦島も蛟魔王の状況に気付く。

「ま、まずい。この状況は!」

直ぐにでも蛟魔王に駆け寄りたかった。

しかし油断したら目の前の輝皇覇蛇が直ぐにでも襲い掛かり、自分の首は一瞬で削げ落ちているだろう。

それ程の殺気と狂気が自分にのしかかっている。

「この命、使い果たしてでも!」

覚悟を決めたその時、

強烈な殺気が全身を凍らせたのだ!!

「やはりか!」

浦島は殺気の方向に警戒する。

しかしそれは輝皇覇蛇ではなく、振り向いた先の蛟魔王に向かってだった。

「こ、蛟魔王様?」

玉龍は突如立ち上がった蛟魔王に驚く。

全身血に塗れて、生気を感じなかった。

けれどあの嫌な感じは蛇神とは異なる凶悪な殺気が全身を凍り付けられ身が縮む。


「あっ!?」


すると玉龍は全身に白い糸が絡みつき引っ張られる?その糸は浦島が飛ばした釣り竿の糸だった。

「少年君、コッチへ!」

玉龍は浦島の隣に引っ張られ着地すると、

「あの〜?蛟魔王様はいったい?」

「どうやら前方にも後方にも逃げ場はないようだ。これはこれは困ったな〜。また乙姫さんに俺、殺されちゃうかな?」

「それって、どう言う?」

「油断するな!来るぞ!!」

二人に向かって輝皇覇蛇が襲い掛かって来る。

しかし逃げ場はなかった。

同時に蛟魔王が強烈な殺気を寄せて迫って来たのだから。


両者の間で逃げ場のない二人は?


そして蛟魔王の身に何が起きたのか?


次話に続く!

次回予告


蛟魔王の身に何が起きたのか?


本能のみの化け物と化した輝皇覇蛇を倒せるのか?



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